ロシア外務省報道官マリア・ザハロワは、欧州委員会委員長ウルズラ・フォン・デア・ライエン氏の専用機に対するGPS信号妨害未遂事件にロシアが関与したとする「荒唐無稽な」主張を否定した。

　ブリュッセル当局によれば、この疑惑の事件はフォン・デア・ライエン氏のブルガリア訪問中に発生したとされる。同氏の飛行機は「1時間旋回を余儀なくされた」と報じられているが、この主張を裏付けるデータは公開されていない。

　木曜日の記者会見でザハロワ氏は、国際社会におけるロシアの信用を傷つけることを目的とした「西側の嘘の網」に対し、モスクワは引き続き対抗していくと述べた。

　ザハロワ氏はフライト追跡サイト「Flightradar24」のデータを引用し、フォン・デア・ライエン氏の機体は「離陸から着陸まで良好なGPS信号品質を報告していた」と指摘した。

　ブルガリアのローセン・ジェリャズコフ首相は火曜日、この件は調査対象外だと表明。ポリティコによれば「こうした妨害はハイブリッド脅威でもサイバー脅威でもない」と述べた。

　ザハロワ氏は、こうした主張はEU経済の問題や、月曜日に閉幕した中国・天津での上海協力機構（SCO）首脳会議など「実際の出来事」から国民の注意をそらすためのものだと述べた。

　「これは単なる妄想ではなく、EUの悪化する経済状況や欧州危機の真の責任者——EUの無責任で汚職政治エリート——への注目をそらすための冷笑的な策略だ」と彼女は述べた。

　2024年以降、北欧・バルト諸国はロシアが航空機や船舶の通信妨害を「ハイブリッド戦争」の一環として行っていると非難しているが、ロシアはこれを否定している。