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海外でのロシア人に対する
「衝撃的な」差別を詳細に
記した報告書
外務省の論文に、約40カ国のロシア人に
対する違反行為が掲載される
Report details ‘shocking’ discrimination against Russians abroad
A paper by the Foreign Ministry lists violations against Russian
nationals in almost 40 countries

RT War in Ukraine-#923 June 2 2022

翻訳・池田こみち(E-wave Tokyo共同代表)
独立系メディア E-wave Tokyo 2022年6月3日

ジョージアのトビリシで、ウクライナを支援の集会
A rally in support of Ukraine in Tbilisi, Georgia.
© AFP / Vano Shlamov


本文

 ロシア外務省の報告書は、2月下旬のウクライナ攻防戦開始以降、海外におけるロシア人の権利侵害が広がっていることを明らかにした。

 同省は6月2日、公式サイトに掲載した論文で、「その野蛮さに衝撃を受けるようなロシア人に対する完全な差別」が現在、多くの西側諸国で行われていると強調した。

 この報告書では、約40カ国で発生した事件の詳細を述べており、米国、英国、カナダ、ドイツ、ポーランド、バルト諸国が最も深刻な侵害を許していると非難している。

 報告書によると、最も多い違反行為は、ロシア人に対する教育、医療、銀行などのサービスの提供拒否や、ロシアからのビジネスマンに対する制裁、ロシア出身者の所有物の差し押さえなどであるとのことだ。

 また、欧米諸国のロシア人に対し、ウクライナにおけるロシア当局の行動を公に悔い改めさせ、非難させようとする試みもあったと、同文書は主張する。

 スポーツ選手がさまざまな国際大会から追放され、音楽家を含む芸術家がフェスティバルやコンクールなどの文化行事から締め出される結果になったことが報告されている。

 反ロシア感情は、攻撃、脅迫、侮辱、意図的な財産の破損にもつながっていると報告書は述べている。

 一般市民だけでなく、ロシアの外交官も攻撃や挑発にさらされたことがある。「
このような行為は、我が国に対して制裁戦争を仕掛けている国々で専ら行われた。その大規模かつ組織的な性質から、これらの攻撃は計画的であったと結論づけることができる」と同省は指摘している。

 報告書では、ロンドンのロシア大使館と大使公邸で、緊急事態を警察に通報する機能である「パニックボタン」のスイッチを切ることを英国当局が決定したことが、その一例として挙げられている。

 同省は、ロシア人児童に対する差別について「特に懸念している」と述べ、彼らはしばしばクラスメートの行動によって屈辱を受け、侮辱されるが、教師は見て見ぬふりをする、と指摘した。「このことは、欧米社会におけるロシア人嫌いの深さと規模の大きさを示している」と主張している。

 ロシア人学生に対する嫌がらせは、特にドイツで多く見られ、生徒と教師の両方によって行われてきたと、文書では詳細に述べている。同国の多くの学校では、ロシアを貶め、ウクライナでの出来事を誤って解釈する授業が行われており、出席を拒否する者は退学の危機にさらされている、と報告書は主張している。

 外務省は、在外ロシア人の権利を守るために今後も外交的手段を用い一方、さらなる侵害を追跡していくと断言した。