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仏裁判所、枯葉剤被害のベトナム系
女性の請求棄却 米化学企業相手に裁判

Viet-jo.com 2021年5月10日

 独立系メディアE-waveTokyo2021年5月15日公開 


[社会] 仏裁判所、枯葉剤被害のベトナム系⼥性の請求棄却 ⽶化学企業相⼿に裁判 2021/05/12 14:32 JST更新

 フランス・パリ郊外にあるエブリー(Evry)市の刑事法院は11⽇、ベトナム戦争時に⽶軍が使⽤した「エージェント・オレンジ (Agent Orange)」と呼ばれる有毒な枯葉剤(ダイオキシン)を製 造・販売した⽶国の化学企業14社を相⼿に、ベトナム系フランス ⼈性チャン・トー・ガーさん(79歳)が起こしていた訴訟を却下 した。

 この訴訟は、
⾃⾝がエージェント・オレンジの被害者であると 主張するガーさんが、国のダウ・ケミカル社(Dow Chemical)やモンサント社(Monsanto、現在はドイツの バイエル社(Bayer)が所有)など14社の化学企業を相⼿にしたもの。

 ガーさんはウィリアム・ブルドン(William Bourdon)弁護⼠らの助
を受けて2009年5⽉、パリの良⼼の国 際裁判所(International Tribunal of Conscience)でベトナムの枯葉剤被害者のために証⾔した。

 2013年にエ ブリー刑事法院に枯葉剤を製造した⽶企業26社を提訴し、2014年に19社に対する訴訟⼿続きが開始され、6 年間の準備機関を経て今年1⽉に正式な裁判が始まった。

 ガーさんは20代の頃にベトナムでジャーナリストや活動家として活躍していたが、エージェント・オレン ジの被害により2型糖尿病やインスリンアレルギーなどの影響を受けていると語っている。ガーさんはロイタ ー通信に対し、「訴訟は却下されたが、控訴する」と述べた。  

 企業は、
軍が社の製品を使⽤したことに対して責任を負うことはできないと主張していた。⼀⽅、フラ ンス通信社(AFP)によると裁判所は、⽶国政府の戦時中の⾏動に関わる訴訟を裁く権限を持たないと判断した という。

 ガーさんの弁護
の1⼈であるブルドンはツイッター(Twitter)で、「裁判所は裁判権免除原則の時代遅れ の定義を適⽤しており、国際法および国内法の近代的原則に反する」とコメントした。

これまでのところ、エージェント・オレンジをめぐる裁判で補償を勝ち取ったのは、⽶国をはじめとする戦 争に関与した国の退役軍⼈のみ。

 
2009年には、ベトナム枯葉剤被害者協会(ダイオキシン被害者協会)が⽶国 の⼤⼿化学会社を相⼿に訴えを起こしたが、連邦控訴裁判所から棄却されている。

 ⽶国は、戦時中の散布と、多くのベトナム⼈が訴えているダイオキシン中毒との間には科学的に証明された 関連性はないと主張している。 [Tuoi Tre 17:16 10/05/2021, A]

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