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習近平氏のモスクワ訪問

に怯える西側諸国


分析的というよりヒステリック
Sputnik日本 
2023年3月21日, 19:30 
War on Ukraine  #3083  21 March
2023

独立系メディア E-wave Tokyo 2023年3月22日
2023年3月20日, 23:32 (更新: 2023年3月21日, 19:30) 笑顔で握手する両首脳 - 1920, 21.03.2023 © POOL

本文

 中国の習近平国家主席のロシア訪問は、現在、世界で最も話題になっている出来事の一つである。習氏の外国訪問に対する西側メディアの反応は、分析的というよりもヒステリックなものだった。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と習近平国家主席の会談が西側諸国をこれほど怖がらせたのはなぜなのだろうか?

中国とロシアはかつてないほど接近 米国にとっては問題

 米紙「ザ・ヒル」は、「習近平氏のロシア訪問とそれに伴う中国の広範囲に及ぶ支援は、破壊的な制裁でロシア政府の経済を弱めようとする米国とその同盟国に対して公然と挑戦する」と報じている。ロシアと中国の首脳会談で得られる結果の1つとして考えられるのは、ロシアと中国が自国の問題に対する西側の不当な干渉に対抗するべく、両国のパートナーシップを公に再確認すること。また、会談中に新たな契約が結ばれる可能性が高い。同紙が懸念するように、そのすべてが民生分野に限定されるわけではないだろう。

 ブルームバーグの記者も同様の意見を示しており、習氏のモスクワ訪問は、自身の独立性を示し、国際舞台でプーチン大統領を孤立させようとする米政権の試みに挑戦するチャンスであるという。同メディアは、前例のない対露制裁を課すことで、一方ではロシアと中国両政府を接近させ、他方では米中関係の緊張を急激に高めたとして米当局を非難している。その結果、隣国どうしである露中の貿易は劇的に増加し、ロシア経済は生き残り、中国経済は安価なロシアのエネルギー資源を無制限に受け取りながら、順調に発展することができた。

 米メディア「ポリティコ」は、米国や欧米の対中政策は近視眼的だとみている。中国政府の指導者の観点から見ると、欧州政府の支援を受けている米国は、中国が世界の指導者になる道を阻んでおり、中国の近隣諸国(日本、韓国、ベトナム、インドなど)は、好意的というよりも懐疑的な見方を示している。このような状況下で、習氏とプーチン氏は関係を強化し、国際舞台での行動をさらに調整するべくあらゆる手段を講じることになるだろう。

 ポリティコが、ロシアと中国両政府が軍事を含めたあらゆる分野で接近するのを促進させることに関して客観的な理由を見つけようとするのに対し、CNNはロシアと中国両政府の「不服従」を米国の覇権に対する直接的な脅威とみなし、ヒステリックに陥っている。

 習氏のモスクワ訪問が発表された直後、国際刑事裁判所(ICC)はプーチン氏が戦犯であると断定した。そして習氏はICCの判断を無視して、プーチン氏を友人と呼び、モスクワ訪問を「友情、協力、平和の道」と表現したことに、CNNは怒りを示している。

 さらに、プーチン氏との会談の前に、習氏は長年敵対関係を続けてきたイランとサウジアラビアを和解させることに成功した。同メディアによれば、これは中東における影響力の点で中国が米国を追い抜いたことを示しているという。

 プーチン氏はまた、予告なしにマリウポリ(ドンバス)を訪れることで、米国が定めたルールに無関心であることを示した。同メディアは、現地の住民がウクライナのナチスから自分たちの街を解放してくれたプーチン氏に心から感謝したことを認めざるを得ない。


過去の露中首脳会談 - Sputnik 日本, 1920, 20.03.2023

【視点】2つの超大国を接近させたのは西側 ロシア人専門家 昨日, 22:45

 米政権が抱くもう一つの懸念を伝えたのは、米紙ニューヨーク・タイムズ。米国は、中国がウクライナで使用する兵器をロシアに譲渡することを恐れている。そして、習氏による停戦の呼びかけでさえ、ロシアがとった新たに獲得した国境線を強化する試みに過ぎない。タイムズ紙によると、ウクライナでの出来事を世界を不安定にする行動であるとみなしている中国の人々でさえ、今日の中国の外交政策においては、両国が米国に対して統一戦線を張れるようにロシアを支援することがより重要であると認識しているという。

 英紙「エコノミスト」は、習氏はウクライナで使用する砲弾や攻撃用ドローンなど、ロシア軍への武器供与の交渉のためだけにモスクワを訪問するとの懸念を示している。同紙は、ロシア、中国、およびその支持者の間における軍事的接近の証拠として、日本海と東シナ海でのロシアと中国の戦略爆撃機の共同パトロールや、インド洋でのロシア、中国、南アフリカの軍艦による合同演習が行われた件を挙げている。さらに同紙は、15日にロシア、中国、イランがオマーン湾で海軍の合同軍事演習を開始したことに怒りを示している。これらの演習は全て、米国の許可を得ずに行われた。