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スイスのウクライナ・サミット
「時間と金」の無駄遣い

Ukraine Summit in Switzerland a 'Waste of Time and Dollars'
Sputnik International War on Ukraine #5292 16 June 2024


英語翻訳:池田こみち(環境総合研究所顧問)
E-wave Tokyo 2024年6月17日

2024年6月16日、スイスのルツェルン近郊の高級リゾートホテルビュルゲンシュトックで開催された、平和サミットの全体会議会場に出席しぺーパーを見ているウクライナのゼレンスキー大統領の様子。
© AFP 2023 / urs flueeler

リード

 スイスのビュルゲンシュトック・リゾートで開催された大げさなサミットは、表向きはウクライナ紛争に平和的な終止符を打つためのものであったが、大騒ぎすることを重視しただけで、有意義な結果を得るには至らなかった。

本文

 スイスで開催されたヴォロディミル・ゼレンスキーの「平和」サミットは、時間とお金の無駄だったと元米軍将校は言う。

 元米陸軍中佐でベテランの国際コンサルタントであるアール・ラスムセンは、「招待された160カ国のうち92カ国が出席しただけで、その中には「低レベルの人々」が主導したものもあった。

 「これは、サミットの重要度を示していると思う。」とラスムセン氏はスプートニクに語り、ジョー・バイデン米大統領がサミットをまったく無視し、カマラ・ハリス副大統領は数時間しか滞在しなかったことを指摘した。「大部分において、時間とお金の無駄だったと思う。」、と述べた。

 サミットに出席した世界の大国の中には、最終的な共同コミュニケへの署名を控えた国もあった。識者が指摘するように、その共同コミュニケは、ロシアに自国領土の一部を明け渡すよう求めるヴォロディミル・ゼレンスキーの「非現実的な」10項目プランに基づいていた。

 「その計画自体が非現実的だ。とうてい現実の一部ではない。彼が抱いているのは並行世界か幻想だ。」、とラスムセンは語った。

 退役将校によると、ほとんどのグローバル・サウスの国々は、ウクライナ紛争に関して中立を保つことを求めており、BRICS諸国がサミットへの出席も閉会声明の支持も拒否したことは、そのことを浮き彫りにしている。

 「彼らにとって、コミュニケで発表された声明の一部にも問題があったと思います。」、とラスムセンは言う。「この和平サミットがとろうとしている方向性を、グローバル・サウスは支持していないのです。」、と。

 ラスムッセンは、ウクライナ紛争地帯で続く流血は「西側の地政学的な願望」の産物であり、「潜在的な突破口や和平解決があるたびに、西側の大国によって妨害されてきた。」、と指摘した。

 彼は、コミュニケの中で「国際ルール」という言葉が使われていることを嘲笑し、この文章が「国際法に言及」していながら自決権を無視しており、西側諸国が旧ウクライナ地域のロシアへの加盟決定を認めようとしないことを指摘した。

 「国際ルールとはいったい何なのか?それは西側が決めているのだ。そしてルールは時とともに変わる。我々は、ガザで国際ルールが適用されているのを見たことがあるのか? まあ、違うルールがあるんだろうな。」、とラスムセン氏は語った。

 「全体が和平サミットではなかった。より多くの支持を集め、ロシアに対する支持をウクライナにシフトさせ、おそらくウクライナのための追加的な資金供与や関与、金と武器を集めようとしたのだ。」、と続けた。

 ラスムッセンはまた、西側のスポンサーが「現実に戻らない限り」、ゼレンスキーが即座にいわゆる和平サミットを再び呼びかけるのは「時間の無駄だ」、と示唆した。

 「真の和平の解決策と選択肢を議論し、関係者全員の安全保障を受け入れ、議論する必要がある。」、とラスムセンは結論づけた。「そして、それがなされるまでは、時間と金の無駄であり、この状況全体の意図と悲劇を薄めるだけだと思う。」、と締めくくった。


本稿終了