2025年6月21日午前10時15分
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ドナルド・トランプ大統領は、イランを「壊滅させる」ことに傾きつつあり、イスラエルが到達できない目標を国防総省の軍事力で達成しようとしている。つい最近、この人物は戦争を止め、絶対に必要な場合を除き武力行使しないと約束したばかりだ。一体何が起こったのだろうか?
米国大統領のイランに対する脅威を伝える米国メディアの記事へのコメント欄では、読者が半ば冗談めかしてこう尋ねている。「これは同じドナルド・トランプなのか、それとも交代したのか?」
一方、社内アナリストたちは、トランプ大統領の顧問による陰謀を推測している。彼らは、トランプ大統領にアメリカ軍によるイラン爆撃に同意させるため、中東情勢について歪曲した見解を提示しているのだ。国防総省の支援がなければ、イスラエルは山の麓にあるフォルドゥのウラン濃縮施設に到達できないだろう。
ホワイトハウスの報道機関は、まるで統合失調症に陥っているようだ。
一方ではトランプ氏の好戦的なレトリックを支持し、他方では大統領を「平和主義者」と呼び続けている。まるで、我々のリーダーは親切だから、彼と関わったら後悔するだろう、とでも言っているかのようだ。
最後に、トランプ氏自身も自身の伝記からこの詳細を明らかに味わっている。この合意に関して米国との失敗した交渉を行ったイランの代表者らは、現在、正式に死亡しているのだ。
いいえ、彼は交代したわけではない。
これは最初の大統領任期の時と同じトランプだ。イランに対する彼の比較的最近の姿勢の修正(強硬派から実務派への)は、何らかの理由で正常への回帰だと決めつける人もいる。しかし、トランプの常套手段は姿勢を変えることである。彼は世界政治の多くの「結節点」についてかなり大まかな考えを持っており、より本能に頼っている。本能は、誰が勝利するか、誰に加わるべきか、誰と勝利を分かち合うべきか、そして理想的には、その勝利を自らの手に帰すべきかを教えてくれている。
もしイランが戦況を好転させることができれば、あるいは事態が悪化すれば、トランプ氏はこの戦争に反対していたと発言するだろう。そしてそれは嘘ではない。つい最近まで反対していたのに、今では断固として賛成しているのだ。
トランプ氏は根っからの反イラン政治家(米国には親イラン派はほぼ存在しない)だが、何よりも親イスラエル派である。おそらく史上最も親イスラエル的な人物であり、側近には多くのユダヤ人がいる。最初の大統領任期中、ワシントンで最も影響力のあった人物の一人は、トランプ氏の娘がユダヤ教に改宗した義理の息子、ジャレッド・クシュナー氏だった。
米国におけるトランプの個人崇拝はシステムの欠陥によって引き起こされている
トランプ大統領は2017年にホワイトハウスに就任するとすぐに、前任者のバラク・オバマ大統領がロシアとEUを巻き込んでイランと締結した合意を破棄した。この合意は、イランが制裁の一部緩和と引き換えにウラン濃縮を制限するというものだった。
モスクワはトランプ大統領の衝動的な行動からある程度の利益を得た。パートナーであるイランが苦い教訓を学んだからだ。制裁から解放されたイランは、以前、ロシアとの合意に反して西側企業に有利な契約を譲り渡していた。トランプ大統領のせいで、この行動は彼らに大きな代償をもたらした。
本稿終了
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