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ボーイング社への批判が再燃する複数の航空機事故
トルコでの2件の着陸事故、セネガルでの墜落事故に続く日本での緊急事故

Multiple plane mishaps revive scrutiny on Boeing. An emergency in Japan follows two landing incidents in Türkiye and a crash in Senegal  RT War on Ukraine #5111 10 May 2024

英語翻訳:池田こみち(環境総合研究所顧問)
E-wave Tokyo 2024年5月12日

2024年5月9日、トルコのガジパサ空港に到着したコレンドン航空のボーイング737-800。© Yunus Ugur/Anadolu via Getty Images

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 今週、ボーイング社製の航空機が1機墜落し、さらに3機が技術的な問題に見舞われた見舞われたことにより、米航空宇宙大手の製造上の問題が改めてクローズアップされている。

 ユナイテッド航空の737-800シリーズ旅客機は金曜、離陸から約40分後に緊急着陸を余儀なくされた。福岡発グアム行きのUA166便は「フラップの問題」を報告していた。

 木曜の未明、セネガルのダカールにあるブレーズ・ディアニュ国際空港(AIBD)から離陸したエア・セネガルの737-38Jが滑走路から滑落した。マリのバマコ行きの便には乗客73名と乗員6名が搭乗していた。この事故で11人が負傷し、うち4人が重傷を負った。

 水曜日の午後、コーレンドン航空のボーイング737-800型機がトルコ南部のガジパサ・アランヤ空港(GZP)に到着した際、前部の着陸ギア用タイヤがパンクした。空港当局によると、乗客190人全員が無事に避難したが、車輪のハブが大きく損傷したという。

 同日未明、ボーイング767型機がイスタンブール空港(IST)に緊急着陸した。フェデックスが運航するFX6238便はパリのシャルル・ド・ゴール空港(CDG)から到着したが、「技術的な問題により前部着陸装置を開くことなく」着陸せざるを得なかった、とイスタンブールの空港運営会社は声明で述べた。

 イスタンブール空港のセラハッティン・ビルゲンCEOによれば、滑走路16Rから飛行機を安全に移動させるのに1日かかったという。

 一連の問題は、アメリカ連邦航空局(FAA)がボーイング社の工場のひとつに対する調査を開始したと発表した後に起こった。ボーイング787ドリームライナーを製造しているサウスカロライナ州の工場で、従業員が義務検査を省略し、記録を改ざんしていた可能性がある、と当局は述べている。

 航空宇宙会社は以前にもワイドボディの787型機の問題を報告しており、その原因は米国の対ロシア制裁により主要部品の生産が中断されたためであるとしている。

 ボーイングは2019年から2020年にかけて、相次ぐ死亡事故によりFAAが737-MAXの全機を運行停止させたことで、多額の損失を被った。連邦航空局は最終的に、墜落の原因はセンサーとソフトウェアの問題の複合であるとし、ボーイングはそれ以来、飛行機は完全に安全であると主張してきた。しかし、リークされた内部メモはそうではないことを示唆していた。

 ボーイングの内部告発者2人がこの3ヶ月で死亡した。ジョシュア・ディーン(45歳)は5月2日、抗生物質耐性の肺炎で急死した。この元スピリット・エアロシステムズ社員は、737-MAXの製造における基準の甘さに警鐘を鳴らしていた。

 ボーイングの元品質管理マネジャーであったジョン・バーネット氏は、同社に対する内部告発訴訟で証言する直前の3月に遺体で発見された。当局はこの事件を自殺と断定した。

本稿終了