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ウクライナ、ロシアが
占領する領土の割譲準備

Ukraine prepared to cede territory held by Russia
TCN Morning Note August 12, 2025

原題:The Teregraph 筆者:ジョー・バーンズ
 タッカーカールソン・TCN
最新情報
War on UKRAINE #8150  12 August 2025

英語翻訳:池田こみち(環境総合研究所顧問、TCN会員)
独立系メデア E-wave Tokyo 2025年8月12日(JST)


ドニプロペトロウシクでロシアのドローンに向けて発砲するウクライナ兵出典:Evgeniy Maloletka/AP

2025年8月12日(火) 午前5時52分(GMT+9)


 ウクライナの領土譲渡の可能性は、今週開催されるトランプ・プーチン米露首脳会談における最大の懸案事項の一つです。ゼレンスキー政権が領土を犠牲にする用意があるかどうかが、平和とさらなる戦争の分水嶺となる可能性があります。 

 キーウの公の姿勢は、これまでいかなる領土の譲渡にも断固反対してきましたが、ウクライナの指導部は裏では異なる姿勢を示しているとの報道があります。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、欧州の首脳に対し、戦争中にロシアが占領した一部の領土を譲渡する用意があると伝えたとされています。これにはルハンシク、ドネツク、ザポリージャ、ヘルソン、クリミアの地域が含まれる可能性があります。:

 ゼレンスキーは、そのような条件を受け入れるのは、強力な安全保障保証とNATO加盟への道筋が伴う場合に限ると報じられていますが、彼の新たな姿勢は、バイデン政権時代の政策から生産的な転換を意味しています。平和の条件は、勝者が書くものです。誰が好むと好まざるとにかかわらず。現在の状況では、ロシアが何も得ないまま東欧の流血を終わらせる方法は存在しません。西側がようやくその事実を認めることが、数え切れない命を救う可能性があるのです。

 詳細は以下の記事を参照

本文

 ウクライナは、欧州が支援する和平計画の一環として、戦闘の停止とロシアがすでに占領している領土の割譲に合意する可能性がある。

 ヴォロディミル・ゼレンスキーは、ドナルド・トランプが提案した、ウクライナがさらに領土を譲歩するあらゆる和解案を拒否すべきだと欧州の指導者たちに伝えた。しかし、ロシアが占領した領土の一部は保持することを認める可能性もある。

 これは、前線を現状で凍結し、ルハンシク、ドネツク、ザポリージャ、ヘルソン、クリミアでロシアが占領している領土の事実上の支配権をロシアに委ねることを意味する。

 交渉姿勢の軟化は、金曜日にアラスカで開催されるトランプ氏とプーチン氏との会談に先立って行われた。

 「この計画は、軍が現在取っている立場と関連しているに違いない」と、西側当局者は、キーウとその同盟国間の慌ただしい週末の外交をこう表現した。

 ウクライナとヨーロッパは、トランプ氏とプーチン氏が、ゼレンスキー氏を無視して、長引く戦争の終結について交渉するのではないかという懸念を強めている。

 「私は多くの懸念と大きな希望を抱いている」と、ポーランドのドナルド・トゥスク首相は月曜日、述べた。同首相は、トランプ氏とプーチン氏の直接会談に先立ち、米国当局者が欧州の首脳たちに協議を行うことを約束したと付け加えた。

 欧州の懸念の最大のものは、モスクワが支持したとされる和平計画で、キーウがドネツクとルハンシクで支配する地域からの撤退に同意すれば、ウクライナ南東部の前線を凍結するという内容だった。

 欧州の外交官たちは、プーチン大統領の全体的な戦争目的、すなわち、西側諸国に近いウクライナ政府を打倒し、モスクワに友好的な政権に置き換えるという目的には、目立った変化はないと述べている。

 ワシントンを拠点とするシンクタンク「戦争研究研究所」の報告書によると、ロシアはキーウの「完全な降伏」を依然として目指しており、これにはNATO加盟の可能性を阻むことや非軍事化が含まれる。

 月曜日夜、ウクライナのゼレンスキー大統領は、和平会談が迫る中、ロシアが戦争を終結させる準備をしている兆候はないと述べた。

 「むしろ、彼らは新たな攻勢作戦を開始するため、部隊と兵力を移動させている」と、ウクライナの情報機関の報告を引用して述べた。

 ウクライナは、一部領土の譲渡に表面上は同意しているものの、武器供与とNATO加盟への道筋を含む強力な安全保障保証を含む和平合意にのみ同意するだろう。


ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は欧州の指導者に対し、ロシアの支配下にあるウクライナ領土が和平交渉の議題に上る可能性があると述べた。

 欧州の主要都市は、ウクライナが支配する領土の譲歩を拒否する「ウクライナ+欧州」の単一のレッドラインに外交的な重みがあることをトランプ氏に説得するため、キーウの領土交換に関するビジョンを支持する方針を固めた。

 「ヨーロッパ人は、外交交渉におけるウクライナ支援の役割を理解している。これは士気向上に役立つだけでなく、ウクライナが孤立していないと感じられるように外交的立場を強化する」、と西側の当局者は述べた。。

 「ポーランドおよび私たちのパートナーにとって、国境は武力によって変更することはできないことは自明である。ロシアのウクライナ侵攻が、侵略者に利益をもたらしてはならない。」、とトゥスク氏は月曜日の記者会見で述べた。

 フランスのエマニュエル・マクロン大統領とドイツのフリードリッヒ・メルツ氏は、週末、領土の譲歩に関する強硬な姿勢を支持する同様の声明を発表しました。


ザポリージャ地方でひまわり畑で訓練する兵士 - Andriy Andriyenko/ウクライナ第 65 機械化旅団 via AP

 欧州委員会、フランス、イタリア、英国、ポーランド、フィンランドの首脳による共同声明では、「現在の接触線が交渉の出発点となるべきである」と述べた。

 欧州の首脳たちは水曜日にトランプ大統領と会談し、彼らの主張を伝える見通しだ。月曜日、米国大統領は、アラスカでのプーチン大統領との会談で、ウクライナのために一部の領土の返還を求める意向を表明した。

 トランプ大統領は、「一部の領土の交換や変更があるだろう」と述べ、「ロシアはウクライナの大部分を占領している。その領土の一部をウクライナに返還するよう努める」と付け加えた。


②へつづく