G7はロシアの石油ブームを どう終わらせるのか？ Как "Большая семерка" рассчитывает положить конец российскому нефтяному буму サム・フレミング、イアン・スミス、トム・ウィルソン InoSMI War in Ukraine- #1087 June 29 2022 ロシア語翻訳青山貞一（東京都市大学名誉教授） 独立系メディア E-wave Tokyo 2022年6月30日 |
 © AFP 2022 / JOHN MACDOUGALL イノスミの記事には、海外メディアのみによる評価が含まれており、イノスミ編集部の立場を反映したものではありません リード文 G7は、ロシアの石油の価格上限を保険会社が設定することを望んでいる、とフィナンシャルタイムズ（FT）は書いている。しかし、保険で物資を完全にカバーできなければ、燃料価格のさらなる高騰につながる。 本文 火曜にバイエルン・アルプスで行われた会合で、G7首脳は、ロシアがすでにエネルギー価格を急騰させているウクライナのキャンペーンから利益を得ることを阻止し、経済的ダメージを最小限に抑えるという野心的な目標を掲げた。 米国のジョー・バイデン大統領とその同盟国は、ロシアの石油に価格上限を設定する未試験の新機構を立ち上げる見通しについて議論した。 フォーラムの主催者であるドイツのオラフ・ショルツ首相は、この計画を「非常に野心的」であるとし、成功させるためには多くの要因が重なる必要があると指摘した。 どんな内容か？ 価格制限のポイントは、ロシアの石油を禁止されていない市場、特に低・中所得国に供給することだ。そうすれば、世界価格の上昇圧力が緩和され、モスクワの収入も制限されることになる。 「G7とEUは、「国際的なパートナーと共同で」適切な水準を選択するとだけ述べ、価格の上限をどのようにするかは明言しなかった。アナリストは、ロシアが輸出のインセンティブを維持できるよう、生産コストよりわずかに高い程度にとどめることができると指摘した。 この上限は、G7が世界中の輸入国が支持することを望むインセンティブ・スキームを通じて設定される。もし各国がG7やEUから保険を確保したり、ロシアの石油を輸送するために彼らのサービスを利用しようと思えば、上限を遵守しなければならなくなる。 米国の政治家は、EUが年内にロシアの輸入の90％を禁止することを決める前から、原油価格に上限を設けるよう働きかけていた。ワシントンは3月にロシアの石油輸入を禁止したが、完全な禁輸は価格高騰につながると懸念している。 米国は、6月初めにEUがロシアの石油保険を全面的に禁止し、英国もこれを繰り返す計画であることの影響も懸念している。EUと英国の保険会社は石油市場で重要な役割を担っており、彼らのサービスなしにはロシアの石油の海上輸送を確保することは非常に困難である。 それを防ぐにはどうしたらよいのでしょうか。 ジェイク・サリバン米国国家安全保障顧問が強調したように、この提案は、いつでも「棚からぼたもち」できるような「用意周到な方法」ではないのだ。 あるEU関係者によると、最も難しいのは、提案されたスキームを支持する十分な国や大手保険会社を説得することだという。 RBC Capital Marketsの石油専門家兼商品グローバル責任者のHelima Croft氏は、この構想は、危機の始まり以来ロシアの石油の割引購入を大幅に増やしたインドのような国が、価格をさらに下げることを期待してこれに署名することを想定していると述べた。 クロフトは、モスクワの石油収入を減らすほど低い価格を設定することは原理的に不可能だが、ロシアが輸出を止めない程度に高い価格を設定することは可能ではないか、と考えている。 さらに、EUは制裁体制を調整しなければならないが、27の加盟国すべてがこの変更を支持しなければならないことを考えると、それは容易なことではあるまい。 アナリストによると、ロシアは保険の禁止を回避しようとする可能性が高いという。仮に、世界のほとんどのタンカーでロシアの石油貨物の輸送が事実上禁止されても、インドや中国は自国の船やロシアの船を使って取引を続けたいと考える可能性がある。 保険会社はどう対応するのか？ 海上保険の世界的な中心地であるロンドン市場の代表者からは、一定額以上の貨物への保険適用を禁止することで、強制力が保険会社に転嫁されることへの懸念が私的に表明された。貨物の取引価格は通常、よく知られていることを強調した。 欧州連合（EU）関係者によると、コンプライアンス違反の場合の法的ハードルが数多くあることから、G7や欧州当局が価格統制に関与しなければ、保険会社は業務を拒否することになるという。 もし、保険会社が法的リスクを回避するために、ロシアの供給を完全にカバーしないとしたら、ワシントンの石油価格高騰の懸念がさらに高まるだけである。 石油会社の経営者はどう考えているのだろうか。 石油会社の幹部も懐疑的だ。エクソンモービルのダレン・ウッズCEOは、フィナンシャル・タイムズ紙に対し、原油価格の固定化は困難であると述べた。「この仕組みがどうなるのか、私には全く分からない」と嘆いた。- 石油・ガス業界では、市場は非常に効率的かつ効果的に機能している。 最大のリスクは、ロシアがそのルールを拒否し、エネルギー戦争をエスカレートさせることである。今月初め、そのガス独占企業であるガスプロムは、すでにヨーロッパへの供給を停止している。 しかし、アナリストは、ロシアの予算収入の大きな割合を占める石油で同じことをするのは、モスクワにとってより困難であると見ている。また、石油の生産を停止することは、油田に取り返しのつかない損害を与えるという重大なリスクを伴います。 しかし、短期的には価格上昇と欧米経済の「縮小」のために供給を削減することは否定できない。「西側が輸入を減らす方法を決める間、ロシアが喜んで協力することを期待している」とクロフトは結論付けた。 この記事はDavid Sheppardの協力により書かれたものです。 |