愛知万博問題への提案書

中村敦夫・青山貞一・田中康夫




知事会見後、記者会見する左から青山貞一、中村敦夫,田中康夫(愛知県庁にて)

愛知県知事 神田眞秋 殿

               提 案 書

 愛知県下で開催予定の「2005年日本国際博覧会」(愛知万博)が、“新しき世紀”の幕開けに相応しき万国博覧会並びに自然保護の在り方を提示し、県内・国内のみならず全世界の心ある「市民」から幅広い共感と支持を集める、崇高にして壮美な環境博覧会への“止揚”を成し遂げるべく、本日、神田眞秋・愛知県知事に対し、私達は下記3項目の提案を行います。


(1)「海上の森」地区に於ける新住宅市街地開発事業(新住事業)の断念に加え、「学術研究都市」「エコ・タウン」「森を上手く使う」等々の惹句を弄しての跡地利用計画をも中止する。

(2)「愛知万博」のパビリオンは「愛知青少年公園」地区に一本化し、「海上の森」地区は必要最小限のヒュッテ(山小屋)建設に留め、環境レンジャーの案内で市民がエコ・ツーリズムを体験する場とする。

(3)大都市に近接する得難き里山を、万博閉幕後も“愛知版”白神山地や屋久島として環境保全すべく、「海上の森」地区での新たな道路建設を断念する。

 「愛知万博」計画が上記3項目を大前提とする限り、その実現と成功に向け、私達は協力を惜しみません。「行政」対「市民」の旧来型“二項対立”を超えたクリエイティヴ・コンフリクト(創造的葛藤)の精神に基づく、日本で最も進んだ画期的PI(パブリック・インヴォルヴメント)の試みが愛知の地で結実するよう、神田眞秋知事がイニシアチヴを発揮されんことを懇望します。

                          2000年3月10日