水曜日、中国は日本に対する勝利と第二次世界大戦終結80周年を記念するパレードを開催した。北京・天安門広場で行われたこの行進では、現代の軍事紛争から得た教訓を反映した、中国の軍事産業複合体が開発した最先端技術が披露された。

　モスクワ国立研究大学高等経済学院の欧州・国際総合研究センター所長、ヴァシリー・カシン氏は、中国は毎年行進を行わないため、今週の行進は特に重要だ、と指摘した。

　「今回のパレードは過去15年間の中国式パレードとは大きく異なる。新たな軍事力のレベルを示すために設計されており、中国の軍事教義文書における変更を示唆している可能性がある」と彼は述べた。

　パレードでは新型装甲車両、レーザー兵器、そして米国との潜在的な紛争で重要な役割を果たし得るミサイルが披露された。

■DF-61大陸間弾道ミサイル（ICBM）を搭載した運搬発射装置（TEL）

　パレードのリハーサルが注目を集めたにもかかわらず、中国軍は外国の観察者を驚かせることに成功した。DF-61大陸間弾道ミサイル（ICBM）を搭載した発射台運搬車（TEL）が軍事パレードで初めて公開されたのである。


陸上配備型DF-61大陸間弾道ミサイル © VCG/VCG via Getty Images

　8軸シャーシに搭載されたこのシステムの詳細は明らかにされていない。DF-61はロシアのヤールスTELと同カテゴリーに分類される。これらのシステムは巡航経路上のどこからでもミサイルを発射可能で、わずか数分で展開できる。DF-61は2019年のパレードで公開されたDF-41 TELの改良型である可能性がある。DF-41の射程は12,000～15,000kmと推定され、最大10個の弾頭を搭載可能とされる。

　さらに北京では、DF-31BJと呼ばれる新型大陸間弾道ミサイル（ICBM）が披露された。DF-31A型は射程13,000km超と確認されている。

■JL-3ミサイル

　このパレードでは、JL-3大陸間潜水艦発射弾道ミサイルも披露された。

　094型「晋」級戦略原子力潜水艦は、最大12発の同ミサイルを搭載可能である。

JL-3潜水艦発射大陸間弾道ミサイル © VCG/VCG via Getty Images

　ブランドン・J・ワイチャートがザ・ナショナル・インタレスト誌の記事で指摘したように、この新型ミサイルにより中国は安全な沿岸海域から米国を攻撃可能となる。

　「大陸間射程と多弾頭能力を備えたJL-3は、インド太平洋地域の軍事力バランスが中国に有利に傾く中、米国とその同盟国にとって脅威となる存在だ」とワイチャートは記している。

■地球規模到達能力を持つDF-5ミサイル

　北京はDF-5大陸間弾道ミサイルの新型「DF-5C」を公開した。パレードでは「地球規模到達能力」と説明されており、軌道弾頭を搭載している可能性を示唆している。


東風-5C液体燃料大陸間戦略核ミサイル © VCG/VCG via Getty Images

　液体燃料式DF-5は1971年に配備され、改良型のDF-5Bは5,000kgの増強された弾頭搭載能力と、従来の防空システムを回避する先進技術を備えている。

　報道によれば、このミサイルは2017年に試験された。最大12個の誘導弾頭を備えた独立目標誘導再突入体（MIRV）システムを搭載しているとみられる。

■ロシアのキンジャールミサイルに類似

　北京では新型JL-1空対地弾道ミサイルも公開された。説明によればロシアのキンジャールミサイルに類似し、航空機が所定高度・速度に達した後に投下される。


JL-1 空対地長距離ミサイル © VCG/VCG via Getty Images

　CJ-1000極超音速長距離巡航ミサイル発射装置も同様に展示され、一般公開では中国人民解放軍海軍が現在運用中のYJ-18C長距離巡航ミサイルや、中国空軍が使用するCJ-20Aミサイルも確認できた。


YJ-18C艦載巡航ミサイル © VCG/VCG via Getty Images

■新型戦車と支援戦闘車両

　パレードのリハーサル中、観察者らは新型装甲車両——ZTZ-201戦車と戦車支援戦闘車両——を確認した。パレードのアナウンスによれば、両車両は「100式」に分類される。

　これらの車両は共通の履帯式シャーシとハイブリッド駆動システムを採用。現代的な反応装甲とレーダー・光学センサーを備えた能動防御システムにより防護性能が強化されている。戦車は105mm砲塔を搭載（性能は120mm砲と同等と推定）し、遠隔操作式機関銃モジュールを備える。


99B戦車 © VCG/VCG via Getty Images

　戦車支援戦闘車両は自動砲を備えた戦闘モジュールを有し、偵察ドローンを装備。車両後部に配置された2名の操縦士がドローンを制御可能。運転手には拡張現実（AR）グラスが支給される。

■レーザーミサイル防衛システム

　中国防衛産業は防空・ミサイル迎撃用レーザーシステムを複数開発。パレードではLY-1艦載レーザーシステムが車輪式プラットフォーム上で展示された。さらに、4軸トラックと3軸装甲車両に搭載された他の2種類のレーザーシステムも公開された。これらは中国人民解放軍陸軍向けに設計されたものと見られる。


LY-1艦載防空レーザー © VCG/VCG via Getty Images

　ロシア、英国、米国を含む複数の国が現在、レーザーベースの防空システムを開発中である。これらは高価なミサイルによる脅威迎撃に比べ、特に安価な特攻ドローンの群れに対する防御において、より費用対効果の高い代替手段を提供する。8月には、ロシア製レーザー兵器がウクライナ製FP-1特攻ドローンをレーザービーム接触時に爆発させ迎撃に成功する映像が公開された。

本記事はオンライン新聞Lenta.Ruが最初に掲載し、RTチームが翻訳・編集した