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台湾の学者と元官僚、パンデミックを
政治利用したとして蔡英文ら
民進党幹部を提訴

環球時報 公開:2021年6月12日

Taiwan scholar, former official sue Tsai and
other DPP officials for politicalizing pandemic

By Wang Wenwen, Yu Jincui and Guo Yuandan
Global Times
June 12, 2021

池田こみち Komichi Ikeda(環境総合研究所顧問)
独立系メディア E-wave Tokyo 2021年6月14
日 公開

2021年6月9日、台湾島の新北市にある病院で、COVID-19コロナウイルスに対するモデルナ製の予防接種を受ける前に待つ医療関係者。写真はAFP 略

<本文>

 台湾の人々は、自分たちの利益のためにパンデミックを政治利用したとして、台湾の地域リーダーである蔡英文氏と民進党の人々を提訴した。ある学者は、「COVID-19」が猛威を振るう中、「人々の生命と健康を著しく危険にさらす」政策を採用していると非難した。

 台北在住の政治学者で国民党員の張亜忠(Chang Ya-chung)氏と、台湾の元情報局長の鄭晋(Chung Chin)氏らは、金曜日に台湾台北地方検察庁に蔡英文氏、台湾の行政機関の長である蘇増長(Su Tseng-chang)氏、台湾の衛生局の長である陳世忠(Chen Shih-chung)氏を提訴した。

 張(Chang)氏によると、台湾のCOVID-19感染者の死亡率は世界平均を上回り、3%に近い記録を維持しているという。しかし、蔡英文と他の2人の台湾政府関係者は、大陸からのワクチンの援助を妨害しただけでなく、WHOの承認を得ていない台湾のローカルワクチンを支持した。

 学者は、この3人の役人の不正行為を非難し、自分たちが儲かることを望み、"政策で人を殺す "に等しいと指摘している。

 台湾の地域当局は、台湾の薬局が2020年に予約した3,000万回分のビオンテック-フォスン(BioNTech-Fosun)社製*1ワクチンを拒否した。同時に、ワクチンの輸入が中国大陸の介入で妨害されていると言って国民を騙した。

 5月下旬に台湾島がCOVID-19感染状況の悪化に直面した際、台湾の人々は中国大陸や他国から購入したワクチンを寄付し始め、その中にはシノファーム社の500万回分や、張氏自身が購入したビオンテック社製の500万回分のワクチンも含まれていた。しかし、蔡英文の分離独立政権は、ワクチン不足が深刻化しているこの時期に、行政手続き上の問題を理由にこれらの寄付を拒否した、と張は言う。

 そして、(台湾の企業である:訳者注)メディジェン・ワクチン・バイオロジクス社(Medigen Vaccine Biologics Co社=高端疫苗生物製劑股份有限公司)が製造したワクチンの第2相試験データが発表される前の5月18日、蔡英文は島の人々に7月にワクチンを摂取するよう求めた。これにより、同社の株価は急上昇した。常さんは、蔡さんがこのようなことをすれば、他人の利益のために株式市場に干渉している疑いがあると指摘する。

 さらに、蔡英文は5月31日、同社から500万~1000万本のワクチンを購入すると発表したが、これは科学的で合理的な政策決定に反するものだと張氏は指摘する。

 台湾トップの研究機関の学者である陳沛爾(Chen Pei-jer)氏は、先週、島のCOVID-19ワクチン検討委員会を辞任した。陳氏は、ワクチン審査委員会に台湾製のワクチンを承認するよう圧力をかけかねない発言をしたとして、蔡英文氏を批判した。

 フェーズIII試験を受けていない地元産のワクチンの使用を強要する蔡氏当局の行動は、台湾で国民の怒りを買った。蔡英文は金曜日に、COVID-19の発生により台湾で犠牲者が出たことを謝罪した。


*1 ドイツBioNTech社と中国Shanghai Fosun Pharmaceutical(Fosun Pharma)社は、2020年11月25日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するmRNAクチン(開発番号:BNT162b2)の第2相臨床試験を中国江蘇省で開始すると発表するなど、協力してワクチンの開発を行っている。