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米国はロシアと中国との
戦争に負ける可能性
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報告書 副題産業、即応性、技術革新、資金が
不十分であれば、紛争で勝利するための軍の能力を
妨げることになると、議会の委員会が明らかにした

US could lose potential war against Russia and China – report
Insufficient industry, readiness, innovation, and funding would hamper
the military’s ability to prevail in a conflict, a congressional
commission has found

RT War on Ukraine #5446  4 August 2024

翻訳:池田こみち(環境総合研究所顧問)
E-wave Tokyo 2024年8月5日

資料写真 Getty Images / Michael Sugrue

本文

 米国は、主要な敵国との潜在的な戦争に備える準備ができておらず、その軍隊は戦闘に必要な「能力とキャパシティの両方を欠いている」と、議会の報告書は述べている。

 米議会から米国の防衛戦略を見直すよう命じられた委員会は、大規模な紛争を抑止し、紛争に勝利するという米国防総省の野心に重大な欠陥があることを明らかにした。報告書は、アメリカの国家安全保障にとって最大の脅威としてロシアと中国を挙げた。

 月曜日に発表された114ページの文書によると、2022年のウクライナ紛争開始前に書かれたアメリカの国家防衛戦略(NDS)は時代遅れだという。米軍は適切に構成されておらず、国の産業基盤は潜在的な脅威に立ち向かうには「著しく不十分」である、という。

 アメリカの専門家たちは、35年前に終結した冷戦時代に、アメリカは最後の大規模な紛争への備えをしていたと主張した。

 元民主党下院議員でNDS委員会の委員長であるジェーン・ハーマン氏は、火曜日の上院軍事委員会の公聴会で、「われわれの委員会は、アメリカの国家安全保障とわれわれの利益に対する脅威は、第二次世界大戦以来のどの時期よりも大きく、冷戦時代よりも複雑であると全会一致で考えている。」と述べた。

 「近い将来の大戦争の可能性」を含む米国への「脅威」は、中国、ロシア、北朝鮮、イランの政治的・軍事的な連携が強まっていることによって、さらに複雑になっているという。

 ワシントンで先月開かれたNATO首脳会議で採択された宣言では、米国主導のNATOは中国を「ロシアのウクライナ戦争の決定的な支援者」と位置付けた。北京はこの非難を「嘘と偏見に満ちている」と評した。モスクワと北京の両国は、中国がロシアに兵器製造に利用できる軍民両用製品を供給しているという西側諸国の主張を否定している。

 「米国は、ロシア、中国、イラン、北朝鮮が関与する直接的な紛争に巻き込まれた場合、その国が他の国からの経済的・軍事的援助の恩恵を受けることを想定すべきである。また、このようなパートナーシップは、ある国との紛争が複数の戦線に拡大し、米国と同盟国の資源が同時に要求される可能性を高めると考える。」と報告書は指摘している。

 専門家たちは、アメリカはヨーロッパにおけるプレゼンスを、現在よりもはるかに大規模な装甲軍団に増強し、防空や航空などの装備を充実させるべきだと結論づけている。

 この報告書は、ロシアがウクライナに勝利した場合、西ヨーロッパを攻撃するとの西側諸国の警告の中で発表された。ロシアのプーチン大統領は、このような主張を 「ナンセンスだ」と一蹴した。クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官も同様に、この疑惑を「恐ろしい話」と表現し、自国の問題から人々の注意をそらすために西側の指導者たちがでっち上げたものだと示唆した。


本稿終了