環境保全型流通消費をめざして、ひな祭り商戦真っ只中の2月28日から3月3日、全国ハマグリウオッチャーが戦火をくぐり抜け、ハマグリ類店頭表示調査を行いました。方法は、インターネットを使って日本で流通している4種類のハマグリ類の判別可能なカラー写真と、調査の目的を書いたチラシを全国の環境保護団体・消費者団体に送信しました。それをもとに普段買い物をしているスーパーマーケットで、彼らの小遣いの範囲で商品を購入してもらい(1)画像(2)店の所在地(3)表示名(4)店名(5)単価をメールに添付して送り返してもらいました。 |
<結果> 全96商品9都道府県[宮城・千葉・東京・神奈川・愛知・三重・福岡・熊本・沖縄]
国内種である(1)ハマグリ(Meretrix lusoria)は、古い遺跡からも大量に出土され、高度経済成長を迎えるまで約8千年もの間、いのちを支え、同時にさまざまな生活文化を育んできました。埋立、ダム建設をはじめとする河川改修工事によって国内の生息地が瞬く間に消えても食習慣だけは残り、今それをささえているのは近隣アジア諸国で採れる近縁のハマグリ類なのです。 日本のハマグリ類流通消費は、日本で採れなくなれば韓国、韓国が少なくなれば中国、中国が少なくなれば北朝鮮と輸入産地を次々に食い潰すといった、生物資源枯渇加速構造から抜け出せずにいます。ついに今年は、しぐれ煮や佃煮といった加工食品にしか使われなかった(4)ベトナム産ミスハマグリまでも店頭に並んでいました。 この結果をより多くの生活者の方々に知ってもらい、干潟を守る食卓の応援団を増やしたいのです。さらに、わずかに残っている国内の生息地保全を地元の人たちと取り組んだり、現在日本の消費を支えている中国・北朝鮮のシナハマグリ資源を、現地の方々と協力し合って包括的な生産流通管理体制を構築し保全したいと考えています。わたしたちはアジアの干潟減少を、韓国や中国でもハマグリウオッチャーを養成することで、食い止められるのではないかと考えています。準備を整えて韓国・中国でもぜひ実施したいと願っています。協力いただける方々のご連絡を心よりお待ちしています。 |
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連絡先 アジアの浅瀬と干潟を守る会 山本茂雄 E-mail shigeo38@sirius.ocn.ne.jp