エントランスへはここをクリック   

新疆ウイグル自治区の綿花使用禁止令により、
多くの日本ブランドが中国で敗北とアナリスト
More Japanese brands will lose out in China
due to Xinjiang cotton ban: analyst

Global Times 23 May 2021
 
翻訳:青山貞一 Teiichi Aoyama(東京都市大学名誉教授)
 独立系メディア E-wave Tokyo 2021年5月25日 公開 

 

H&M。写真を見る VCG

 新疆ウイグル自治区の綿花の使用を禁止したことで、大手有名多国籍企業が中国での不買運動に直面している中、日本のアパレルブランドも新疆ウイグル自治区の綿花を禁止したことが判明した。

 アナリストによると、政治的にアメリカに味方するという理不尽な行動は、地元ブランドが人気を博している巨大な中国市場での競争に敗れてしまうという。

 日本経済新聞が金曜日に報じたところによると、ミズノやワールドを含む日本の大手アパレル企業は、新疆ウイグル自治区での人権侵害の疑惑があるため、新疆ウイグル自治区産の綿花の使用をやめることを決定したという。

 ミズノとワールド社は日曜日にコメントを得ることができなかった。

 しかし、これらの企業の理不尽な行動は、中国のネットユーザーを怒らせた。ツイッターに類するマイクロブログ「新浪微博」では、ブランドは中国を批判しながら、市場から利益を得ていると言う人もいた。

 「アメリカに屈すると、大きな中国市場を失うことになる」とネットユーザーが投稿している。

 巨大なアパレル市場である中国は、大手多国籍企業にとって最も戦略的に重要なターゲットのひとつになりつつある。

 新疆綿を断る一方で、100万人以上のフォロワーを持つ中国の電子商取引プラットフォーム「JD.com」上のミズノの旗艦店は、6月20日まで続く年に一度のショッピングフェスティバル「618」のプロモーションを実施している。

 また、2019年3月には中国のスポーツ企業と協力関係を結び、3年以内に中国で500店舗を設立することを目指している。

 日本企業が新疆綿を禁止する決定を下したのは、米国からの圧力が強まる中でどちらかの立場に立たざるを得ないという政治的要因の影響を受けていることは間違いないと、北京に拠点を置くHejun ConsultingのパートナーであるYan Qiang氏は、日曜日にGlobal Timesに語った。

 1月、米国税関・国境警備局は、ユニクロのシャツが新疆での「強制労働」によって生産された疑いがあるとして、出荷を阻止した。

 しかし、ユニクロがこの主張に異議を唱え、綿花が新疆で生産されたものではないという証拠を提出したにもかかわらず、米国機関はさらなる証拠を求めてシャツの出荷を拒否したと、5月10日に同機関が発表した文書に記されている。

 新疆の綿に対する差別で、ユニクロ、アディダス、ナイキ、H&Mなどの多国籍企業は中国市場で代償を払っている。

 ブルームバーグは5月6日、モーニングスター社のデータを引用して、ユニクロの中国電子商取引プラットフォーム「Tmall」での4月の売上が前年同月比で20%以上減少し、アディダスの売上は78%、ナイキは59%も減少したと報じた。

 iiMedia Research InstituteのCEOであるZhang Yiは、新疆綿の使用を禁止するというこれらの海外ブランドの賢明でない決定は、短期的な販売不振に加えて、事件が急成長する国内ブランドに市場シェアをつかむ時間を与えることになり、彼らに致命的な打撃を与えるだろう、と日曜日のGlobal Timesに語った。

 同氏は、中国の消費者の国家意識は、5年前や10年前に比べて2倍以上になっているため、これらの外国ブランドをボイコットする可能性があると述べた。

 中国外交部の華春瑩報道官は、5月12日の定例記者会見で、新疆での「強制労働」疑惑はとんでもない嘘であり、中国の企業や産業に害を与えるためにこの問題を誇張する米国や欧米の人々は、新疆を混乱させ、中国を封じ込めるための悪意ある意図に従っていると繰り返し述べた。