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Sputnik 独占取材
アサンジの父親:

プーチン大統領は、ジュリアンの
利益を守るために行動した
最初の国家指導者となった

Assange’s Father: Vladimir Putin Became First World Leader to DefendJulian’s Interests
Sputnik International
War on Ukraine #6125 20 October 2024

英語訳・池田こみち(環境総合研究所顧問)
E-wave Tokyo 2024年10月21日



 @Sputnik の動画のスクリーンショット
本動画での二人の表現が本文随所に示されが本稿では省略している

リード文
 ウィキリークス党の創設者であり、ジュリアン・アサンジの父親であるジョン・シップトン氏、およびBRICSジャーナリスト協会の共同会長であるミラ・テラダ氏は、スプートニクの取材に対し、西側諸国における言論の自由、バイデン副大統領(後の大統領)による反対派への弾圧、そして米国による他国支配の試みについて語った。

本文

 スプートニクとのインタビューでシップトン氏は、2012年にロシア大統領のウラジーミル・プーチン氏が「出版社および市民としてのジュリアンの利益を守るために立ち上がった最初の国家元首」となったことを強調した。ちょうどその頃、アサンジ氏は「国家機関や米国、英国、オーストラリアの取り巻き連中が彼の頭上に浴びせることのできるあらゆる誹謗中傷を浴びていた」という。

 「プーチン大統領は、出版社とジャーナリストとしての自分の利益を守ってくれた。そのことに対して、私は大統領に敬意を表します。そして感謝します」と彼は述べた。


ジュリアン・アサンジの釈放について

 シップトン氏は、英国の刑務所に長期間収監されていた息子がようやく釈放され、抱きしめることができたときには「有頂天になった」と語った。

 ジュリアン・アサンジは現在健康で、子供たちと一緒に居て、「自分自身を修復している」とシップトン氏は述べと述べ、子供たちが「他の子供たちと同じように、親になる方法を彼に教えている」と語った。

 しかし、国連の拷問および非人道的処罰に関する報告者であるニルス・メルツァー教授と、ベルマーシュ刑務所に収監されていたアサンジの治療に当たった2人の心理的拷問の専門家が、ジュリアンは「長期間にわたる心理的拷問のすべての影響を示している」と結論づけたと、シップトン氏は指摘した。

 「メルツァー教授に同行して刑務所に赴いた2人の専門家の診断見解がある。彼らはジュリアンの診断レビューを行い、それをまとめ、国連総会に提出し、総会で受け入れられた」とシップトン氏は述べた。



欧州議員、ウィキリークスのアサンジ氏を政治犯と認定

 アサンジの釈放が実現した経緯について、シップトン氏は、ジュリアンを釈放するのに役立ったのは「国家間の、また国家の機関間の権力の流れに対する理解」であったと示唆した。

 また、アサンジが受け入れざるを得なかった司法取引を「報道の自由への大きな打撃」と評した批判した元米国大統領選独立候補ロバート・F・ケネディ氏の評価にも同意した。アサンジは、国防情報を入手し公開する共謀罪の容疑1件について有罪を認め、すでに服役した期間の判決を受けた。

 「今や、欧米諸国の一般市民が率直で暴露的な記事にアクセスできるかどうかが、世界的な関心事となっている。」とシップトン氏は指摘する。「特にオーストラリアでは、情報へのアクセスを制限することを明確に目的とした法律がある。社会で知識となる情報へのアクセスも、制限することを目的としている。」


アサンジとマニングによる暴露の重要性について

 アサンジと米国の内部告発者チェルシー・マニングの努力によって明らかになった事実により、人々は「米国が属国としたい国々に対して、いかにして自国の体制を敷くのか、あるいはそれらの国々を破壊するのかを理解する」ことができたとシップトン氏は述べた。

<前掲インタビュー動画>

 「現在の理解の一つに、『カラー革命』という言葉がある。これは、NGOや通信社、ニュース発行者、ジャーナリストが買収され、国家の結束を弱体化させることによってもたらされる。」、と彼は説明した。「つまり、一連のカラー革命を通じて人々が入手する情報をコントロールすることで、国家に対してどのようなことが可能になるのかがはっきりとわかる。カラー革命はロシアの隣国ウクライナで起こり、ベラルーシでも起こりかけ、カザフスタンでも起こりかけ、グルジア、その他の地域・国でも起こりかけた。」

 米国における「プロパガンダの密度」に気づいている人はほとんどいない、とシップトン氏は付け加えた。

 「プロパガンダの密度と、政府およびその機関が国民を欺き、誤導しようとする意欲は、まったくもって無慈悲・冷酷だ。」と、同氏はスプートニクに語った。

 シップトン氏によると、米国政府は、ソーシャルメディアを通じて自らの意見を表明しようとする米国民の努力に積極的に抵抗して、ワシントンは「政策の統一」だと主張している。

<前掲:インタビュー動画>

 軍隊をけしかけて国民を服従させるという選択肢は民主主義政府にはないため、ワシントンはメディアを使って自国の政策に従うよう国民を説得しているとシップトン氏は述べた。

 「これは、政府や現代の国家がどのように政策を制定するかを理解するために非常に重要な了解事項だ。」、と同氏は示唆した。


ワシントンは従属国となる可能性のある国に対してどのような行動を取るのか?

 また、シップトン氏は、「帝国としての米国政府」は、「国家は人間による最高の組織形態である」と理解しており、従属させたい国々では「国家の制度を弱体化させるためにあらゆる努力を払っている」と指摘した。

 「EUでは現在、EUとEU内の国家との間で主張が対立しているのが見られる。」と氏は述べた。

 ハンガリーの首相であるヴィクトル・オルバン氏やスロバキアの首相であるロベルト・フィコ氏のような人々は、それぞれの国の「質」を維持しようと努力しているが、ブリュッセルは、彼ら自身の資金を保留すると脅すことで、彼らを従わせようとしている。

 「欧州銀行、欧州共同体銀行(ECB)への資金の集中配分、つまり、国家の資金はすべてECBに集められ、その後、それらの国家に再分配されるのだ。」、とシップトン氏は指摘する。「これにより、ECBとEUに絶大な権力が与えられ、それらの国家から根本的な権力が奪われることになる。自国の資金調達能力がなければ、資金をその資質を向上させる分野に投入して国民の資質を向上させることもできないからだ。」


スコット・リッター氏は「核超大国間の関係管理」の方法を心得ている

 元米国海兵隊情報将校で元国連兵器査察官のスコット・リッター氏は、「国家間のパワーフロー」に対する理解と、「核保有国間の緊張を緩和するために必要なこと」に対する理解において、右に出る者はいないとシップトン氏は言う。

 「彼は、その知識を、彼の放送を視聴する多くの人々に提供している。これは本当に重要なことだ。これは、スコットがスプートニクから追放されたり、警告を受けたりすることによる不快感を、多くの点で凌駕している。」とシップトン氏は述べた。

 「核超大国間の緊張をどのようにして軽減し、関係をどのように管理していくかについて、スコットのような経験豊富で知識があり、公平な人物が語ることは本当に重要だ。そしてそれは、意味深いものなのだ。」と付け加えた。


西洋の現状

 シップトン氏は、いわゆる西洋の多くは現在「不活性」の状態にあり、そこに住む人々は明らかに子供を増やす傾向にないことを示している、と指摘した。

 「西洋で起きているのは、80年か90年前に始まったかもしれない衰退である。そして、その衰退は、国民が何を理解し、どのような情報を受け取り、それが社会の知識となり、それに基づいて行動できるようになるのかを国家が管理しようとする不安として現れている。」、と彼は指摘している。「これは、西洋の社会を統治しなければならない国家機関にとっては良いニュースではない。惰性と衰退は決して心地よいものではないから。」、と。


欧米における言論の自由の現状

 欧米では言論の自由が存在しているものの、それは「非常に限定的な形」であると、国際的人権活動家であり、BRICSジャーナリスト協会の共同議長を務めるミラ・テラダ氏は述べた。

 同氏によると、欧米が押し付ける物語に敢然と異議を唱える「オルタナティブメディアやジャーナリスト、オピニオンリーダー」が、米国などの国々によって迫害されているという。

 「これは恐ろしい傾向であり、ジャーナリズムに影響を与えている。世界中に情報がどのように広がるか、また、どのような情報が世界中に広がるかにも影響を与えている。」とテラダ氏は嘆いた。「しかし、真実のために立ち上がり、そのために命を懸けるという考えを持つ人々はまだ存在しいる。」とも指摘した。


バイデン政権が恐れているものとは?

 テラダ氏は、バイデン政権はスプートニクのようなメディアが明らかにする真実を恐れていると主張した。

 「彼らは、このメディアが世界中に与える影響力を恐れている。彼らは、西洋のプロパガンダが十分に機能していないことを恐れている。彼らは、スプートニクやロシアのテレビ局RTに、自分たちの嘘で満たされた人々の心や感情を奪われることを恐れている。彼らは、自分たちが望む結果を得るためにコントロールする必要がある人々を完全に支配できなくなることを恐れているのでだ。」と彼女は述べた。

 そのため、バイデン政権は自分たちに反対する意見や表現を「真実を隠蔽」しようとしている。「なぜなら、自分たちこそが唯一正しい発表内容(narrative)であり、存在する権利があると考えているからだ。」、と。

 また、彼女は人々に情報を吸収する際には「批判的な思考」を用いること、そして自分の心に耳を傾けることを促した。

本稿終了