極めて不公平な貧富の差に、 世界に警鐘を鳴らす グローバルタイムズ社説 Extremely unfair wealth gap sounds alarm in world: Global Times editorial 2022年1月19日 翻訳：青山貞一（東京都市大学名誉教授） 独立系メディア E-wave Tokyo 2022年1月22日 |
 ウォール街の写真 時事通信本文 慈善団体の連合体であるオックスファムは、COVID-19の大流行が始まった2年間に、1億6000万人以上が貧困に追い込まれたとする調査結果を発表した。 一方、世界の富豪10人の財産は7000億ドルから1兆5000億ドルへと2倍以上に増え、最貧困層31億人の6倍も裕福になったという。 データによると、億万長者の総資産は2020年3月の8.6兆ドルから2021年11月には13.8兆ドルになり、それまでの14年間の合計よりも5兆ドル以上増加したことになります。 不公平極まりないのは、米国をはじめとする先進国が採用した「洪水のような景気刺激政策」によるところが大きく、救済のための資金は、さまざまな仕組みを通じて、富裕層が「合法的に」受け取っていたのである。 ここ数十年、世界的な危機が訪れるたびに同様の事態が繰り返されており、2008年の国際金融危機の際に米国政府の補助金を受けたのはウォール街の大企業であった。 これらの補助金は、失業などの社会問題の解決には結びつかず、ウォール街の3大銀行、モルガンスタンレー、JPMorgan Chase、ゴールドマンサックスからの297億ドルという記録的な配当が報じられるなど、企業経営者への巨額の配当に使われた。それがやがて米国の下層階級の怒りに火をつけ、「ウォール街を占拠せよ」デモにつながった。 これはある意味で、現代の社会的危機に対する資本主義システムのシステム的失敗である。 このシステムは歴史的に、福祉国家制度や税などの手段によって、拡大する貧富の差をある程度抑えてきた。しかし、それは根本的な問題には対処できず、ある条件下では再浮上し、さらに悪化することになった。米国をはじめとする多くの先進国における現在の所得格差は、1929年から1932年の世界恐慌勃発以前の水準さえ超えている。 科学技術の発展に伴い、社会の富は新興分野の巨人に集中しやすくなり、富める者はより富み、貧しい者はより貧しくなるという現象がより深刻になる。 国によっては、貧富の差が社会的リスクへの対処能力の差を意味する。 パンデミックの中、富裕層はワクチンを入手しやすく、流行による経済的困難を防ぐための「安全装置」を厚く持つことができる。 一方、貧困層は同じ嵐に耐えることができない。貧者の富は流行期間中も縮小し続け、リスクに立ち向かう能力をさらに制限している。 富裕層と貧困層の間のギャップは、国によっても映し出されている。高所得国のワクチン接種率はすでに低所得国の数倍であり、途上国が流行前の経済水準に回復するには、先進国よりもはるかに長い時間がかかると思われる。北と南の格差の広がりは、パンデミック後の国際情勢に大きな影響を与える可能性がある。 中国は常に貧富の差の問題に高い関心を払い、地域差、都市と農村の格差、所得格差の解消に多大な努力を払ってきた。 中国共産党第18回全国代表大会以降、党と国家組織は貧困との戦いを前例のない規模、強度で進め、人類史上最大の人口に恩恵を与えている。中国は絶対的貧困と貧困の地域問題を根絶した。 1億人近くの貧困層が貧困から脱却し、人類の貧困緩和の奇跡を起こした。貧困削減の厳しい戦いに勝利し、あらゆる面で中程度の豊かな社会を構築した中国は、共同繁栄を堅実に推進する歴史的段階に到達した。 もちろん、中国式近代化の重要な特徴である共同繁栄は長期的な目標であり、その実現には早急な動きではなく、時間が必要である。共同繁栄は平等主義の実践を推進するものではなく、「金持ちから奪って貧乏人を助ける」ものでもなく、欧米の福祉政治でもないことを見抜く必要がある。 習近平主席が2022年のダボス世界経済フォーラムの演説で、「中国は共同繁栄の実現を熱望しているが、それは平等主義ではない」と指摘したように。例えるなら、まずパイを大きくし、合理的な制度的取り決めによってきちんと分けるということだ。 上げ潮がすべての船を持ち上げるように、誰もが発展から公平な分け前を得ることができ、発展の利益はより実質的で公平な方法ですべての国民に恩恵をもたらすだろう と述べた。質の高い発展と厳しい闘争を主張し、共同繁栄を促進することは、党と政府の冷静な選択であり、中国人民の総意である。 私たちは、社会主義の優位性が十分に発揮され、中国式の近代化もこの偉大な歴史的プロセスの中で世界的な意義を示すと信じるに足る根拠がある。 |