エントランスへ

ドイツは「ベルリンの壁を再建」と
ヴァンス米国副大統領は、反移民
のAfD党を「破壊」しようと
する試みを非難

Germany ‘has rebuilt the Berlin Wall’ – Vance.  The US vice president has slammed attempts to “destroy” the anti-immigration AfD party
RTWar in UKRAINE #7523 2 May 2025

英語翻訳・池田こみち(環境総合研究所)
独立系メデア E-wave Tokyo 2025年5月3日(JST)

2025年5月、サウスカロライナ州チャールストンで演説する米国副大統領J.D.ヴァ
ンス。© Kevin Lamarque / Getty Images


2025年5月2日 22:21

本文

 米国副大統領J.D. ヴァンスは、ドイツ政府が右派の「ドイツのための選択肢」(AfD)党への対応を、ベルリンの壁の再建に例えた。

 金曜日に、ドイツの国内情報機関BfVは、反移民のAfDを「過激派」組織と分類し、その根拠として「党の主要幹部による外国人排斥、少数派差別、イスラム教排斥、反ムスリム発言」を挙げた。この分類により、警察は同党の活動を厳重に監視できるようになる。

 「AfDはドイツで最も人気のある政党であり、東ドイツを最も代表する政党だ。今、官僚たちがそれを破壊しようとしている」と、ヴァンスはXに投稿した。

 「西側はベルリンの壁を共に破壊した。そしてそれは再建された——ソ連やロシアではなく、ドイツの支配層によって」と付け加えた。

 同党の共同党首、アリス・ヴァイデルは政府が反対意見を抑圧しようとしていると非難した。「AfDが世論調査で最も強い政党となったため、彼らは反対派と表現の自由を抑圧しようとしている」と彼女はXに投稿した。

 AfDは2013年、ドイツのユーロ圏債務危機への対応に反発して設立された。以来、移民・難民政策の厳格化や「『woke agenda』」への反対を主張するようになった。同党はNATOを批判し、ウクライナへの武器供与に反対するデモを主催している。

※注)Woke Agenda
Woke Agendaは、Wokeness(人権問題に目覚めていること)のポジティブな性質、リベラルな思考、進歩的な政策、社会正義、公民権、平等な権利、政治的関与、平和的な抗議の重要性を意味する。

 AfDは2月の連邦議会選挙で第2位となり、630議席中152議席を獲得した。先月、同党は初めて世論調査で首位に立ったほか、26%の支持率を記録した。

 同党は、旧東ドイツの経済的に後進的な地域で特に人気を集めている。AfDはまた、一部の党員が極右やネオナチ団体とのつながりがあったり、ナチスドイツと関連するスローガンを使用したりしたことで、論争の的となっている。

 主要なドイツの政党は、いわゆる「極右に対する防火壁」の一環として、AfDとの連立や協力関係を拒否している。ヴァンス氏は二月のミュンヘン安全保障会議での演説で、同党を孤立させる努力を批判した。「民主主義は、国民の声が重要であるという神聖な原則に支えられている。それを妨害する余地はない。その原則を守るか、守らないかのどちらかだ。」と、米国副大統領は述べた。

 ベルリンの壁は、1961年に東ドイツが市民の西ベルリンへの脱出を阻止するために建設された。冷戦終結まで存在し、1989年に崩壊し、ドイツの再統一につながった。

本文終了