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   ウクライナは核兵器を持たなければNATOは機能しない - ゼレンスキー
同指導者は、西側諸国の支持者に「勝利計画」を宣伝する中で、ドナルド・トランプ前米大統領との会話について語った
 RT
Ukraine must have nukes or NATO – Zelensky.

英語訳・池田こみち(環境総合研究所顧問)
Translated by Prof. Teiichi Aoyama

War on Ukraine #6091 17 October 2024


ブリュッセ ルでの記者会見にて。© Thierry Monasse / Getty Images

2024年10月17日 13:40

本文


 ウクライナは核保有国になるか、NATOに加盟することで自国を守ることができると、ウクライナのウラジーミル・ゼレンスキー大統領は木曜日に述べた。ゼレンスキー大統領は、ドナルド・トランプ前米大統領にも同じ主張を展開したと主張した。

 ゼレンスキー大統領は、欧州当局者らにロシアとの紛争に対する「勝利計画」を提示した後の記者会見で、NATO加盟が認められないのであれば、ウクライナは核兵器を必要とするだろうと示唆した。

 「核保有国である大国の中で、苦しんだのはどの国か?すべての国か?いいえ、ウクライナだけだ。」と、彼は1994年のブダペスト覚書に署名した国々について述べた。この文書は、米国、英国、ロシアが、ウクライナからソ連の核兵器を撤去することを条件に、キエフに安全保障を保証するという内容だった。

 「ドナルド・トランプ氏に私はこう言った。『我々にとっての解決策は何なのか?』ウクライナが核兵器を保有し、それを防衛手段とするか、あるいは何らかの同盟関係を結ぶかだ。我々はNATO以外の有効な同盟関係を知らない。」とゼレンスキー氏は付け加えた。

 ウクライナの選択肢はNATO加盟であるとゼレンスキー氏は述べ、トランプ大統領は自身の主張を正当であると認めたと主張した。

 ウクライナは核兵器を管理したことはないが、核兵器を放棄する前に主要な核保有国であったと主張している。2022年2月、ウクライナ紛争が激化する数週間前に、ゼレンスキー氏はミュンヘンで開催された国際安全保障会議の演説で、その当時下された決定を遺憾とし、自国にはそれを覆す「あらゆる権利」があることを示唆した。

 ゼレンスキー大統領が最後にトランプ大統領と会ったのは、9月下旬の同大統領の米国訪問時だった。ウクライナの指導者は、ジョー・バイデン大統領と主要政党の2人の大統領候補者であるカマラ・ハリス副大統領とトランプ氏に「勝利計画」を提示するために国内を視察していた。また、ゼレンスキー大統領は、激戦州であるペンシルベニア州の軍需工場を訪問したことでも物議を醸した。トランプ氏の支持者たちは、この訪問はゼレンスキー大統領が民主党候補のハリス氏のために選挙運動をしている証拠だと主張した。

 ゼレンスキー大統領は今週、NATOへの即時加盟を決定することが、欧米の支援者への要望リストに含まれていたことを認めた。米国主導の同ブロックの事務総長であるマーク・ルッテ氏は木曜日、ウクライナが次の加盟国になる可能性すら無いかもしれないと述べた。

※注)ブダペスト覚書(ブダペストおぼえがき
 1994年12月5日にハンガリーの首都ブダペストで開催されたOSCE(欧州安全保障協力機構)会議において、アメリカ・イギリス・ロシアの核保有3ヶ国が署名した覚書である。内容としては、ウクライナ・ベラルーシ・カザフスタンが核不拡散条約に加盟したことに関連して、協定署名国(つまりアメリカ・イギリス・ロシア)がこの3ヶ国の安全を保障する、という内容のものである。またフランスと中国は、別々の書面で若干の個別保障をしている。 署名した国々の1つであるロシア自体が2022年にウクライナに侵攻したので、(ロシアの署名分に関しては)この覚書は既に破棄されている。(Wikipedia)


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