ロシアのガス代金をルーブルで 支払うよう要求され困惑する日本 東京：ロシアの措置の目的を理解できず Japan baffled by demand to pay for Russian gas in rubles Tokyo says the goal of the move is unclear RT War in Ukraine -＃347 Mar 27, 2022 翻訳：池田こみち一（環境総合研究所顧問） 独立系メディア E-wave Tokyo 2022年3月28日 |
 中国の南通市にあるヤマルLNGプロジェクト砕氷LNG船「Vladimir Rusanov」。2018年7月19日、中国・江蘇省。© Getty Images / VCG 参考データ 以下は単なる量のランキングだが、ガス、石油ともに、精製 前の「質」も重要。 天然ガスの国別埋蔵量 ２０２０年  出典：Global Note 石油の国別埋蔵量 ２０２０年  出典：Global Note 本文 ロシアのガスを輸入しているアジアの企業は今週、モスクワが運搬料をルーブルで支払うよう要求していることに困惑を示した。この新しい要求は、ウクライナでの軍事行動に関してロシアに制裁を課している国々に関係するものだ。 ※注）ルーブル支払い問題（ルーブルはロシアの通貨） この記事では運搬料を問題にしているが、恐らく来月から 天然ガス、石油そのもの輸入料金もルーブルで支払うよ うになる。欧州はドイツを筆頭に各国がロシアから天然ガス などを輸入してきたが、ロシアへの制裁に対しロシア政府は 欧州諸国に天然ガスなどを売らないとは言わないが、買い たいなら支払いはルーブルに限定すると決めた。 そもそもロシアの過去の貿易黒字による５千億ドル超の膨 大なドルは、欧米の制裁により現在使用が凍結されている。 また各国通貨の交換システムであるSWIFTからもロシアは 欧米の一方的制裁の一環として排除されている。 ちなみに、天然ガスについて、ドイツはロシア制裁の主要 なものとして、工事が進んでいた新たな天然ガスパイプライ ンであるノードストリーム２まで契約破棄し、工事がとまる だけでなく関連会社まで解散させてしまった。 今回のルーブル支払いは、上記のロシアへの制裁の具体的 な第一歩であり、今後、欧米がロシアに対し絵行った際限な い一方的ロシア制裁に対するロシアの具体的措置が順次 実施される。天然ガス、石油、石炭、鉱物資源のみならず、 小麦などの穀物、農業用肥料など、多くの品目が対象とな っており、制裁に盲従した欧州諸国はもとより、場合により そのハレーションで世界的な食糧危機までもが問題となりつ つある。 本コメントは青山貞一 水曜日、ロシアのプーチン大統領は、「非友好的な国」は契約で決められた量と価格でロシアの天然ガスを受け取り続けるが、今後はその国の通貨で商品の代金を支払うようにと述べた。アジアでは、ロシアのサハリン2およびヤマルLNGプロジェクトから液化天然ガス（LNG）を輸入している日本、韓国、台湾がこれに該当する。 この展開について、日本の鈴木俊一財務相は「東京はロシアの需要に戸惑っている」とコメントした。 「率直に言って、我々はまだその目指すところ（意図）と実行方法を完全に理解していない...政府は現在、状況を把握するために担当省庁と協議している」と鈴木財務相は述べた。 日本はアジア最大のロシア産LNG輸入国であり、Refinitiv※のデータによると、2021年には同国から684万トンの液化ガスを購入し、これはLNG輸入総量の9%近くに相当する。 ※注）Refinitiv 金融情報やリスク管理などのサービスを提供する 企業。現在はロンドン証券取引所グループの傘下。 鈴木氏は、モスクワに対するさらなる制裁措置に関する東京の決定は、日本経済や金融市場に与えうる影響を考慮して行われると指摘した。日本の主要なガス供給業者の多くは、ロイターに対し、支払い通貨の変更に関する通知をまだ受け取っていないと述べた。 一方、アジア第3位のロシア産LNG輸入国である韓国は、輸入を継続できる見込みであると述べた。韓国金融委員会は、ロシアとのさらなる貿易を促進するために必要なことは何でもすると述べている。 台湾はまた、これまでのところ「決済システムが調整されるとの知らせは受けていない」と述べた。同国では今月末にロシアからのガス出荷が予定されている。 アナリストによると、ロシアがルーブルでの支払いを求めたのは、ウクライナ関連の制裁で過去最低水準に急落した自国通貨を支えるための手段だという。この計画が発表されて以来、ルーブルは対米ドルで3週間ぶりの高値に跳ね上がっている。 |