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ワシントンポスト(Washington Post)
ウクライナにおける外国人戦闘員
の「装備不足と戦力不足」

場から戻ったばかりの多くの戦闘員が、
期待と現実の「著しい格差」を
ワシントン・ポストに語っている

Foreign fighters in Ukraine ‘underequipped and outgunned
’ – Washington Post Many fighters fresh from
the battlefield recounted to the Washington Post
“glaring disparities” between expectations and reality

R
T War in Ukraine-#907 May 30 2022


翻訳・青山貞一(東京都市大学名誉教授)
独立系メディア E-wave Tokyo 2022年6月1日


ウクライナの外国人戦闘員、装備も武器も不十分 - ワシントン・ポスト紙
2022年4月9日、ウクライナ・リヴィウの駅で撮影された外国人義勇軍の戦闘員たち。©Getty Images / Ozge Elif Kizil / Anadolu Agency



本文

 ロシアと戦うためにウクライナに渡り、現在は帰国しているアメリカ人やその他の外国人戦闘員が、ワシントン・ポスト紙に失望を語っている。

 この新聞の報道は、この紛争に関する米国と英国の主流報道におけるトーンの小さな変化を示している。記事の中で、
取材に応じた人たちは、装備や武器の不足、通信回線の不備などを嘆いている。

 本紙の取材に応じた戦闘員の一人は、自身と家族の安全を考え、ファーストネームのダコタのみを名乗ることを希望した。米国海兵隊の退役軍人である彼は、2月にロシアが軍事作戦を開始したわずか数日後にウクライナに到着した。

 彼と他の数人の外国人戦闘員は、米国製の対戦車ミサイル「ジャベリン」の使用についてウクライナ軍を支援し、訓練する任務を負っていたと伝えられている。

 3月初旬、ダコタが所属していたウクライナの部隊は、キーウの北西にある名もない町に配備され、そこでロシアの激しい砲火にさらされたと、彼は説明している。ジャベリンなどの対戦車兵器は支給されたが、発射装置用のバッテリーがなく、事実上ミサイルは使えなかったと海兵隊のベテランは振り返る。

 ロシアの激しい砲撃の下で2晩過ごした後、ダコタ氏の部隊の外国人戦闘員20人のうち8人が陣地を放棄したと説明した。彼は、仲間の米海兵隊員が自分の機関銃を石で壊そうとし、それを戦闘による損傷と見せかけようとしたこと、また別の一人が負傷したふりをしたことを主張した。

 この米国人は、砲撃に近づきすぎた結果、脳に損傷を受けたと診断され、結局帰国した。

 ウクライナでの実際の戦闘には参加せず、ポーランドで外国人戦闘員候補の軍歴の査定を手伝った別の米軍退役軍人、デイン・ミラーは、ボランティアの中には自分の軍歴を過大評価していた者がいたとポスト紙に語った。

 ミラー氏によると、ウクライナのために戦おうとする者たちの中には、退役軍人でありながら戦闘に参加したことのある者ばかりではなく、限られた対反乱戦にしか参加したことのない者もいたという。その結果、「英雄願望」に駆られたらしい戦闘員志願者の何人かに、ウクライナに行くのはやめた方がいいと忠告せざるを得なかった。

 アメリカのメディアは、パスカルというドイツ軍の退役軍人にもインタビューしている。彼は、4月下旬にウクライナ南部の都市ニコラエフ近郊で殺害されたとされる米海兵隊出身の22歳、ウィリー・ジョセフ・カンセルとチームを組んでいたのだ。

 パスカルが同紙に語ったところによると、配備当初から問題は始まっており、彼が所属する外国人戦闘員のグループは、自分たちの双方向無線がロシア軍に監視されているのではないかと疑っていたという。

 さらに悪いことに、彼の部隊には十分なバッテリーがなかったため、戦闘員たちはしばしば安全が確保されていない携帯電話やWhatsAppを使うことになった。このドイツ人は、自分の部隊の戦闘員がこれらの通信手段で計画を交換した直後に、彼らの陣地がロシアの砲撃にさらされたことから、疑念を抱いたと述べている。

 パスカルによると、外国人兵士たちは情報不足を感じており、しばしば自分たちがどこにいて、ロシア軍の陣地がどこにあるのかさえ、はっきりわからないことがあったそうだ。キャンセルさんが殺害された日、彼らの部隊はウクライナのものと思っていた位置から砲撃を受けたと、ドイツ軍のベテラン兵士は主張した。しかし、それを確認するための無線通信はなかったと説明した。


 米国人同志の死の正確な状況は、現在もわかっておらず、キャンセルの遺体もまだ回収されていない。

 ウクライナ生まれの米国市民は、無線のコールサイン「テキサス」のみで名乗ることを求め、軍隊の経験がないにもかかわらず、戦いに参加することを決めたとポスト紙に語った。また、この男性は、ウクライナへの遠征後、自宅での平穏な生活がますます退屈に見えるようになったことも認めている。

 「生死の境をさまよい、平穏な生活と平穏な仕事に戻ると、すべてが比較にならないほど無意味に思えてくる」と、この男性は説明した。

 テキサスは毎日、戦場に戻りたいという誘惑に駆られているという。

 モスクワが2月末にウクライナへの攻撃を開始した直後、外国からボランティアや傭兵が戦場にやってきて、ロシア軍との戦いに参加した。中には捕虜になった者もいた。

 ウクライナ軍に参加し、後にドネツク人民共和国軍に捕らえられたイギリスとモロッコ出身の3人の傭兵容疑者は、同共和国の検察当局が金曜日に発表したところによると、同共和国で死刑になる可能性があるとのことだ。彼らに対する刑事事件が法廷に送られた。