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中国の世論は欧米やインドの
世論よりも「民族主義的」ではない
胡西鈞 GT編集長
China’s public opinion no more
‘nationalistic’than Western, Indian opinion
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By Hu Xijin GT
新华网 | 2021年05月04日

翻訳:青山貞一 Teiichi Aoyama(東京都市大学名誉教授)
独立系メディア E-wave Tokyo 2021年5月5日 公開



2021年4月26日、インド・ニューデリーの店の前で、COVID-19患者用の空の医療用酸素ボンベを補充するために並ぶ人々(写真:新華社)。


 中国国民は、インドでの壊滅的な流行に対して、集団的なシャーデンフロイデの態度を保持しているとは思わない。インドの中国に対する姿勢について声を上げる人がいるのは普通のことです。また、一部のインド人にとっては心地よくない意見があるのも当然である。

注)原文に出てくるシャーデンフロイデ(独: Schadenfreude) 
 自分が手を下すことなく他者が不幸、悲しみ、苦しみ、失敗
 に見舞われたと見聞きした時に生じる、喜び、嬉しさといった
 快い感情。日本語では「ざまあみろ」の感情である。


 同じように、中国が災害に見舞われたとき、欧米やインドの世論・見解(オピニオンスフィア)には、同情的な意見ばかりではなく、対立的な意見もある。私は、中国の世論が「特に民族主義的」だとは思わない。中国人が一線を越えたとも思わない。

 中国人は一般的に優しく、同情的で、平等を目指している。客観的に見て、世界の世論という分野について言えば、打撃を受けているのは中国であり、他の国ではない。アメリカ主導の欧米が作った中国に対する西側世論のカーテンは、中国国民に大きな憤りを与えている。

 中国は公式レベルではインドをしっかりと支持・援助しており、これは中国の全体的なスタンスを表しているが、社会における様々な声は、中国における意見の活力と多様性を示している。

 インド関連の問題では、中国の意見領域全体の活力と多様性が十分に発揮されている。国民には意見を表明する権利があり、当局は国の公式スタンスを調整する十分な力を持っている。

 外の世界は、中国の世論全般と多様性を尊重すべきである。中国以外の国々は、中国国民と当局の世論・見解全般について、人々の間に楔を打ち込むのではなく、様々な世論全般のはざまで中国社会全体の一体感を促進することを目指すべきである。


著者は「環球時報」の編集長である。opinion@globaltimes.com.cn