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クレパスで描いた

群馬県北西部の自然景観(2)

青山貞一
 

掲載月日:2013年7月26日
独立系メディア E−wave Tokyo
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◆春まだ浅い嬬恋村のバラギ湖

 群馬県北西部には、数は少ないが小さな湖がある。そのひとつが嬬恋村のバラギ湖である。バラギ湖は、群馬県と長野県の県境にある四阿山(あずまやさん、標高2,354m)の麓にあり、春から秋にかけ釣りや子供づれのキャンプでにぎわっている。

 毎年五月頃、バラキ湖周辺の沼地には水芭蕉の花が可憐な姿を見せる。下の絵は、春のバラギ湖を描いたものである。手前の枯れた草地と白樺の色がなかなかうまく表現できなかったが、水彩用絵の具を小さな筆でクレパスの上の乗せることで何とか枯れた感じを出した。

 


◆群馬県、長野県、新潟県の県境にある野反湖

 下は旧六合村を国道292号線で白砂川にそって北上し、途中から国道405号線でさらに北上したところにある野反湖(のぞりこ)である。標高は1500mほどある。

 野反湖は、群馬県、長野県、新潟県の県境にある。さらに少し東には福島県もある。野反湖周辺は太平洋性の気象と日本海側の気象がちょうどぶつかる地域にある。そのため、非常に天候が変わりやすい。数分で今まで見えていた景色が全く見えなくなったりする。

 その結果、滅多にその美しい湖面の色を見ることができない。私達は過去20回以上野反湖まで出かけているが、綺麗に見えたのは4回に1回程度である。

 その野反湖の湖畔には夏にはニッコウキスゲ、地元で言う野反キスゲの綺麗な黄色の花が見れる。また夏から秋にはヤナギランも群生している。その他、夏には、コマクサやマツムシソウなどの高山植物も生息しており、登山者の目を楽しませている。下の絵は、滅多に見られない晴天下の野反湖のキスゲを描いたものだ。そうそう、野反湖の湖畔には夏から秋にかけ、高山蝶のベニヒカゲも多数生息している。




◆晩秋の嬬恋村、田代湖のカラマツ並木

 群馬県と長野県をつなぐ主要街道はいくつかあるが、そのひとつに信州街道がある。現在、その街道は国道144号線となっている。

 信州街道の群馬県と長野県の県境は今も昔も鳥居峠(とりいとうげ)と呼ばれている。鳥居峠より少し東側、四阿山の麓に田代湖という人造湖がある。この人造湖は東京電力が水力発電所用のダムとしてつくったものだが、今はあまりにも自然湖のように見える。

 田代湖は秋になるとたくさんの渡り鳥が飛来する。下の絵は、この田代湖の湖畔で晩秋に見れるカラマツ並木のそれはすばらしい紅葉を描いたものだ。クレパスでは、うまく並木のディテールが描けないので、楊枝(ようじ)ですでに描いた部分を縦に引っかくことでカラマツを描くことができた。おそらくカラマツやそれを田代湖の湖面に写す色は、かなり実物に近いと思う。
 





◆初秋のパノラマラインのコスモス街道と鼻曲山・浅間山(水彩画)
  この絵は池田こみちと青山貞一の共作 

 四阿山(あずまやさん)の麓にパノラマラインという素晴らしい景観が楽しめる農道がある。

 この農道はかのガット・ウルグアイランドの農業分野への補償費でつくられた農道であるが、道路からはまさに180度さらに360度の大パノラマが楽しめる。左から二つめの山は軽井沢近くの鼻曲山、その隣は浅間隠れ山、右の大きな山は浅間山である。

 一方、ウルグアイラウンドで造られた道路沿いには何カ所かコスモスがたくさん植えられている場所がある。私達はそれをコスモス街道と呼んでいる。コスモスには多様な色彩があるが、下はピンクのコスモスである。この絵は、すべて水彩画として池田、青山が描いている。




◆春、嬬恋村鎌原から白根山を遠望する(水彩画)

 「群馬県」がどこにあるかを知らない人でも、草津温泉(標高約1500m)を知らないひとはいないだろう。その草津温泉の北側にそびえるのが白根山(しらねさん、標高2160m)だ。群馬県にはたくさんの白根山があるので、敢えてこの白根山は草津白根山と呼ばれている。

 下の水彩画は、群馬県嬬恋村の鎌原から春の白根山を遠望したものである。鎌原村は、浅間山の麓にある小さな村、天明の浅間山大噴火では甚大な被害がでた農村だ。そこから見る白根山は格別である。地形から見ると、吾妻川を挟み北側に草津白根山、南側に浅間山がある。嬬恋村は、浅間山麓の北側、吾妻川の南側にある。

 白根山は見て分かるフラットマウンテン(Flat mountain)である。フラットマウンテンとは、頂上付近が平らな台形となっている山を意味している。

 フラットマウンテンで世界的に有名なのは、南米のコロンビア、ベネズエラ、ガイアナ、スリナム、フランス領ギアナ、ブラジルの6か国と地域にまたがるギアナ高地であるが、草津白根山もギアナ高地ほどではないものの、れっきとしたフラットマウンテンである。
 



つづく