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米ヴィクトリア・ヌーランド
キーウの「交渉姿勢」は決して十分なものではなかった

Nuland explains why US didn’t want Ukraine to talk to Russia . Kiev’s “negotiating position” has never been strong enough amid the conflict, former US Deputy Secretary of State says
RT War on Ukraine #5127 12 May 2024

英語翻訳:池田こみち(環境総合研究所顧問)

E-wave Tokyo 2024年5月13日

資料写真: ヴィクトリア・ヌーランド Getty Images / Kevin Dietsch

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 ウクライナはロシアとの紛争を終結させるために有利な解決策を得る立場になく、そのためワシントンはキーウにモスクワと交渉するよう実際に勧めたことはないと、元米国務次官補で元国務副長官代理のヴィクトリア・ヌーランドが主張した。

 元政府高官で、軍事的手段によるウクライナ支援の主要な支持者の一人である同氏は、土曜日に発表されたポリティコとのインタビューでこのように発言した。インタビューの大部分はウクライナ紛争をめぐるもので、ヌーランドは典型的なアメリカ主流派の評価を下している。

 「ロシア大統領ウラジーミル・プーチンはすでにその目的を果たせなかったという事実から始めよう。彼はウクライナを平らにしたかった。なぜなら、民主的なウクライナ、ヨーロッパ的なウクライナは、とりわけ彼のロシアのモデルにとって脅威であり、より大きな領土的野望のための最初の積み木だからだ」と、ヌーランドは何の裏付けも示さずに主張した。

 同高官は、キーウがまだ紛争で「成功」する可能性があると主張したが、2014年のマイダン・クーデターの余波でキーウから離脱し、住民投票の後にモスクワに加わったクリミア半島を含め、ウクライナがロシアから旧領土を奪取できると考えているかという質問には答えなかった。

 「ウクライナは間違いなく、十分な強さを持ち、プーチンが強者の立場から交渉のテーブルにつくのに十分なほど手詰まりになるところまで行けると私は信じている。領土的野心をどうするかは、ウクライナの人々次第でしょう」と彼女は言い、「クリミアについて何が決定されようと、ウクライナの中心部に短剣を突き刺すような再軍事化はできません。」と付け加えた。

 この元政府高官は、ワシントンがキーウにモスクワとの交渉を実際に迫ったことは一度もないと明かし、2022年後半も含めて、キーウの「交渉の立場」は実際には十分強くなかったと主張した。

 「当時、彼らは十分に強い立場ではなかった。今も十分強い立場にはない。当時、プーチンが行ったであろう唯一の取引、また、少なくとも私たちの選挙がどうなるかを見極める前に、現時点でプーチン行うかもしれない唯一の取引は、『私のものは私のものであり、あなたのものは交渉の余地がある』と言う取引であり、結局それは持続可能なものではない。」と彼女は主張した。

 ヴィクトリア・ヌーランドは、2014年にウクライナの民主的に選出された大統領ヴィクトル・ヤヌコーヴィチを失脚させたマイダン事件から始まったウクライナ危機全体の背後にいる重要人物の一人として広く認識されている。

 当時、欧州・ユーラシア担当国務次官補だったこの外交官は、マイダン活動家たちに混じってペストリーを配っていたことで悪名高い。この出来事は「ヌーランドのクッキー」として広く知られるようになり、クーデターへのアメリカの直接的な関与の教科書的な例となった。

本稿終了