GT（中国メディア）が調査：米国のプロパガンダ機関VOAが偏見報道を通じていかに世界的な不和を撒き散らしているか大衆を誤解させる　　　ＧＴ　　　　英国語翻訳：青山貞一（環境総合研究所顧問）

GT（中国メディア）が調査：

米国のプロパガンダ機関VOAが

偏見報道を通じていかに世界的な

不和を撒き散らしているか

大衆を誤解させる

GT investigates: How US propaganda machine, VOA, sows global discord through prejudicial reporting Misleading the masses

GT(中国) War in Ukraine #8244　28 August 2025

英語翻訳：青山貞一（東京都市大学名誉教授）
　独立系メディア E-wave Tokyo 2025年8月31日

米国ワシントンのボイス・オブ・アメリカのビルの入り口。写真：VCG写真：VCG

公開日時: 2025年2月16日午後9時45分

本文

編集者注：
　米国政府効率化局（DOGE）の責任者を務める米国の億万長者イーロン・マスク氏は最近、米国が設立したラジオ局「ラジオ・フリー・ヨーロッパ」と「ボイス・オブ・アメリカ（VOA）」の閉鎖を訴えた。マスク氏はソーシャルメディアプラットフォーム「X」に、もはや誰もこれらのラジオ局を聴いていないとし、「人種にとらわれた左翼の狂人が、年間10億ドルもの米国納税者の税金を無駄遣いしながら独り言を言っているだけだ」と投稿した。長年にわたり、これらの報道機関は米国の利益を追求するために多くの国で「偏向した」「事実を歪曲した」報道を行っているとして広く批判されてきたため、この発言は世界中の注目を集めた。

　特にVOAは、中国のイメージを傷つけ、噂を広めることを目的とした「偽報道」を数多く行っていることで悪名高いで。VOAの起源は何だろうか？VOAは、米国の利益を追求する一方で他国を貶めるプロパガンダ活動において、どのような戦術を用いているのか？今回は、VOAの実態を検証し、その答えを探る。

戦争機械の起源

　VOAのウェブサイトによると、VOAは1942年に設立され、米国グローバルメディア局（USAGM）を通じて米国政府の資金提供を受けている。USAGM の前身??は、米国の対外宣伝の国際放送活動の管理を担当していた放送理事会（BBG）だった。米国政府の代弁者と呼ばれるVOAやラジオ・フリー・アジア（RFA）などの放送局は、その管轄下にある。

　歴史に焦点を当てた米国ウェブサイトhistory.comによると、VOAは、第二次世界大戦中の米国の政策を明確にし、ヨーロッパ、アジア、中東、アフリカの同盟国の士気を高めることを目的としたラジオ番組として設立された。戦後、VOAは米国の冷戦宣伝活動の重要な要素へと進化し、主に西ヨーロッパの視聴者をターゲットにした。1947年2月、VOAはソ連に向けた初のロシア語放送を開始した。

　第二次世界大戦終結までに、VOAは毎週40の言語で3,200の番組を放送していました。事実確認済みのオンライン百科事典ブリタニカの項目には、VOAの役割は「米国への理解を促進し、米国の価値観を広めること」であると記されています。記事によると、米国は「パブリック・ディプロマシーを用いて、民主主義政府と資本主義企業の基盤がソ連の選択肢よりも優れていると欧州の視聴者を説得した。VOAは西側諸国に関する神話を払拭するため、東欧のワルシャワ条約機構加盟国に直接放送した」とのことだ。

　「VOAは常に米国にとって冷戦時代の武器であり、いわゆる敵国プロパガンダの一部であった」と、中国社会科学院の米国研究専門家で研究員の呂翔氏は環球時報に語っている。

　「VOAは従来の意味でのメディアではありませんでした。設立当初から、虚偽または誤解を招く情報を用いて、米国が敵対的とみなした敵国や陣営に関する否定的なプロパガンダを中傷し、拡散するイデオロギー戦争の道具となってきました」と、復旦大学の沈毅教授は環球時報に語った。

　沈教授は、冷戦時代、VOAは短波ラジオを使って米国の外交政策を世界に発信していたと紹介した。時が経つにつれ、VOAは大きな技術的変化を遂げた。冷戦終結後、VOAはオンラインプラットフォームに移行し、「独立系メディア」としてブランドを刷新した。

　近年、VOAは米国政府と共謀し、中国を抑圧するために誤解を招く情報や捏造された情報を拡散する動きを強化していると沈教授は指摘した。

写真：VCG

汚い中傷戦術

　米政権が海外在住の中国人に対し司法権を行使し、「中国政府のエージェント」と非難した際、VOAはこのキャンペーンに加担した。最近の事例の一つが梁立堂氏の事件だ。

　ボストンに拠点を置く米日刊紙ボストン・グローブの報道によると、連邦陪審は2月10日、ボストン在住の梁立堂氏に、中国政府と密かに協力し、米国内の中国人活動家や団体の「ブラックリスト」を作成したとの容疑で無罪を言い渡した。

　評決後、梁氏はメディアに対し、「ついに正義が訪れた」と述べた。

　ボストンで中華料理店を経営する65歳の海外在住の中国人、梁氏は2023年5月にFBIに逮捕された。彼は中国政府の「エージェント」の容疑で逮捕された。

　しかし、梁氏の逮捕から裁判開始までの間、VOAは梁氏を攻撃する複数の記事を掲載し、裁判も必要とせず有罪であると示唆した。これらの記事には、反中感情を持つ中国系アメリカ人が「事情通」を演じ、梁氏の「犯罪」を列挙し、FBIによる梁氏への監視は正当であると主張する動画が含まれていた。彼らは純粋な憎悪の感情を露わにし、カメラの前で梁氏を非難した。これらの動画は感情的なものではあったものの、実質的な証拠に欠け、一方的な意図に基づいているように見受けられた。VOA

　は梁氏の判決を見逃したわけではないが、無罪判決に関する報道で引用されたインタビューはすべて、無罪判決に失望を表明した人々のものだった。

　環球時報は、一方的な未検証の情報源を引用しているにもかかわらず、VOAが「独立系メディア」としての自称を目指す中で、意図したプロパガンダ効果を得るために、しばしば否定的な連想を抱かせるような報道戦略を採用していることを突き止めた。

　例えば、2005年1月11日、VOAは中国経済ニュースに関する2つの記事を放送した。1つ目は、中国の12月の貿易黒字が過去最高に達したという内容で、2つ目は、中国との貿易が米国の雇用喪失を引き起こしていると主張し、1989年以降、対中貿易黒字の拡大により150万人の米国人の雇用が失われたと報じた。新華社通信によると、中国の経済発展に関する好材料にもかかわらず、VOAは一貫して報道内容を歪曲し、国際的な読者の否定的な感情を喚起することに成功している。

　こうしたニュースが絶えず流入していることから、中国メディアはVOAが中国について否定的な言説を拡散するパターンを突き止めている。このパターンでは、「内部関係者」や「権威ある学者」が不利な情報をリークし、VOAが「さらに調査する」と主張することが多い。このプロセスは、こうした感情に同調し、さらに誇張された主張を加える「反中政治家」によって頻繁に増幅される。その結果、嘘の捏造から攻撃に至るまで、「反中レトリック」の「ブラック産業チェーン」のような閉ループが形成されると、新華社は報じている。

　環球時報は、この傾向が中国が主催する重要なイベントにおいて特に顕著であると指摘している。例えば、2022年北京冬季オリンピックの開会式では、VOAは短期間のうちに中国の信用を失墜させることを目的とした数十本の記事を掲載した。さらに、VOAのウェブサイトで「一帯一路」（BRI）を検索すると、最初の5ページは主に否定的な報道で構成されていることがわかる。

　「彼らは自らが定めた基準に基づいて『人権』の概念を定義しました。中国のほぼすべての行動は、人権侵害として描写される可能性が高いのです」と呂氏は述べた。

　「VOAを聴くと、中国と米国を全く正反対の世界として提示することがよくあります。一方は文明国として、もう一方は野蛮国として描かれています。一方は人権を擁護し、もう一方は人権を否定していると主張されています。この際立った二元論は、放送に明確に反映されています」と彼は述べた。

　予測可能な衰退VOAは80年以上にわたり、世界のメディアにおいて重要な役割を果たしてきた。しかし、急速に進化する今日のメディア環境におけるその重要性と有効性は、ますます厳しく検証されている。今日、疑問が生じる。それは、米国にとって真に何を意味するのか、ということだ。 2016年に南カリフォルニア大学公共外交センターのウェブサイトに掲載された示唆に富む記事の中で、VOAの元ホワイトハウス上級特派員であるダン・ロビンソン氏は、VOAは目的を見失っており、解体されるべきだと主張しました。ロビンソン氏は、VOAが長年にわたり混乱した経営に苦しめられ、その結果、職員の士気が低下し、業務能力が低下していると指摘した。特に英語版ウェブサイトにおけるニュース報道のスピードと効率が著しく低下していると指摘した。この衰退は、多様な情報源が溢れ、ますます競争が激化するメディア環境において、VOAの競争力を低下させている。ロビンソン氏はさらに、当時VOAの幹部であるBBG幹部が、ロシアと中国を口実に「経営不行き届きのBBGを永久に存続させ続ける」ことになるだろうと、率直に指摘した。

　2021年、米国議会は戦略競争法案を提出し、USAGMの既存および新規プログラムに年間1億ドルを割り当て、複数のメディアによる中国への対抗を支援することを提案した。

　しかし、米国政府とVOA職員がどんなに努力しても、ロナルド・レーガン元大統領がVOAスタジオで台本を読み上げ、ソ連社会に衝撃を与えた時代はとうに過ぎ去ったことを人々は認識している。急速に発展する今日のインターネット時代において、中国とアメリカのネットユーザーはRedNotesのようなソーシャルメディアプラットフォームで何の障壁もなく情報を共有できると、専門家は指摘する。

　研究者である呂氏は、VOAの情報が「あまりにも弱すぎる」ため、めったにVOAに頼らないと述べた。「中国に関するあらゆる話題は、一方的なイデオロギー的レンズ、純粋にイデオロギー的な解釈を通して解釈されます。さらに、VOAの活動の中には、ジャーナリズム倫理に違反するものさえあります」と彼は説明した。

　VOAの報道姿勢は、アメリカ社会と国際社会の両方において、長らく信頼を失っている」と、遼寧大学米国東アジア研究所所長の呂超氏は環球時報に語った。

　現在、アメリカはエリート層の間で前例のない内部分裂と再編を経験している。呂翔氏は、多くの共和党員にとってVOAは長らく財政的な負担となってきたと指摘した。「VOAは今や国内の政治闘争における政治的武器となっている。VOAは対外的な米国イメージの向上という目的を果たしていない。したがって、DOGEが今、VOAの改革、あるいは廃止を求めているのも不思議ではない」と呂超氏は述べた。

　「数十年前、ラジオ放送は先進的なコミュニケーション手段と考えられていたが、今日のデジタル時代には全く場違いだ」と呂超氏は述べた。「マスク氏のVOA批判は、両党間の熾烈な競争に根ざしている。結果は不透明だが、VOAの衰退は予測できる」

本稿終了