エントランスへはここをクリック   

長野県の審議会事情(13)
〜最終回:不誠実な県を
公共事業評価監視委員会が厳しく批判〜

青山貞一

2008年3月22日



 2008年3月14日、長野県公共事業評価監視委員会の最終委員会が県庁で開催された。

 私は3月11日から13日まで青山研究室に中国から留学してきている大学院生の産業廃棄物問題の事例調査で長野県上田と長野に来ていた。

 しかし、委員会がある3月14日は、午前中、大学の学長室会議が世田谷である、13日夜、一端東京に戻り、14日に再度長野市に向かうこととしていた。

 当日、学長室の会議が長引いたため、当初乗るはずの長野新幹線のあさま号に一本乗り遅れた。日中は一時間に一本程度しか新幹線がないため、結局、長野市に着いたのは午後2時過ぎだった。

 ただ、長野県公共事業評価監視委員会の最終回は以下の委員長からの案内メールにあるように、午前10時から昼食をはさみ午後5時まで、終日委員会が予定されていた。そんなこともあり、勤務先の所要でもあり午後2時過ぎからの参加でも問題ないと思っていたし、2時間以上議論に参加出来ると思っていた。

 最終委員会の内容は、委員全員で共同で知事に出す「浅川ダム(の審議)に関する提言」の構成や原稿素案の議論がメインであった。

 個々の委員が書く個別意見を持ち寄ることになっていたが、個別意見は基本的に委員の責任の元にA4で2枚までに限定されていた。私は事前に個人意見を添付ファイルで委員長と事務局(県土木部)提出していた。

 ところで、世田谷キャンパス→尾山台駅→大井町駅→東京駅→..長野新幹線..→長野駅→タクシーを乗り継ぎ午後2時20分頃、県庁の会議室に到着した。

 すると、どうも様子が変なのである。

 直ぐに分かった。

 それは以下の委員長からの案内があったにもかかわらず、早めに委員会の実質的議論が終わっていたのである。

 福田委員長曰く、「今日は「浅川ダム(の審議)に関する提言」について調整がうまくすすみ合意ができたので2時過ぎに委員会を終えることとしました」と。

 事実、私が着席したら県の幹部が今年度の委員会終了の挨拶をしていた。

 下の案内文にあるだけでなく、私は何度も14日は重要な用事で午後からの参加となると伝えていた。

 しかし、事務局はもとより福田委員長も、東京から駆けつけた私に「早めに終わった」のひと言しかなかった。 ここに長野県の基本姿勢があらわれていると感じた。

On Wed, 20 Feb 2008 23:54:23 +0900
fukuda shino wrote:

> 長野県公共事業評価監視委員会の委員の皆さま。
>
> お世話様になっております。 福田です。
> 委員の皆さま全員に、一括してメールをお送りする関係上、
> 個々のアドレスが表示されませんよう、皆さまBCCでお送りして
> おりますので、よろしくご理解ください。
> ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
>
> まず、昨日、2月19日の委員会では、県から依頼された審議案件(4件)
> の『意見書』が最終確定し、午後に、県庁に提出して参りましたことを、
> ご報告いたします。
> >
> 次に、次回委員会についてのご連絡でございます。
> 追って、事務局から議事録が届くと思いますが、ご欠席の方々、
> あるいは提言ワークをされる方々もおられますので、
> 重要ポイントをまとめてみました。 ご確認くださいませ。

>
> ●次回の委員会は、3月14日(金)となります。
>  10:00〜17:00 まで、終日を予定しておりますが、皆様、
>  ご出席が可能なお時間だけでもご参画いただけますよう、よろしく
>  お願い申し上げます。

>
> ●次回の委員会の議題は、「浅川ダム(の審議)に関する提言」の
>  構成や内容の議論となります。


 「浅川ダム(の審議)に関する提言」や委員各自の個人意見は2008年3月28日に福田委員長が村井知事に渡すことになっており、それまでは「浅川ダム(の審議)に関する提言」をこのブログで公表することはできない。

 以下は、いつものように取材されていた朝日新聞の伊藤記者の記事である。

  「浅川ダム(の審議)に関する提言」の素案では、この間、長野県土木部の不誠実な対応を厳しく批判している。当然である。

  「浅川ダム(の審議)に関する提言」は後日、このWebで全文を公開したい。

 それにしても、まんまと公共事業評価監視委員会は長野県土木部の策謀にひっかかってしまった。

 仮に「浅川ダム(の審議)に関する提言」の中で、どんなに厳しい批判を長野県にしてみても、「脱ダム宣言」の故郷、浅川水系でどうみても不要なダム建設を許してしまう可能性が大きくなったからだ。