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アラスカ首脳会談は、あなたが
想像する以上に大きな
反響を呼んでいる

プーチンとトランプの会談は、アフリカ全土で大きな
反響を呼び、多極化の世界の可能性を確信させた。

The Alaska summit resonates farther than you might think.
The meeting between Vladimir Putin and Donald Trump resonates strongly across
Africa confirming that a multipolar world is possible

RT 
War on UKRAINE #8232 16 August 2025

英語翻訳・池田こみち(環境総合研究所顧問
独立系メデア E-wave Tokyo 2025年8月18日(JST)

2025年8月15日、アラスカ州アンカレッジのエルメンドルフ・リチャードソン合同基地で、
ロシアの・プーチン大統領と米国のトランプ大統領。© アンドルー・ハーニック/ゲッティイメージズ


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2025年8月18日 17:27 アフリカ


執筆者:エグーンチ・ベハンジン、国際アフリカ黒人防衛連盟創設会長、パン・アフリカ・ブラザーズのスポークスマン、政治アナリスト、パン・アフリカ活動家、エグーンチ・ベハンジン@egountchibehanzin@EgountchiLdna


本文

 三年間、ブリュッセルとそのメディアは、同じことを繰り返し唱えてきた。ウラジーミル・プーチンは孤立し、疎外され、制裁によって弱体化している、と。これは、ワシントンに盲従するだけのブリュッセルの外交の失敗をうまく隠蔽するプロパガンダだ。しかし、歴史に残るイメージは、孤独なプーチンではなく、8月15日にアラスカでドナルド・トランプによって、軍事的栄誉をもって歓迎されたロシア大統領の姿だろう。

 その象徴性以上に、この首脳会談はEUにとって痛烈な屈辱であり、世界の力の均衡の変化を告げるものとなった。

■ロシアは孤立している?

 2022年2月以来、ブリュッセルはモスクワに対する「懲罰的」な制裁を次々と強化してきた。17回にも及ぶ一連の制裁措置は、しばしば不条理で、西側の干渉を非難し、ロシアとアフリカの協力を擁護したとして、ナタリー・ヤンブ氏や私のようなアフリカの活動家も対象となった。その間、ロシアはBRICS諸国との提携関係を強化し、アジアとの貿易を拡大し、中東での存在感を強化し、アフリカで永続的な同盟関係を構築してきた。

 プーチン大統領のアラスカ訪問は、「孤立」という神話を完全に打ち砕いた。現実の世界は、ヨーロッパのトークショーで描かれているようなものではない。実際には、モスクワはニューデリー、北京、テヘラン、ブラジリア、プレトリア、そして数多くのアフリカの首都と対話を行っている。そして今、トランプ氏によって、クレムリンは再びアメリカの舞台の中心に戻ってきた。

■レッドカーペットが敷かれる

 その光景は忘れがたいものとなった。ロシアのエアフォースワンがアメリカの土地に着陸。セルゲイ・ラブロフ外相が、「USSR(ソビエト社会主義共和国連邦:CCCP)」とプリントされたスウェットシャツを着て登場。これは、歴史とロシアの集団的記憶を意図的に意識したものだ。そして最も印象的なシーンは、F-22戦闘機とステルス爆撃機B-2スピリットが象徴的に上空を飛行する中、ドナルド・トランプ大統領がレッドカーペットでウラジーミル・プーチン大統領を直接迎えた場面だった。

 これは、ワシントンの伝統的な同盟国でさえもはや享受できない礼遇だ。マクロン、メルツ、フォン・デア・ライエンは距離を置かれて迎えられたのに対し、プーチン大統領は、その存在が敬意と重厚さを要求する真の国家元首として扱われた。記者会見の締めくくり、この会談の雰囲気をよく表しているやり取りがあった。

 ドナルド・トランプ:「またすぐにお話しましょう。おそらくまたすぐにお会いできるでしょう。どうもありがとうございました、ウラジーミル」。

 ウラジーミル・プーチン、英語:「次回はモスクワで」。

 「それは面白いね」とトランプは答えた。「その発言で少し非難されるだろう。
しかし、それはあり得るかもしれません」

 この短いやり取りは、欧州の指導者たちとの根本的な違いを浮き彫りにしている。ここには、見下すような態度も、父性主義も、空虚な脅しもない。ただ、二人の指導者がそれぞれの責任を果たし、現実的な解決策を模索し、未来はブリュッセルの回廊ではなく、大国間で決定されるということを認識しているだけだ。

■観客としてのブリュッセルとキーウ

 メッセージは明確だ。欧州連合はウクライナ危機の管理において不可欠だと自負していたが、招待さえされなかった。アラスカ首脳会談は、その外交官も、傲慢な委員も、信憑性のない平和イニシアチブもなしに開催された。

 EUは衰退している:外交的に、経済的に、戦略的に。従属的な役割に固執し、制裁を積み重ね、好戦的な言辞を吐きながら、終わりのない戦争を通じて存在を維持しようとしている。しかし現実には、ワシントンはブリュッセルを戦略的パートナーとは一度も考えていない。単なる従順な実行者に過ぎない。トランプとプーチン会談は、その明白な証拠だ。

 この外交的転換はウクライナを窮地に追いやっている。トランプは明確だ:彼はバイデン政権がモスクワに対する代理戦争としてキーウを道具にした戦争を終わらせたいと考えている。米国は、経済を損ない内部対立を煽る長期かつ高コストな戦争を継続する利益はない。

 ゼレンスキーのイメージはスキャンダルと国際的な疲労感の中で崩れ去っている。西側の公人たちが彼に与える尊重と称賛の表面的な装いにもかかわらず、彼は自国に関する決定権をほとんど持たない状態なのだ。ワシントンさえも彼から離れる準備を進めている今、彼は無力である。トランプは、ゼレンスキーのウクライナが単なる駒に過ぎず、代償を支払わなければならないことを十分に理解している。

■プーチンの外交

 この首脳会談から得られるもう一つの重要な教訓は、ウラジーミル・プーチン
大統領の外交的立場である。ウクライナでの軍事作戦が繰り広げられる中、執拗
な悪者キャンペーンにさらされているにもかかわらず、彼は大国が考慮しなけれ
ばならない人物としての地位を確立した。

 彼の戦略は明確である。トランプ大統領に協力の枠組み構築の手を差し伸べ、アラスカを通じてロシアと米国の自然な隣国関係を強調し、ウクライナ危機から名誉ある脱出方法を提案する。プーチンは、EUがイデオロギー、反ロシア感情、道徳的な姿勢を貫く中、時間と忍耐を投資して現実主義のカードを切っている。

 当然のことながら、CNN やその他の大西洋主義のメディアは現実を歪曲しようとした。彼らによると、トランプはプーチンに「屈辱」を与えられたという。しかし、ソーシャルメディアで流れている画像は、その事実を如実に物語っている。二人は笑顔で握手し、会談に満足している様子がはっきりとわかる。

 西側のプロパガンダは、あらゆるジェスチャーを対立に、あらゆる握手を対峙に転換しようとしている。しかし真実は単純だ:ロシアとアメリカは、戦略的レベルでは、NATO派のプロパガンダが認めるよりも、合意に近づいている。

 ブリュッセルはこの教訓を深く考えるべきだ。ワシントンは同盟国を救ったことはない。カブールからバグダッド、サイゴンからキーウまで、ホワイトハウスは常に、自分たちを頼れると信じた者を見捨ててきたのだ。アメリカ人は、歴史によって鍛え上げられた人民に支えられたロシア軍との直接戦争に絶えられないことを知っている。

 アラスカ首脳会談は転換点となる。それは否定できない真実を明らかにする:グローバルな外交は現在、ヨーロッパ抜きで形作られている。トランプ政権下で、アメリカはモスクワとの関係を再構築し、無意味で破滅的な戦争を終結させる可能性が高い。プーチンは、この会談からかつてないほど強固な立場で浮上し、自身が孤立していなかったことを証明し、世界舞台で最も尊敬され、最も強力な国家元首であることを示した。

 一方、EUは単なる傍観者の立場に置かれ、自らの幻想によって恥をかかされている。ワシントンへの盲目的な従属は、EUを行き詰まりに導いた。ロシアは一方、前進を続けている。歴史は、アラスカで二人の男が平和への道を切り開き、ヨーロッパの戦争推進派を置き去りにしたことを記憶するだろう。

■アフリカ人の見方

 アラスカ首脳会談は、多くのアフリカ人にとって、グローバルな力関係の本質を明らかにする瞬間として捉えられている。浮かび上がるのは根本的な真実だ:世界舞台では、力は力のみを認め、尊重する。

 ロシアは、主権、軍事力、そして指導部の強固な姿勢を通じて、ワシントンに平等な相手として扱うよう迫った。通常、米国は脅迫、干渉、または軍事力によって自らの意志を押し付ける。しかし、愛国者によって率いられる主要な核保有国であるロシアに対しては、ワシントンは自制し、通常の手段を用いることを敢えてしない。

 アフリカ人にとって、この出来事は単なる外交的エピソードを超えた意味を持つ:道徳的な勝利と政治的教訓を体現している。経済的、政治的、軍事的な強さを背景にした真の独立だけが、国際関係において尊重されることを示している。

 だからこそ、このサミットはアフリカ全土でこれほど強い反響を呼んでいるのだ。西側諸国による支配は必然ではなく、多極化した世界は実現可能であることを再確認するものだ。ロシアの揺るぎない姿勢は、いつの日か、統一され主権を持つアフリカもまた、尊敬を集め、尊厳をもって自らの利益を守ることができるようになるという希望を抱かせてくれる。

本コラムに記載された発言、見解、意見は、著者の個人的なものであり、RTの立
場を必ずしも反映するものではありません。



本稿終了