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【視点】バイデン政権
 トランプ氏に故意に
最大限の「置き土産」

Sputnik 日本
War on Ukraine #6875 20 January 2025

独立系メデア E-wave Tokyo 2025年1月20日(JST)


バイデン大統領とトランプ次期大統領 - Sputnik 日本, 20.01.2025
© AP Photo / Alex Brandon/Andrew Harnik


2025年1月20日, 00:27

本文

 バイデン大統領はホワイトハウスで記者団に「視界からも記憶からも消えるつもりはない」と豪語したが、これは嘘ではなかった。

 退任間近のバイデン政権の最後の動きを見ると、その主な目的が、トランプ氏とその陣営の今後の活動の全分野で最大限の問題を置き土産に置いていくことだとがわかる。これは、あらゆる紛争地域で最大限の緊張が続く外交政策にも、国内政策にも当てはまる。

 バイデン氏が最も訴えかける手段は制裁。トランプ新大統領がウクライナ支援は最低限に縮小すると威嚇するにもかかわらず、宇支援は継続というスローガンは、トランプ氏の計画を主に経済・社会分野で頓挫させるための、シニカルなイデオロギーの隠れ蓑であると十分に考えられる。

 トランプ氏の大統領選挙公約の中で最も声高に叫ばれていたのは、採掘に対するあらゆる障壁や障害を取り除き、原油価格を1バレルあたり50ドルまで引き下げることで、米国を世界市場を支配する石油大国にするというものだった。

 ※注:: 石油用のバレルは42米液量ガロンであり、158.987
   リットル。正確に158.987 294 928 リットルである。42ガロ
   ン=バレルは、元々はアメリカのペンシルベニア油田で
   始まったものである(当時42ガロンの鰊にしん樽に石油
   を詰めて運んだため)。ペンシルベニア油田では42ワイ
   ンガロン(ワインガロンは現在の米液量ガロンと同じも
   の)のバレルと40ウィスキーガロン(約151.4リットル)の
   バレルとが用いられていた。Wikipedia

   
 これは、ロシアのプーチン大統領がウクライナ紛争終結の条件に難色を示した場合に、圧力の手段にもなりうると考えられていた。だが、トランプ大統領が発表した最大の切り札は、米国の競争力の向上と、燃料小売価格の引き下げによる直接的な社会的効果であることは明らかだ。

 ところがバイデン大統領は新たな対露制裁の発動の文字通り5日前に「反米制裁」を発動してしまった。つまり、米国の太平洋、大西洋の海岸沿いの新規原油採掘を公式的に禁じてしまった。これに対し、トランプ氏はまさに次のようにコメントした。

 「これは馬鹿げている。私はこの禁止を即座に解く。これは私たちの最大の経済的資金だ。私たちはこうした決定で自国を破壊させはしない」

 バイデン氏のこの新たな石油制裁が「成功」した場合、ざっと見積もってもガソリンの小売価格は1ガロン4.9ドルに跳ね上がる。しかもこのガソリン価格の高騰に対処せざるを得なくなるのはバイデン氏ではなく、トランプ氏になるという公算だ。

本稿終了