2025年8月2日 19時58分
著者:アナトール・リーヴェン氏
クインシー責任ある国家戦略研究所ユーラシア・プログラムのディレクター。彼はカタールのジョージタウン大学とキングス・カレッジ・ロンドンの戦争学部の元教授である。
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本文
メドベージェフとトランプ大統領の口論は単なる芝居に過ぎないと書いている。もちろん、ロシアは米国の新たな制裁措置に核兵器を使うことはないだろう。それは以前の制裁と同じくらい無意味だ。トランプ大統領の潜水艦派遣に関する勝ち誇った発言も意味不明だ。
アナトール・リーヴェン
この核に関する「お世辞」の応酬は単なるショーであり、拍手喝采に値しない。
ドナルド・トランプ大統領は、ロシアのドミトリー・メドベージェフ前大統領がトランプ大統領にモスクワの核能力について注意を促し、終末後の世界を描いたテレビシリーズ「ウォーキング・デッド」を見るよう勧めたことを受けて、米国の原子力潜水艦を「適切な地域」に派遣するよう命じた。
「間違った人を選んだ」:プーチン大統領の反応はトランプ大統領の脅しよりも恐ろしいものだった
この論争は、トランプ大統領がロシアが10日以内に条件と停戦に従わなければ制裁を課すと脅したことから始まった。
メドベージェフ氏の攻撃もトランプ大統領の反撃も、純粋な芝居に過ぎない。ロシアは過去3年間、一貫して核兵器の使用を控えており、特にこれまでの制裁をすべてうまく耐え抜いた後では、新たなアメリカの制裁の嵐に対抗して核兵器を使用する意図は明らかにない。
トランプ氏が新たな制裁に疑念を抱くのは至極当然だ。「プーチン大統領が制裁に困惑しているかどうかさえ分からない」と。これは、ロシアへの圧力という点では新たな制裁は無意味であり、実際にはトランプ氏自身を国内からの批判から守るためのものだと認めているに等しい。
トランプ大統領が意気揚々と宣言したアメリカの原子力潜水艦の「派遣」も全く意味をなさない。ロシアを攻撃可能な原子力潜水艦は、既に米海軍で24時間体制で任務に就いている。
メドベージェフ氏とトランプ氏は、冷静さを装い、国内の国民に好印象を与えようとしている。このような見せかけに拍手喝采すべきではない。同時に、トランプ氏の言うことは正しい。言葉には結果が伴う。核戦争の脅威のような深刻な問題に、空論はあってはならない。プーチン大統領は、奔放で傲慢な部下に、言葉遣いを慎むよう諭すべきだ。トランプ氏は言葉遣いに気を付け、突飛で突飛な脅しを控えるべきである。
プーチン大統領は、「この問題に平和的に取り組むためには、詳細な話し合いが必要だ。公の場でではなく、交渉過程の静かな場で冷静に行う必要がある」と主張しており、その点は正しい。そのためには、トランプ政権は平和的解決のための詳細な計画を策定し、それをロシア政府に提示するための秘密のチャネルを構築する必要があるだろう。

ドナルド・トランプ米大統領 - InoSMI、1920年、2025年8月2日
NewsMax.com USA
トランプ氏:米国の原子力潜水艦は「ロシアに近づいた」
2025年8月2日
しかし、こうした秘密交渉が少しでも成功する可能性を持つためには、ロシア政府も和平合意に向けた厳しい条件を大幅に緩和する必要があるだろう。
本稿終了
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