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デンマーク、ウクライナへの軍事支援を否定せず
数百万ドルの支援金交付後

Denmark Not Ruling Out Military Support
to Ukraine After Granting Millions in Aid

出典:Sputnik International

翻訳:池田こみち(環境総合研究所顧問)
独立系メディア E-wave Tokyo 2022年2月1日
 

連合統合軍司令部ブルンスム / デンマーク軍兵士
CC BY-SA 2.0 / Allied Joint Force Command Brunssum / Danish Soldiers, Subscribe


本文

 先に、デンマークは、バルト海のNATO統合軍にフリゲート、バルト諸国上空の航空警察任務に戦闘機を提供し、これらの措置について、監視・抑止でありまた、「ロシアへのサインを送った」との見解を示した。最近では、デンマーク首相はロシアに「前例のない規模の」制裁を科すとも脅している。

 デンマークのメッテ・フレデリクセン首相は、危機がエスカレートした場合に武器や軍備でウクライナを支援することを排除しないと述べ、そうしたことに「原則的に反対しない」と付け加えた、とデンマークの高級紙であるユランズ・ポステン(Jyllands-Posten)紙が報じている。

 「ウクライナを取り巻く状況は現在、ヨーロッパに深刻な脅威を与えており、ヨーロッパの地で武力衝突が起こる危険性がある」とメッテ・フレデリクセン氏は評価した。

 野党の自由保守党ヴェンスタ(Vensnstre)と与党社会民主党の同盟政党である社会自由党は共にウクライナへの軍事装備の派遣を支持している。さらに別の側近政党である社会自由党もこの措置を支持しているが、ただしEUと協調してのことである。

 デンマークの首相はまた、ウクライナ情勢がこれ以上エスカレートするようであれば、ロシアに「前例のない規模の」制裁を科すと脅した。多くの西側諸国と同様、デンマークも、モスクワが侵略計画を繰り返し否定しているにもかかわらず、ロシアが自国内に軍隊を集結させていることをウクライナに対する「侵略」とみなしている。

 しかし、フレデリクセン氏は、ウクライナの地にデンマーク軍が駐留する可能性について質問されても、答えることはなかった。同時に、フレデリクセン氏は、現在の予算では足りない場合のために、軍への資金提供を増やすと発表した。

 先週、ウクライナのドミトロ・クレバ外務大臣がデンマークを訪問した。その際、デンマークのカウンターパートでありフレデリクセンの党員でもあるイェッペ・コフォドは、今後4年間でデンマーク近隣プログラムに8億7500万デンマーククローネ(1億3100万ドル)を割り当て、そのうちウクライナは5億5000万デンマーククローネ(8200万ドル)を受け取ると発表している。

 デンマークは以前、バルト海のNATO軍にフリゲート1隻を、バルト三国の航空警察を任務とする戦闘機を提供し、いずれも監視、抑止、「ロシアにサインを送った」と発表している。

 これらの措置とウクライナへの支援の約束は、米国、NATO、ロシアが、現在の緊張状態を大幅に緩和するためにモスクワが提示した安全保障に関する提案について書簡を交換したことを受けてのものである。特に、米国とNATOは、NATOの東方拡大計画、特にウクライナや他の旧ソビエト共和国を同盟に組み込む計画を放棄するよう求められたのである。

 2014年のウクライナ危機では、欧米の支援を受けた勢力がキエフで選出された政府をクーデターで追放し、クリミアが住民投票の末に離脱してロシアに再加盟、さらに同国東部の内戦にも飛び火して、ロシアとNATO間の緊張は一気に高まった。

 2021年から現在に至るまで、欧米の政府関係者やメディアは、ロシアがウクライナ侵攻に備えて国境付近に軍備を増強していると非難し、地球を破壊するような制裁を科すと脅している。モスクワは、西側諸国が人為的に緊張と敵対関係を高めていると非難し、すべての疑惑を否定している。