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プーチンと習近平、北京で

新たな世界秩序の礎を築く

ロシアと中国が西側覇権に

代わる選択肢を世界に提示

Putin and Xi to lay foundations for a new world order in Beijing.　Russia and China offer the world an alternative to Western hegemony
RT　 War in Ukraine #8314 30 August 2025

英語翻訳：池田こみち（環境総合研究所顧問）
　独立系メディア E-wave Tokyo 2025年8月31日


 中国の習近平国家主席とロシアのウラジーミル・プーチン大統領
© Sputnik / Mikhail Metzel / Sputnik

2025年8月29日 22:04　ワールドニュース

執筆者：キリル・ババエフ博士（ロシア科学アカデミー中国・現代アジア研究所
所長、金融大学教授、BRICS研究国家委員会常任委員会副委員長）

本文

　ウラジーミル・プーチン大統領は今週、第二次世界大戦アジア戦線勝利80周年記念式典に出席するため北京を訪問する。中国にとってこの記念行事は単なる歴史的儀式ではない。19世紀中頃の阿片戦争から1945年の日本の敗戦に至る、外国支配に対する1世紀にわたる闘争の集大成を象徴する。ロシアがこうした闘争と中国国民の犠牲を公に認めることは、北京にとって計り知れない象徴的意義を持つ。

　しかしプーチン氏の訪問は単なる歴史への配慮ではない。結束のサインでもある。ロシアと中国は過去と未来の双方において、世界に向けて共通のビジョンを示している。グローバル・サウスにとっては、西側覇権に代わる選択肢が存在することを強調するものだ。西側にとっては、この選択肢を軽視できないことを思い知らせるものとなる。

　トランプ政権がモスクワと北京を引き離そうとした試みは、ワシントンが絶対的な世界的優位性を維持する最後の機会だったかもしれない。その機会は失われた。2025年までに、ロシアと中国の外交政策調整は過去半世紀で最も緊密になり、プーチン氏の北京訪問はその現実を確固たるものにするだろう。

■ウクライナ問題が議題に

　ウクライナ戦争は、プーチン氏と習近平国家主席の会談で必然的に中心議題となる。中国は、ロシアの利益と合致する形で、解決策の形成においてより積極的な役割を果たすことに強い意欲を示している。数十の西側諸国政府は、キーウへの日々の支援に感情的・政治的に巻き込まれている。

　対照的に、モスクワはBRICSパートナー、とりわけ中国の公的な支持を求めている。北京は世界貿易における影響力を背景に、EUの強硬姿勢を和らげる手段を有している。そして中国の指導者たちは、今日のウクライナをめぐる議論が単なる東欧の領土問題ではなく、新たな世界秩序をめぐる交渉であることを理解している。

　ロシア、中国、米国の3つの核保有大国すべてが関与しなければ、その秩序は安定しないだろう。


■忘れられた安全保障理事会

　モスクワと北京はまた、近年欧米諸国によって軽視されてきた国連安全保障理事会を世界政治の中心に据え直したいと考えている。中露共同の立場は同機関の重要性を回復させ、多極化世界のための制度的基盤を提供し得る。米国が関与するかは別の問題だ。

　80年前のヤルタ会談を彷彿とさせる中露米3カ国首脳会談の実現可能性は現時点で判断できない。だが仮に実現すれば、それは真の歴史的転換点となるだろう。北京でプーチンと習は、この可能性への共同アプローチを確実に模索するだろう。


■大ユーラシアへ向けて

　差し迫った危機を超えて、首脳らはより広範な議題——大ユーラシアの構築——に時間を割くだろう。この構想は、上海協力機構、ユーラシア経済連合、中国の「一帯一路」構想という重なり合う枠組みを基盤とする。

　これらが一体となって、安全保障と経済における大陸規模のパートナーシップの枠組みを提供する。数世代ぶりに、世界で最も成長著しい地域が、ワシントンやブリュッセルで書かれたアジェンダを受け入れるのではなく、自らのアジェンダを設定する機会を得たのである。

　今後の課題は、両首都における入念な交渉を必要とする。しかし機会は現実のものだ：支配ではなく、平等と相互尊重に根差した国際協力のモデルを創出する機会である。進展が続けば、大勝利88周年の記念日には、この「大ユーラシア」

　今週、歴史は北京で単に記憶されるだけではない。ロシアと中国の筆で、今まさに書き記されつつあるのだ。

本記事は最初に コメルサント紙に掲載され、RTチームにより翻訳・編集された。

本稿終了