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ゼロウエイスト政策の
核心としての堆肥化
世界の実情(4)日本とその課題

青山貞一
22  July 2010
独立系メディア「今日のコラム」
無断転載禁


◆長野県旧臼田町、福井県池田町

 実は日本でも生ごみなど有機物を堆肥化したり、消化槽でメタンガス化し、発電したり、ガスを利用している自治体もある。実際、私が4年間、知事の顧問でかかわった長野県でも旧臼田町にはカナダのハリファックス市で使用されていたものと同じメーカーの堆肥化施設があったし、福井県の池田町にも同じメーカーの牛糞用堆肥化施設があり、それなりにうまく稼働していた。

◆福井県池田町視察時の案内(ゴミ弁連)
◆福井県池田町の堆肥化活動

◆東京都市大学横浜キャンパス

 ちなみに、私が在職している東京都市大学環境情報学部(横浜市都筑区)では、ISO14001環境管理活動の一環として、学生食堂からでる生ごみの堆肥化を行っているが、今回、そこでつくられる堆肥の品質検査として、29種類もの重金属類調査を環境総合研究所に依頼し実施した。

 これは先のハリファックス市の大型堆肥化施設でも実施していることだが、出来上がった堆肥に亜鉛や銅など、植物の生育に影響を与える重金属の含有濃度が高いと、堆肥として使えないばかりか、生育を阻害することもあり重要である。

◆日本における課題

 ただ、日本の場合、市町村が堆肥化を行うと、どうしても装置が大掛かりとなり、巨額な投資と管理運営費がかかっているという別の問題がある。

 日本社会での大きな問題は、技術論としては、いくらでも上記が可能であったとしても、一般ごみの収集、運搬、処理などが廃棄物処理法により市町村の事務となっており、国から市町村に中間処理施設建設事業費の多くを補助、あるいは交付される仕組みとなっていること、すなわち行政論がある。

 国が永年、重厚長大企業とツルんで、焼却主義政策を基礎自治体に押し付け、自治体も少しはおかしいと思いつつ、それに甘んじてきたのだ。

青山貞一:廃棄物焼却主義の実証的研究〜財政面からのアプローチから武蔵工業大学(現在、東京都市大学)環境情報学部紀要
◆青山貞一:廃棄物処理施設を事例とした国から自治体への補助金及び地方交付税交付金の仕組みについて
◆台湾環境行政視察(廃棄物)ハイライト、その1:台北縣八里郷一般廃棄物大型焼却施設

 以下に示す徳島県の上勝町のように、ほとんど補助金、地方交付税に依存せず、35分別により脱焼却、脱埋め立てに近づいている基礎自治体もある。

 しかし、圧倒的多くの基礎自治体は、上記の国からの補助金や交付税の麻薬、それも国からカネをもらい巨大で高額な焼却、溶融施設、管理型処分場を建設するという呪文から抜け出ないことが決定的な問題となっていると思える。


 ここにも地方分権、地方主権を叫びながら現状に甘んじている基礎自治体の課題があるだろう! また、日本の場合、カナダや米国、オーストラリアなどに比べ圧倒的に人口密度が高いため、堆肥化施設によっては悪臭問題で立地や稼働がとん挫することが多い。においなどが原因で裁判となるケースもある。

◆徳島県上勝町

 ところで、地方分権、地方主権と声高に叫ぶ前に、「隗会より始めよ」で独自にユニークなゼロウエイスト政策を黙々と行っている町がある。

 下の写真は、日本で最初にゼロウエイスト宣言を行い、実際、政策を実現しつつある徳島県の上勝町である。


今や全国区となった上勝町の35分別
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix

 上勝町では、以前から一般廃棄物を35種類に分別している。ここまで分別すると「ゴミ=資源」となり、それぞれの資源は各地にもらわれていくことになる。場合によっては有料で貰われてゆく。 この上勝町では家庭から出る生ごみは、原則として各戸でコンポスト化することになっている。


上勝町で35分別を視察する筆者
撮影:鷹取敦、カシオデジタルカメラ

上勝、「竹パウダー」製造販売 生ごみ堆肥化・土壌改良効果
徳島新聞 2010/1/6 10:32

 上勝町有機農業研究会が、生ごみの堆肥(たいひ)化や土壌改良を促進する「竹のパウダー」の製造販売を始めた。粉末は、乳酸菌や糖分を含んでいるため、有機物を分解する能力が高く、作物の成長にも効果があるという。放置された竹林整備の促進にもつながるとして、同会はPRや販売に力を入れることにしている。

 「竹のパウダー」は、竹を1〜2ミリの粉末にした後、約1カ月間、ビニール袋の中で乳酸発酵させて製作する。 粉末の効果は、研究会の藤田正会長(67)が昨年3月、アスパラガスの有機栽培で実験。粉末の有無で成長を比較したところ、粉末を苗の周囲にまいた方の株が一回り大きく、味も良かったという。 また、生ごみを堆肥化するコンポストの中に竹の粉末を入れると、有機物の分解が早く、消臭の効果もあったという。

 町産業課によると、町内の山林約9380ヘクタールには竹林が点在。合計では1割弱の面積を占めるという。竹は横に長く根を延ばし、土壌の養分を多く吸収することから、他の作物の成長を阻害。管理の行き届かない竹林は問題となっている。研究会は、依頼のあった住民の竹林で伐採し、専用の機械で粉末にしている。
 竹の粉末は、福原の産直市・いっきゅう茶屋と小松島市小松島町の「キョーエイ小松島店」で1袋3キロ千円で販売している



上勝町でカナダ・ノバスコシア州のゼロウエイスト政策を紹介する筆者と池田さん
撮影:鷹取敦、カシオデジタルカメラ

 下の写真は筆者らと笠松町長ら上勝町の面々との交流風景である。
上勝町には6回ほど行っているが、ここでは夜、宿泊先の旅館(月ケ谷温泉)で上勝町笠松町長と延々と議論。これが何よりも宝!飲食費は各自もち(念のため)


上勝町笠松町長さんらとの交流会
撮影:鷹取敦、カシオデジタルカメラ

 上勝町と言えば、いろどり事業だ。ほっておけば、落ち葉となる葉っぱなどを集め、毎日全国のツマとして出荷するのが「いろどり」事業である。この事業はTBSドラマとなり、全国に放映されている!

◆青山貞一:上勝町の活動がテレビドラマとして放映されました!

 下はその中核メンバーの横石さん、それに菖蒲夫妻と一緒に撮影した一枚。



左から池田、菖蒲さん、青山、横石さん、菖蒲さんの旦那さん
菖蒲さんのご自宅前で
撮影:鷹取敦、カシオデジタルカメラ