米国、楊・サリバン会談でウクライナ問題 で中国を罠にかけることに失敗 US fails to trap China over Ukraine at Yang-Sullivan meeting By Chen Qingqing and Fan Anqi 陳清清、范安奇 GT China＃799 Mar 15, 2022 翻訳：池田こみち（環境総合研究所顧問） 独立系メディア E-wave Tokyo 2022年3月17日 |
 2022年3月14日、イタリア・ローマでジェイク・サリバン米国国家安全保障顧問（1st R）と会談する中国共産党中央委員会政治局委員、中国共産党中央委員会外事弁公室主任の楊潔チ氏（1st
L）（写真：新華社）。本文 月曜日、ローマで行われた中国の上級外交官楊潔篪と米国国家安全保障顧問ジェイク・サリバンの７時間に及ぶ会談は、一部のメディアによって「激しい」と表現されたのと同じ日、米国空軍ケネス・ウィルスバッハ将軍は、中国にウクライナ情勢の教訓を教え、それは台湾問題にも適用できると露骨に脅かした。ウクライナ情勢をめぐっては、中国側が一貫した姿勢を強調し、米国側に誤った言動を正すよう求めたため、米国側は自国の利益のために北京を誤導しようとしたが、失敗し、中米当局者が初めて直接ハイレベルで交わったことで、この驕りが反故になった。 会談を前に、米国はロシア・ウクライナ紛争における中国の役割について絶えず偽情報を流し、一部の米国高官はウクライナ危機と台湾問題を混同し、この問題で中国を乗っ取ろうとし、「中露同盟」の虚像を描いている。中国の専門家の目には、これらの悪意ある戦術はすべて、建設的な協議に対する米国の好意をほとんど反映しておらず、その言動に矛盾があるため、健全で安定した中米関係の展望が損なわれていると映るのである。 楊氏とサリバン氏の会談が終わった数時間後、中国は台湾問題や現在のウクライナ情勢などの核心問題に対する姿勢を改めて示す850語の読み物を発表した。楊氏は、ロシア・ウクライナ紛争をめぐり、北京をミスリードしようとするワシントンの継続的な圧力を拒否し、長期的視野に立ち、共通・包括・協力・持続的安全保障のビジョンを積極的に提唱し、関係者に等身大の対話を奨励し、欧州と世界の平和を守るために不可分の安全の原則に基づき、均衡のとれた効果的で持続可能な欧州安全保障の枠組みを立ち上げようと呼び掛けた。 「中国側は、虚偽の情報を流布したり、中国の立場を歪曲して信用を失墜させたりするいかなる言動にも断固として反対する」と述べた。 高官級会談の直後、一部の米メディアは無名の米当局者を引用し、「ロシアが中国に軍事装備と戦争支援を求めた」と危機における中国の役割を誇張し、その偽情報に基づいてサリバン氏は会談で中国とロシアとの密接な関係について「深い懸念」を表明している。 さらに、他の一部の西側メディアも、中国が「ロシアへの軍事支援」に意欲的であると誇張し、楊との会談の前に、サリバンは中国がロシアの西側制裁逃れを支援した場合、いわゆる「結末」について警告している。 中国の専門家の中には、ローマでの会談は、米国主導の西側諸国が中国に「どちらかにつくように」と圧力をかけ続ける中、中国高官がウクライナ問題での中国の一貫した立場をストレートに打ち出した場であったと考える人もいる。米国は中ロ関係の本質を理解していないだけでなく、二つの問題の性質が異なるにもかかわらず、悪意を持ってウクライナ危機と台湾問題を結びつけていると、一部の専門家は指摘し、戦略的冷静さをもって、中国はこの罠にはまらないことを指摘した。 ■失敗した罠 復旦大学国際問題研究所の呉新波（Wu Xinbo）所長は、月曜日の会議で、ウクライナ問題は米国が中国に圧力をかけるための優先事項だったが、その試みは失敗したようだと、火曜日、環球時報に語った。 「中国の立場が変わらないだけでなく、米国が流した噂や偽情報に反論した。この会談に対するアメリカの目的は失敗したということだ。」と呉氏は述べた。 ホワイトハウスのウェブサイトに掲載された声明によると、中国からの読み上げに比べ、米国は会談をわずか80字で要約しており、この予想より短い読み上げは、米国が今回の会談で実りある成果を得られなかったことを示すと、一部の専門家は指摘し、これはまた、米国が自国の関心事項にのみ焦点を当て、今回の中米会談を表面的なものにしたことを反映していると指摘した。 専門家は、楊氏が中米関係について語る際、特に台湾問題を持ち出したことは注目に値するとし、ロシアとウクライナの紛争勃発後、多くの西側メディアはウクライナ問題と台湾問題の関連性を誇張したが、この二つは根本的に異なっており、両者を結合しようとすることは「極悪」と見なされると指摘した。 ローマ会談と同じ日、米空軍トップのケネス・ウィルスバッハ将軍は、ウクライナ情勢と台湾問題を結びつけ、中国がウクライナ情勢から得ている「重要な教訓」の一つは「国際社会の連帯」であり、中国が台湾や他の隣国に対して同様の振る舞いをすれば、「より強固な何かが起こる」と、月曜日のオンライン討論会で述べたと、空軍雑誌は伝えている。 「この観点から、サリバン・チームは中国側と友好的な立場で話をせず、圧力を強め続け、中国にその意思に屈するよう強要したと言えるでしょう。しかし、彼らは中国の確固たる立場を激しく過小評価していると思う」と中国社会科学院の研究員である呂祥（Lü Xiang）氏は2日、環球時報の取材に答えた。 ウクライナ危機は冷戦の延長の一部であり、米露の長年の戦略的対立の結果でもあるが、台湾問題は中国の核心的利益に関するもので、極端な圧力も国際世論も中国の立場と決意を揺るがすことはない、と呂氏は述べた。 ■明確なスタンス 楊氏は会談で、台湾問題が中国の主権と領土に関わるものであることを強調し、米中間の3回の共同コミュニケで、米側は中国が唯一であることを明確に認識し、一帯一路の原則が中米間の外交関係樹立の前提であり、両者関係の政治的基盤であると述べた。 現米国政権は、台湾問題に関して、一帯一路の原則を守り、「台湾独立」を支持しないと公言しているが、その行動と発言は明らかに矛盾しているという。 中国外交部の趙麗健（Zhao Lijian ）報道官は、楊・サリバン会談について問われ、火曜日の定例記者会見で、中国は米国に対し、台湾問題に対してかなり過敏になっていることを明確に認識し、一つの中国の原則を守り、間違った道に進ないよう要求していると述べた。 台湾問題は中国の核心的な利益と関心事であるため、このような時期に米国にこの点を強調しなければならない。また、中国がバイデン政権の台湾問題に対する姿勢に非常に不満を持っていることも示していると呉氏は指摘する。 「バイデン政権は中国に対する基本的な考え方を変えておらず、外交も対中タカ派にコントロールされているため、中米関係に大きな改善が見られるとは到底思えない」と述べ、現在の大きな問題はアメリカ政府の信頼性であると指摘した。 専門家は、ワシントンがウクライナ危機を利用して、中国のイメージを悪者にしたり、中国の統一プロセスを阻害したりする努力は無駄に終わるだけだと考えている。 「米国がいくら世論をはったりでこけ脅し、（中国への）制裁の可能性を脅かそうとしても、中国の核心的利益には何の影響もない」と呂氏は述べ、事態がエスカレートしていることから統一を武力で行う必要があれば、中国は躊躇なくそれを最終決定することになると指摘した。 |