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日本の専門家が中国のチベット研究
の質的飛躍を評価
 
新華社
 
2021年9月9日
Interview: Japanese expert hails qualitative leap
in China's Tibetan studies

Source: Xinhua Setember 9, 2021

翻訳:青山貞一(環境総合研究所顧問)
 独立系メディア E-wave Tokyo 2021年9月12日
 

チベット文字による「チベット語」 Source: WikimediaCommons:パブリック・ドメイン, リンクによる

本文

 日本のチベット文化専門家である田中希明氏は、中国のチベット研究は近年急速に進展し、質的な飛躍を遂げており、チベット語の電子化がチベット文化の活発な普及と発展を支えていると述べた。

 中村元東方研究所の研究員である田中氏は、1985年から2007年の間に7回チベットを訪れている。チベット文化や伝統的な仏教絵画であるタンカに関する数十冊の本を出版し、テーマ別の絵画展や写真展を企画・開催して、日本におけるチベット文化の普及を推進してきたという。

 同氏は記者団の書面インタビューに対し、中国ではチベット学研究センターが設立され、その傘下の出版社が多くのチベット学関連書籍を出版しています。また、中国ではチベット語で書かれたチベット文化に関する優れた書籍が数多く出版されている。

 専門家は、チベット学研究センターがチベット語で出版した『中国のトリピタカ』は素晴らしい作品であると述べている。

 「この本が出版される前、私はいつも木版画をスキャンしたものを研究に使っていましたが、この可動式印刷版の『中国のトリピタカ』では、4枚の木版画を校正しています。このような貴重な資料が出版されたことは、後世の人々や世界中の研究者にとって大きな成果だと思います」と語っている。

 また、田中は、中国におけるチベット語入力法の開発と応用にも深い感銘を受けたという。

 
「チベット語入力法の開発と応用は、大きな社会的進歩です。パソコンやスマートフォンに搭載されてからは、使いやすく、入力も速いので、本当に大きな社会的進歩だと思います」と語っている。

 1997年、チベット大学の研究センターは、情報技術と情報交換のためのチベット語のコード化された文字の基本セットの国際標準を開発した。それ以来、チベット語入力方式、チベット語文字認識システム、チベット語オフィスソフトのOSなど、チベット語のソフトウェアやアプリケーションシステムが開発され、チベット語の文字を電子時代に導入している。

 木綿や絹に描かれたチベットの絵「タンカ」も、田中の重要な研究対象である。

 「中国のタンカ画家の多くは、18世紀から19世紀のタンカ画をモデルにして制作しています」と田中は言う。

 「しかし、15~16世紀のタンカ壁画を復元しようと思ったら、その時代のタンカ文様を手本にする必要があります。現在、15~16世紀のタンカ文様を研究している中国の画家はあまりいません。」