廃棄物最終処分場環境影響調査

Detail Environmental Impact Assessment
on Final Disposal Sit
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株式会社 環境総合研究所
(東京都品川区)
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地形・建築物・構造物を考慮した
廃棄物最終処分場から周辺環境への
有害化学物質の飛散の予測と評価

 〜3次元流体モデルによる場外飛散の予測・評価〜

【調査の背景】

 
廃棄物の管理下型処分場の場合、 通常、廃水処理後の排水や浸出水中のダイオキシン類などの環境ホルモン物質、重金属類などの有害化学物質が問題とされる。しかし、ひとたび最終処分場に廃棄された焼却灰などが強風や重機による攪拌によって再浮遊し、場外に飛散する可能性も十分考えられる。
 環境総合研究所では、1998年夏から秋にかけ、東京都日の出町の廃棄物広域最終処分場(谷戸沢処分場)から周辺地域へのダイオキシン類の飛散の可能性について、3次元流体力学モデルをベースとしたコンピュータシミュレーションを行った。
 シミュレーション結果を解析、評価したところ、有害化学物質が最終処分場周辺に飛散している可能性が高いことが分った。

課題


 具体的な課題としては、@処分場に持ち込まれた灰が風や大型車両の走行による巻き上げなどによりどのように再浮遊するか、A再浮遊した粒子状の物質が複雑な地形や気象のもと、どう場外に移流、拡散するか、B飛散した粒子状物質がどう周辺の土壌や水質に付着、沈降するか、にある。
 これらをどう推定するかが問題となる。

参考 3次元流体解析
【調査の方法〜3次元モデル構築〜

 
飛散を推定するためには、再浮遊のモデル化とともに、ひとたび再浮遊した粒子状物質がどう場外に移流、拡散するかをモデル化するかが技術的な課題となる。ここでは3次元流体モデルを差分法により近似解を求める方法を用いてコンピュータによるシミュレーションする方法論を用いた。
 
右図は、3次元流体モデルにより最終処分場周辺の風の向きと速さ(風向、風速)をシミュレーションした結果として示したものである。
 このシミュレーションでは地域の複雑な地形や処分場のすり鉢状構造を考慮している。
 シミュレーション結果を見るとわかるように、すり鉢状の処分場周辺における風の流れは非常に複雑なものとなる。すり鉢の中から一端舞い上がり、主風向の風下に向かって移流していることが分る。
 最終処分場周辺の風の流れの予測例(3次元シミュレーション)
【汚染拡散シミュレーションの例】 

 右図は、先に行った風の流れのシミュレーションデータを用いて、特定風向下での汚染の移流と拡散を予測した結果を示している。

 
シミュレーション結果を見ると、処分場の底に廃棄された有害化学物質を含む灰(微粒子)が再浮遊により場外に流れ出ていることが分る。
 図中、赤い部分が有害化学物質濃度の高い箇所、青い部分が比較的低い部分を示している。移流、拡散先に緑色の高い濃度があることも分る。
最終処分場からの有害化学物質の場外への飛散シミュレーション
 右図は、有害化学物質が管理型処分場から場外に移流拡散してゆく状況を平面として見たものである。真上からみていることになる。
 
汚染は、里山の複雑な地形をぬうように、谷ぞいに移流し、窪地に沈降していることが分る。



 
 【リスク評価の例】

 
下図は、3次元流体シミュレーションにより周辺集落への有害化学物質のリスクを予測する上での前提を示している。なお、環境リスクは長期平均濃度(年平均濃度)と短期平均濃度の2つで評価した。なお、短期リスクは、下図の右に示す風配図をもとに各集落が最終処分場に対し風下となる方位の風向を想定した




 
下図にリスク評価結果を示す。図より集落Aと集落Bでは、短期、長期ともにA集落の相対濃度が高いことが分る。


【予測結果の検証】

 シミュレーション結果を検証するため、1998年11月、広域最終処分場周辺の5地点で土壌のサンプリング調査を行い、土壌中のダイオキシン類濃度を分析したその結果を右図に示した。

 数値は、処分場の外周部のハイキングコース近くで293.7pg-TEQ/gの高濃度が検出されたのをはじめ、玉の内地区の田島画家の自宅裏の梅林で112.8pg-TEQ/g、処分場から1400メートル離れた中西氏の自宅裏庭でも15.3pg-TEQ/gが検出された。

 ダイオキシン類の同族体を定性分析した結果、いずれも同じパターンとなっており、検出されたデータが処分場から飛散したダイオキシン類であることが確認された。


土壌中ダイオキシン類の同族体パターン図10 測定分析結果の同属体パターン

図9 処分場周辺の土壌中のダイオキシン濃度測定分析結果
上図の点線枠内は、上図における3次元流体シミュレーションの範囲を示している。



提案】

 
 従来の環境アセスメントや生活環境影響調査では、ここに提案した有害化学物質の場外飛散はまったくふくまれていません。また建設後のダイオキシン類、重金属類などの飛散についてもほとんど調査がなされていません。
 環境総合研究所では、ここに示した内容の調査を提案します
ご活用下さい。

 

環境アセス・生活環境影響調査に対する追加調査の提

 環境総合研究所では、生活環境影響調査に対し以下の各調査の追加を提案します。

○地形・建築物・構造物を考慮した2次元、3次元大気汚染シミュレーション

 境界条件の設定の難度、気象、地形、建築物データの入手可能性により調査費用は異なります。
ご相談ください。

○土壌汚染・地下水汚染の現況調査、事後調査

 土壌・地下水汚染については、技術・業務提携先の化学物質分析機関による精度が高く、適正費用の測定分析が可能です。土壌、地下水の現況調査の概要を以下に示します。

土壌、底質、地下水、排水、環境水
ダイオキシン類
コプラナーPCB類
全PCB
揮発性有害化学物質
半揮発性有害化学物質
農薬
重金属類 シアン、砒素、六価クロム、カドミウム、クロム、鉛、水銀等
参考  ダイオキシン・有害化学物質分析サービス

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