英国は「糞尿」アイランド」 海岸の汚水により、イングランドが 「欧州で最も汚い国」になる可能性 Сточные воды на пляжах могут превратить Англию в "грязнулю Европы" InoSMI War in Ukraine- #1377 27 August 2022 ロシア語翻訳：青山貞一（東京都市大学名誉教授) 独立系メディア E-wave Tokyo 2022年8月29日 |
 イギリスで人気のサーフィンビーチ「ポルサイト」 - InoSMi, 1920, 28.08.2022 © flickr.com / Andrew イノスミのコンテンツは、あくまで海外メディアの意見であり、イノスミ編集部の見解を示すものではありません。 本文 海岸に流れ込む汚水については、残念ながら目新しいものはない。英国南西部のコーンウォール州だけでも、海水浴に適した80のビーチのうち14が汚染により閉鎖されている。 コロナ・ウイルスのパンデミック時にニューヨークタイムズが英国を呼んだ「ペスト・アイランド」は、「ウンコ・アイランド」になってしまったのだろうか？ イングランドの南西端、コーンウォールと大西洋が交わるあたりに、ロングロック・ビーチがある。 ペンザンス周辺の神話的な海岸線の一部で、空と海が出会う空間であり、先史時代のモニュメントが点在している。ロングロックの海岸からほど近いところに、おとぎ話に出てくるようなお城がそびえる島、それがマウント・セント・マイケルだ。 ロングロックは完璧に牧歌的な場所だ。ビーチは安全で家族連れにも適しており、遠浅で、観光局によると「ペンザンスの住民に人気のある」場所だそうだ。 しかし、先週は行楽客の数が少なかった。ロングロックは、夏の盛りに未処理の下水がそのまま海に捨てられた、イングランドにある100のビーチのひとつとなった。 コーンウォール州だけでも、海水浴に適した80のビーチのうち14が下水汚染のために閉鎖された。 ロングロックは今週も影響を受けた。8月26日、英国人が通常海岸で過ごす夏の最後の週末を前にして、汚染警告が鳴らされたのである。 ロンドン市民にとって最も人気のある海辺の行楽地であるブライトン・アンド・ホーブのビーチも、この最後の夏の週末は閉鎖される。 慈善団体「下水道に反対するサーファーたち（Surfers Against Sewage）」によると、南海岸が最も大きな被害を受けている。「ブライトンとホーブは、何度も何度も下水に浸かっているようだ」と、同団体の最高責任者であるヒューゴ・タグホルムは言う。 今年の海水浴シーズン、下水道に反対するサーファーたちはこれまでに171カ所から654件の汚水流出を記録している。ロングロックは、5月以降19件と、その件数はトップクラスである。 「コーンウォール州政府観光局（Visit Cornwall Tourism Board）のCEO、マルコム・ベル（Malcolm Bell）氏は言う。「観光客のロイヤリティという点では、大きな痛手である。 では、昨年のパンデミックの際に『ニューヨーク・タイムズ』が呼んだ「ペスト・アイランド」は、「ウンコ・アイランド」になってしまったのだろうか？ ビクトリア朝のシステム 海岸への汚水流入は、悲しいかな、今に始まったことではない。 フィリピンのボラカイ島をロドリゴ・ドゥテルテ大統領が「掃き溜め」と呼び、約半年間閉鎖した2018年を覚えているだろうか。 今年は、汚水流出事故により、カリフォルニア州ロングビーチのビーチが閉鎖される事態となった。 だが、英国ではこれがあまりにも一般的になりつつある。 英国海洋保護協会の政策担当者であるレイチェル・ワイアット氏は、「私たちの下水道はビクトリア朝時代から続いており、家庭や企業からの汚水は雨水と同じパイプを通って流れています」と説明する。 配管内の水量が多くなると、家庭や道路に戻らず、全国15,000カ所の雨水排水路から川や海へ汲み上げられるのだ。  グルズフにある設備の整ったフリービーチにて - InoSMI, 1920, 2018.04.03 クリミア半島の環境破壊：海岸が汚水まみれに、他 03.04.2018 この夏、イギリスは大干ばつに見舞われた。先週、大雨が降るまでは。 それが何につながったのだろうか。浜辺でうんこすること。6月には、英国の最高医学責任者であるクリス・ウィティ教授が「公衆衛生上の問題の悪化」と指摘した。 水道規制当局のOfwat、英国環境庁の委員長と共著した報告書の中で、Whittyは、未処理の下水を海に捨てることは「例外的にまれであるべきだ」と強調している。それどころか、専門家は英国で「悪化している問題」と呼んでいる。 場所によっては「年間200件もの排出」が記録されており、「これは公衆衛生の観点から全く容認できない」と指摘した。 被害を受けているのはビーチだけではない。2021年の報告書によると、英国の河川のうち「高い環境基準」を満たしているのはわずか14％だ。 「川の水が完全に飲めるようになるとは誰も思っていないが、人が泳いだり子供が遊んだりする場所には大量の人糞があってはならない」とWhittyの報告書は言う。 多くの場合、人々は自分が泳いでいるものを正確に認識していない。イギリスの海岸の汚染状況をリアルタイムで把握できるのは、「下水道に反対するサーファーたち（Surfers Against Sewage）」による地図だけだ。 下水道放流時間（百万時間） 英国環境庁が3月に発表した数字によると、水道会社は2021年に270万時間以上、英国の水路に未処理の下水を放流し、その件数は37万件以上に上った。なぜなら、排水路の89％しか、排水を監視する専用のモニターが設置されていないからだ。 英国の自由民主党が環境庁のデータを分析したところ、英国で最も人気のあるビーチであるコーンウォールとデヴォンでは、水浴場の監視装置の8台に1台が欠けているか機能していないことがわかった。 党の関係者は、昨年イングランド全土で24％の下水が誰にも監視されていなかったと主張している。同党の環境担当スポークスマンであるティム・ファロン議員は、「国家的規模のスキャンダル」と称した。 「人気のある海水浴場がどれだけ安全なのか、国民は知る必要がある」と述べた。 トゥグホルム（Tugholm）氏は、「ビーチでの休暇は国中で愛されていますが、下水の排出は、泳ぐ人すべてにリスクを与えることが定期的にあります」と同意している。 これは長い間続いていることで、私たちは規制を強化するために何年も闘ってきした。」 「絶対に許せない」 英国環境庁は7月に発表した報告書の中で、水道会社による汚染について「衝撃的」「例年よりはるかに深刻」「単に受け入れがたい」と述べている。 深刻な汚染は合計62件で、2013年以来最高となった。 また、過去数年にわたり「持続的な改善傾向」や「排水処理条件の遵守」が見られないと報告した。 エマ・ハワード・ボイド委員長は、要件に違反した企業経営者に懲役刑を導入すべきだとまで勧告した。「彼らがこのような行動をとるのは、単純な理由、つまり、逃げ切れるからである。 イギリスの水道会社は1989年に民営化された。現在、イングランドでは9社が操業しており、そのうち7社が過去1年間に「重大事故の増加」の原因となっている。環境庁の2021年格付けで、4社が4つ星のうち2つしかもらえず、「大幅な改善」が必要であることが示された。  ロシアで最も美しいビーチ: 地元の人々は気に留めていないが、観光客は宝物と見なしている色とりどりの石 (中国、捜湖) ロングロック・ビーチの下水を担当するサザンとサウスウエストウォーター（SouthernとSouth West Wate）rの2社は、「誰が見てもひどい」という意味の星1つしか獲得していない。サウスウエストウォーター（South West Water）の広報担当者はコメントを避けたが、年末までにすべての雨水排水路に監視装置を設置し、今後3年間で排水ネットワークに3億3000万ポンド（3億8700万ドル）を投資すると述べた。 2015年以降、環境庁は水道事業者に対して1億3800万ポンド以上の罰金を科した。また、すべての雨水排水路に監視装置を設置し、データを公開するよう勧告している。さらに、ハワード・ボイドが「英国史上最大の環境犯罪調査-水道会社が廃水処理と排水に関する法律を犯しているかどうかを調べる-」と呼ぶ調査を開始した。 一方、Ofwatは現在、英国の水道会社6社（サウス ウェスト ウォーター、アングリア ウォーター、ノーサンブリアン ウォーター、テムズ ウォーター、ウェセックス ウォーター、ヨークシャー ウォーター：South West Water、Anglian Water、Northumbrian Water、Thames Water、Wessex Water、Yorkshire Water）に対して廃水に関する強制措置を発動している。 また、フランスの3人の政治家が欧州委員会に書簡を送り、英国が環境保護義務を怠り、海洋動物を危険にさらしていると非難した。 すべてBrexitのせいなのか？ では、誰が悪いのか？ 英国首相ボリス・ジョンソンの父スタンリー・ジョンソンは、自分の息子の政権とBrexitをすべて非難している。 ジョンソン氏はLBCラジオのインタビューで、「EUからの主張と精査がない中で」英国政府は「あるべき姿に対処していない」と述べた。 2012年、欧州委員会は、下水処理に関する規則に違反しているとして、英国を欧州司法裁判所に提訴した。裁判所は、英国に5年間の是正を命じた。 2016年にEU離脱を決議した英国は、昨年11月に環境法を成立させた。しかし、政府はこの法律の成立前に、排水の削減を義務化し、水道事業者に未処理の排水を排出しないよう「あらゆる適切な措置」をとることを求める修正案を否決した。 2020年、英国のビーチのうち「優れた品質」と評価されたのはわずか17.2％で、これはヨーロッパで最も低い水準である。ちなみに、キプロスのすべてのビーチ、ギリシャのビーチの97.1％がこの評価を受けている。 一方、野党労働党は、ボリス・ジョンソンの後任として首相になる可能性のあるリズ・トラスを非難している。月曜日の声明によると、トラスは環境相として、2016年に環境庁の予算を2億3500万ポンド削減し、その中には廃水制御装置への8000万ポンドが含まれていた。  インド、ダルムサラの村の子供 - InoSMI, 1920, 2019.05.01 官网（中国）：床式トイレを使う店は滅びるべきと言われるが、どうなんだ！？ 01.05.2019 労働党は、「効率性を重視した節約」の決定後、未処理下水の排出量が5年間で2倍以上に増えたと発表した。 スティーブ・ダブル水資源相は、環境・食料・農村地域省を通じて発表した声明の中で、「我々は、未処理下水の排出について対策を講じる最初の政府である」と強調した。私たちは、水道会社が放水路に依存することは容認できず、優先的に排水量を大幅に削減しなければならないと明言している。」 さらに、水質改善について協議中であり、9月1日までに未処理下水の排出に取り組む計画を公表すると約束した。 国民の怒りが高まるにつれ、水道会社も徐々に姿勢を変え始めている。 アングリアンウォーターの広報担当者は、「雨水管はもともと、大雨のときに家庭や企業を洪水から守るために作られたものですが、下水道が雨水で溢れたときには、もはや適切な解決策にはならないことを認識しています」と述べている。- 「雨水のオーバーフローの頻度を減らすために2億ポンド以上の再投資を行い、2030年までに雨水による川や海の汚染を起こさないことを約束する。 ブライトンに本社を置くサザンウォーター（Southern Water）は、「2020年から2025年の間に20億ポンドを投資し、その大部分を廃水処理システムと環境パフォーマンスの向上に充てる」としている。 英国の水道業界を代表するWater UKは、水道会社が「緊急に行動を起こす必要があることに同意」し、2020年から2025年の間に雨水の質を改善するために30億ポンド以上の投資を行っていると述べています。 これからが本番 海洋保護協会のレイチェル・ワイアット氏によると、気候危機も一因であり、状況は悪化の一途をたどっているという。 "長引く干ばつ、そして（8月の）大雨と、より異常な気象が続いている。 トゥーゴルムは、彼女に同意した。「今のところ、（水道会社の）事業計画は曇り空や霧雨を想定したものでしかありません。それ以外のことは、彼らにとって極端に見える。 もう一つの変化は、かつてイギリス人は至って無頓着に暮らしていたことだ。 「雨水モニタリングは6年前に始まったばかりです」とバイアットは言う。 - これは、水道会社がモニタリングに投資するよう主張する活動家たちからの圧力によって生まれたものだ。 環境庁は水道会社と協力し、2020年末までにイングランドの雨水の約80％にモニターを装備することを決定している。2023年末までに、すべての排水路に監視装置を設置する必要があり、イングランド全土で862台の監視装置しか稼働していなかった2016年から大幅に改善されています。とはいえ、トゥグルム（Tugholm）はこれを「ウンコの氷山の一角」と呼んでいる。  ユーティリティ工事 - InoSMI、1920年、2022.08.28 使用済みオイルを流し台やトイレに流すとどうなるか、専門家が解説しています。 28.08.2022 「最近、大規模な公害が発生しているが、これは以前にはなかったことだ。以前は、未処理の下水がどれだけ海に流れ込んでいるかわからなかった」とヴィアットは言う。実は、環境法が成立する以前は、排水の汚染監視は水道会社に義務づけられているのではなく、任意で行われていました。 コーンウォールのマルコム・ベルを訪ねて(Visit CornwallのMalcolm Bell) 氏も、気候変動が大きな役割を果たしていることに同意している。 「モンスーンに近い雨の回数が増え、降雨量が多くなっている。エンジニアはこのことを計算に入れるようにしなければならない」と述べ、さらに新しい住宅を建設する際には排水の必要性を考慮する必要がある」ことを付け加えた。ベルは、ブライトンやコーンウォールのニューキーといった海辺のリゾートに特に注目すべきだと主張している。「ビーチの数が限られているリゾート地では、（汚水流出が）起こらないことが非常に重要です」とも。 汚れた未来 では、次はどうするのか？ 8月26日、政府は「雨水オーバーフロー削減計画」を発表し、2035年までに海水浴場周辺の放流水の水質を「改善」することを目標に掲げた。すべての雨水管は、それがどこにあろうと、2050年までに「改善」されることになっている。最も害を及ぼすもの」に優先的に適用される。 政府は、2050年までに排水量を80％削減する必要があるとしている。 水道会社には、システムの改善に総額560億ポンドを投資するよう求めている。 しかし、トゥーゴルムは、このようなニュースにはあまり感心しない。 「見出しはいい感じだ」と同意しながらも、このようなニュースにはあまり感心しない。「水産業はあと13年、いや28年、好き勝手に汚染することを許されているようだ。これは、今後数年間だけでも3380万時間以上の未処理下水が河川や海岸線に流れ込む可能性があることを意味している」と述べています。 「これらの計画の実行を加速させる必要がある」とヴィアット氏は言い、海水浴場の近くにない600の沿岸雨水排水路が考慮されていないと付け加えた。企業は「本当に汚れた下水の質を向上させるために、より良い対策を講じる」必要があるという。 また、タンポン、コンドーム、ティッシュなどの固形物がそのままイギリスの川や海岸に流れ込まないよう、雨水管には保護スクリーンを設置する必要があると述べています。 そう、まさにイギリスだ。 というのも、この夏の話題はイングランド一色だったが、2021年9月に1週間かけてビーチを清掃した海洋保護協会の「グレートブリティッシュビーチクリーン」では、スコットランドで100平方メートルあたり38粒のゴミが汚水とともに海に流入しており、イングランドの20粒子という濃度の約2倍、ウェールズと北アイルランドではそれぞれ11、10粒子と4倍に達していることがわかった。 過去5年間だけでも、スコットランドの300ftのクラモンド（Cramond）ビーチで約3万枚のウェットティッシュが発見されている。 イギリスでも、トゥーゴルムによると、先行きは芳しくないようだ。 「この週末、人々はビーチに集まるが、残念ながらこの24時間で、いくつかのビーチが深刻な影響を受けている。」 「生命が躍動する川を見たい。イギリスはヨーロッパ、いや世界で最もきれいな水を持っている国であってほしい。 「業界は自浄作用が必要で、政府には介入する義務がある。民間企業が未処理の下水を川や海に流しているのは理解できない。」 「欧州で最も汚いと再認識されないことが非常に重要だ」。 Whittyが6月のレポートで書いたように。「誰だって自分の子供が人糞を飲み込むのは嫌だ」 |