BRICSフォーラム 習近平が時代の問いに答えを出す BRICSは新たな方向性を模索、 「G7サミットは米国支配の秩序の延長を目指す」。 Xi offers answers to questions of the times at BRICS forum BRICS to find new direction; ‘G7 summit aims at extending US-dominated order’ 楊生、祁錦煜、万恒基 記 GT BR and BRICS #035 June 23 2022 翻訳：青山貞一（東京都市大学名誉教授） 独立系メディア E-wave Tokyo 2022年6月24日 |
 中国の習近平国家主席は2022年6月22日、BRICSビジネスフォーラムの開幕式で仮想形式の基調演説を行った。写真：新華社通信 新華社 本文 中国の習近平国家主席は22日、北京で開催されたBRICSビジネスフォーラムの開幕式で、仮想形式の基調演説で時代の問いに対する答えを提示し、「ウクライナ危機が再び人類に警鐘を鳴らした」として、平和を求め、守るための共同努力を呼び掛けた。 また、世界経済のガバナンスを強化し、新興市場と発展途上国の代表性と発言力を高める努力を促し、専門家は、これが世界の発展と回復を脅かしている現在の課題を解決する正しい方向を指し示したとしている。 習近平氏は23日に第14回BRICS首脳会議、24日に世界発展に関するハイレベル対話を開催する予定だ。専門家は、米国が主導するG7やNATOなどの西側機構も今月末に首脳会議を開催することから、国際社会の大多数を占める中国やその他の主要新興国、BRICSプラスの途上国が、現在の世界の課題と危機に対して共同の姿勢を表明し、回復を実現するための正しい方向性を見出すために結束を高めることが重要かつ必要であるとしている。 G7とNATOの首脳会談は、既存の緊張と危機を継続的に強化し、中国とロシアを標的とし、米国が支配する世界秩序を維持するためのブロック間対立と大国間競争に焦点を当てるだろう、とアナリストは述べている。 このため、中国と他のBRICSメンバーは、国際社会の大多数が共有する懸念によりよく対応できるような見解を示し、米国が導く間違った方向性の結果を指摘することが重要である、と指摘されました。 習近平はまた、主要先進国に対し、政策の負の波及効果を回避し、途上国に深刻な衝撃を与えないよう求めた。"制裁はブーメランであり、諸刃の剣である。""結局は自国の利益だけでなく他国の利益も損ない、皆に苦しみを与えるだけである "とも述べている。 ロシアのプーチン大統領、インドのナレンドラ・モディ首相、南アフリカのシリル・ラマフォサ大統領、ブラジルのジャイル・ボルソナロ大統領は、水曜日に開会式に出席して仮想的にスピーチを行い、オフライン式は北京釣魚台国賓館で行われた。 出席者はまた、制裁とデカップリングに反対しながら、経済のグローバル化と統合を後押しすることが、COVID-19の大流行後の世界的な回復を実現する鍵になると呼びかけた。 中国のアナリストは、BRICSは建設的な影響力を持つ主要新興経済国が形成した組織で、混乱する世界にさらに確実性を加えようとしている一方、米国主導の西側体制は協力を通じてグローバルな課題の解決を模索するのではなく、世界をさらに引き裂き、対立を激化させようとしていると指摘した。 正しい秩序 「制裁はブーメランであり、諸刃の剣であることは、何度も証明されている。世界経済を政治化し、自分の道具や武器にし、国際金融通貨制度の主要な地位を利用して故意に制裁を加えることは、自国の利益だけでなく、他国の利益も損ない、すべての人に苦痛を与えるだけだ」と習近平は指摘した。 「ウクライナ危機は、世界のすべての人に警鐘を鳴らすものだ。いわゆる『強者の立場』を盲信し、軍事同盟を拡大し、他者を犠牲にして自国の安全を図ろうとすれば、安全保障のジレンマに陥ることだけを思い知らせるものだ」と習近平は指摘した。 これは、NATOの拡大を通じてロシアとウクライナの問題を扇動し、危機の後に他の国に対ロシア制裁への参加を強制したり脅したりした米国と一部の西側諸国に対する直接的な批判だと中国のアナリストは指摘し、BRICS諸国はウクライナ危機に関して同様の中立的立場を共有しており、ロシア制裁の問題に関しても西側から同様の圧力を受けていると述べている。 今、彼らは新興経済国間の団結を表明し、圧力に耐え、協力と発展という共通の利益を守るために独自に行動している。 プーチンは演説の中で、「政治的な動機による制裁はますます増え続け、競争相手に圧力をかける仕組みはさらに強化されている」と述べた。 協力関係を意図的に破壊し、輸送・物流チェーンを破壊している。そして、これらすべては常識や基本的な経済論理に反しており、世界規模でのビジネスの利益を損ない、実質的にすべての国の人々の幸福にマイナスの影響を及ぼしています。" モディ氏は、「BRICSは、この新興国グループが世界的な成長のエンジンとして登場できると信じて設立された。世界がCOVID後の回復に注目している今日、BRICS諸国の役割は非常に重要になる」と述べた。" 北京師範大学BRICS協力センター長の王磊氏は環球時報の取材に対し、世界の回復傾向は非常に弱く、脆弱であり、これが今回のBRICSビジネスフォーラムの主要課題であると述べた。 「王氏は、「G7のような先進国が形成する協力メカニズムも世界回復の課題を設定するが、実際には、米国や西側が支配する既存のシステムを維持するという課題に追われており、そのため、世界の課題に公平に対処することができない。つまり、主要な新興国を束ねることができる実用的で効果的なメカニズムにはならず、より多くの乖離を生むだけだと指摘した。 清華大学持続可能な開発目標研究所の朱旭峰執行役員は、BRICSのメカニズムは途上国の声を聞く舞台を提供するものだと述べた。国際情勢が変化し、世界的な大流行が起こる中、5カ国は世界経済発展のバラストになっていると朱氏は指摘する。 「中国はBRICSの中で最大の経済大国であり、BRICSメカニズムがより効果的な役割を果たすことを促進するため、中国は公正なコミュニケーションのためのプラットフォームを提供し、また一帯一路構想のように共同発展のための公共財を世界に提供してきた 」とし、BRICSおよびBRICSプラスメカニズムの下で他のパートナーと共に継続的に協力し、激動の世界により積極的にエネルギーを貢献すると、Zhuは指摘した。 回復の鍵 習近平は「BRICSメカニズムは新興市場と発展途上国にとって重要な協力プラットフォームだ。経済界はBRICSの効果的な協力を推進するダイナミックな力である。」 「BRICSの協力は今、質の高い発展の新段階に入った。皆さんビジネスリーダーが引き続き粘り強さと開拓者精神で行動し、開放・革新・共有の発展を唱え、BRICS協力に新たな原動力を与えることを期待する。」と述べた。 習近平はまた、中国は引き続き開放を強化し、市場原理に基づき、法治的で、国際標準に沿ったビジネス環境を育成すると述べた。また、企業が中国に投資し、発展させ、貿易と経済協力を強化し、発展の機会を共有するよう奨励した。 世界中のビジネス界からの出席者は、この呼びかけに賛同し、相互の連結と統合が回復の鍵になると述べた。欧米が進めるデカップリング傾向や制裁は、世界のサプライチェーンやバリューチェーンに害を与えかねず、世界経済の回復を実現するための努力に支障をきたすとし、その多くは中国に回復への方向性を導くよう期待をかけている。 南アフリカ産業開発公社のブシ・マブザ会長は、水曜日に開催されたBRICSビジネスフォーラムで、オープンな貿易はつながった世界の重要な要素であると述べた。 「貿易と市場の開放は、歴史的に、あらゆる開発レベルの国々における経済パフォーマンスの向上と密接に関係しており、世界中の労働者、消費者、企業に新たな機会を生み出し、何百万もの人々を貧困から救うことに貢献してきました」とMabuzaは述べました。 「統合は、世界経済の金字塔です。デジタル化は国際統合を加速し、国境を越えた貿易、資本、資金、直接投資、技術、人材、情報、アイデアの流れを活発化させた。したがって、COVID-19の大流行後の世界経済の回復は、統合をいかに活用するかにかかっています」とマブザは述べています。 サウジアラビア基礎産業公社（SABIC）の副会長兼CEOであるユセフ・アルベニヤン氏は、水曜日に、「世界経済は深刻な病を抱えている」と述べた。その生命線である国際貿易は、弱く、低迷し、混雑している。2021年に2桁に回復した後、現在、貿易量の年間成長率は1桁台前半まで落ち込むと予想される。」 「BRICS諸国の外から来た私が、我々の世界が切実に必要としている開放性の向上を例証することができれば、今日ここに参加したことに非常に満足している」とアルベニヤンは言った。今後、世界の石油化学分野への投資の多くは、中国に集中すると予想される。そして、その大部分は外国からの直接投資（FDI）によるものでなければならないだろう、と彼は指摘した。 中国人民大学国際問題研究所所長のWang Yiwei氏は、Global Times紙に対し、サプライチェーンの回復力や安全性を言い訳にデカップリングを推進する欧米主導の秩序は問題であり、世界をバラバラにすると感じる国がますます増えている、と述べています。 BRICSのような発展途上国は、世界の経済成長において先進国以上に貢献しているため、世界秩序はより合理的で公平なものになるだろうという。 |