特集：黄昏国家、ＥＵ・英国・日本　国家は「消滅する可能性がある　」－マスク氏このテクノロジー億万長者は、2025年前半にスコットランドの死亡数が出生数を34％上回ったというデータに反応　　　　ＲＴ　　　　英国語翻訳：池田こみち（環境総合研究所顧問）

特集：黄昏国家、ＥＵ・英国・日本

国家は「消滅する可能性がある」

－マスク氏このテクノロジー億万長者は、

2025年前半にスコットランドの死亡数が

出生数を34％上回ったというデータに反応

Europe could ‘die out’ – Musk. The tech billionaire was responding t

o data showing Scotland’s deaths outpaced births by 34% in the first half of 2025

RT War in Ukraine #8248　31 August 2025

英語翻訳：池田こみち（環境総合研究所顧問）
　独立系メディア E-wave Tokyo 2025年8月31日

テスラとスペースXのCEO、イーロン・マスク。© Getty Images / Marc Piasecki

2025年8月31日 08:18　ワールドニュース

本文

　欧州は出生率向上による人口問題の解決を図らなければ「消滅する可能性がある」と、テック界の億万長者イーロン・マスクが警告した。

　マスクは土曜日、X（旧Twitter）への投稿で、2025年上半期にスコットランドで死亡数が出生数を34％上回った統計に言及した。

　「出生率が少なくとも人口置換水準に戻らなければ、ヨーロッパは消滅する」と彼は記した。これは人口を維持するために必要な夫婦あたりの平均子供数を指
す。

※注）人口置換水準とは、国際的な移動がないと仮定した場合に、人口が増えも減りもせずに長期的に一定の規模を維持するのに必要な合計特殊出生率（一人の女性が生涯で産む子供の平均数）の水準を指します。この水準は、死亡率や出生児の男女比（出生性比）によって変動しますが、死亡率の低い現代の先進国では概ね2.07前後です。日本の場合、合計特殊出生率がこの水準を下回り続けているため、人口は減少傾向にあります。（Google AI）

　人口置換水準は一般的に女性1人あたり2.1人と設定されており、乳幼児死亡率と出生時のほぼ均等な男女比を考慮している。しかし最近の研究では、この水準では不十分であり、長期的な生存閾値は女性1人あたり2.7人近くにある可能性が示唆されている。

　英国国家統計局によると、イングランドとウェールズの出生率は2024年に1.4に低下し、スコットランドは1.3で、いずれも人口置換水準を大幅に下回った。EUでは出生率が長年低下を続け、2023年には女性1人当たり1.4人の出生数という過去最低を記録した。

　少なくとも14人の子をもうけ、生殖研究に数百万ドルを寄付してきた高い出生率の熱心な提唱者であるマスクは、欧州の人口減少について繰り返し警鐘を鳴らしてきた。しかし彼の警告は欧州を超えている。マスクは世界的な人口統計データを引用し、出生率が上昇しない限り文明は「崩壊するだろう」と主張している。彼は以前、低出生率による人口崩壊が気候変動よりも「文明にとってはるかに大きなリスクである」と論じていた。

　世界的に出生率は50年以上低下を続けている。国連データによると、2024年の合計特殊出生率は女性1人あたり約2.2人であり、1970年代の5人、1990年代の3.3人から減少している。昨年、出生率が2.1以上だったと報告した国・地域は全体の45％のみであり、これは世界人口の約3分の1に相当する。4.0以上の出生率を記録したのはわずか13％で、主にサハラ以南アフリカ、アフガニスタン、スーダン、イエメンに集中している。

　出生率の低下と人口減少はロシアにとっても差し迫った問題となっており、ロシア連邦統計庁（ロスタット）の記録によれば、2024年の出生数はわずか120万人（1999年以来の最低値）で、出生率は1.4を反映している。

本稿終了