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本格的オーディオボードで
PC音響システムの
音質改善を!


青山貞一

2006年2月13日、25日拡充


 先に「玄人志向」のUSBアナロ・グアダプターを使った簡易なPC音響システムの改善方法を紹介した。これはこれでそれなりの音質改善がはかれた。

 しかし、やはりEnvy24HF系のディジタル・アナログ変換システムを使った本格的なオーディオボードを使ってみたくなった。

 Envy24HFをつかった本格的オーディオボードで、現在もっとも評判が高いオンキョウのオーディオボード、SE−150PCI及びSE−90PCIだ。

 今回、このオーディオボードを実験したので報告しよう。

 以下がオンキョウのSE−150PCI及びSE−90PCIの外観である。

SE−150PCI SE−90PCI

 両者の相違だが、まず最初に言えることは、SE−90PCIはSE−150PCIのサブセットであることだ。

 他方、共通点はともに超低歪率のDA変換、すなわちデジタル→アナログ変換を実現しており、ともに110dBに及ぶSN比をもっており、さらに2ch用ステレオの出力端子、デジタル光端子をもっている。
また周波数特性は、ともに 0.3Hz〜44kHz(LINE OUT,+0/-0.5dB)である。

 両者の違いは、150がマイクなどアナログ入力、デジタル入力などに対応し、最高7.1chのアナログ出力をもっていることにある。

 デジタルINサンプリング周波数は、後続の90の方が最高192Khzと高い周波数を実現している。

 以下にメーカーのカタログを示す。


型 番  SE-150PCI
SN比 110dB (LINE OUT)
周波数特性 0.3Hz〜44kHz(LINE OUT,+0/-0.5dB)
デジタルIN
サンプリング周波数
32、44.1、48、88.2、96kHz
デジタルOUT
サンプリング周波数
32、44.1、48、88.2、96kHz



対応機種 PCI(ver.2.1以上)バススロットを持つPC/AT互換機
OS Windows(R)2000 Professional(SP3以上)、XP(SP1以上)
CPU Intel(R)Celeron(R) 800MHz以上
(Intel(R)Pentium(R) lll 800MHz以上推奨)
メモリ 128MB以上 
その他 CD-ROMドライブ(ソフトウエアのインストール時必要)
入出力端子 LINE IN×2(ステレオRCA、内部接続)
MIC IN×1(φ3.5m/モノラル)、DIGITAL IN×1(光)
LINE OUT×1(RCA/STEREO)、DIGITAL OUT×1(光)
7.1ch ANALOG OUT(Front L/R、Center、Sorround L/R、
Surround Back L/R、Subwoofer)
付属品 RCAピンケーブル×1(1.5m)
マルチ入出力ケーブル×1(190mm)
CD-ROM、取扱説明書、保証書、お客様登録カード
 
定格 SE-90PCI
SN比 110dB (LINE OUT)
周波数特性 0.3Hz〜44kHz(LINE OUT,+0/-0.5dB)
デジタルOUTサンプリング周波数 32、44.1、48、88.2、96、176.4、192kHz※1
動作環境 対応機種 PCI(ver.2.1以上)バススロットを持つPC/AT互換機
OS Windows(R)2000 Professional(SP3以上)、XP(SP1以上)
CPU Intel(R)Celeron(R) 800MHz以上
(Intel(R)Pentium(R) lll 800MHz以上推奨)
メモリ 128MB以上 
その他 CD-ROMドライブ(ソフトウエアのインストール時必要)
入出力端子 LINE OUT×1(RCA/STEREO)
DIGITAL OUT×1(光角型)

 私はたまたま150及び90の両方を購入したが、録音及び7.1chなどをやらない場合には、90で十分な性能、機能を有している。

 もっぱら、90にもQsoundと言う残響、3Dサラウンド効果、Qxpander機能がついており、サブウーファーと背面スピーカーそれに対応したアンプがあれば、そこそこ5.1chに近い音響空間が再現できる。

 ここでは、とりあえず90についてインストール、調整等について報告する。

 150は大型プロファイル専用となっているが、90にはロープロファイルと大型プロファイルの両方が付属している。したがって90は小型のデスクトップにも装着可能だ。

 オーディオボードの装着はPCの外箱を開け、通常のボード同様に装着すればよい。

 装着後、もともとPCについているサウンド機能、MIDI機能などをBIOSレベルで外す必要がある。そのため、装着後、PCをオンにした直後、DELキーなどを押すことにより、BIOS設定画面をだし、そこでI/Oコントロールなどでサウンド機能をUnenable設定とする。

 これ作業はパソコンの種類により異なるので、パソコン購入時のマニュアルを見る必要がある。これをうまくやらないと、音がでなかったり、出ても疑似3Dサラウンド、5.1chなどが作動しなくなると言う報告がでている。

 先に報告したUSBアナログアダプターは、USBバスから音響信号をとるので問題ないが、90や150はBIOSレベルで内蔵サウンド機能(ボード)と競合するので、上記の作業をする。

 ボードハードのインストール及びBIOSの設定をしたのち、付属のCD−ROMをPCに挿入し、ドライバーをインストールする。これは指示に従えば何ら面倒はない。

 その後、RCAピンジャックのメスとアンプのAUX端子を付属のRCA接続ケーブルでつなぐ。

 私の場合、アンプのAUXが3.5mmのプラグジャックだったので、秋葉で片方が雄のRCA。他方が3.5mのプラグのコードを500円で購入し接続した。

 さらに私の場合、もともとのステレオコンポが中高音用端子と低音用端子があり、さらにドルビーサラウンドモードがあり、背後用スピーカーが右と左ついている。そこで、低音用端子の右と左をつなぎ、そこにヤマハのサブウーファーを接続した。

 アンプ、スピーカーのセッティングは、付属のVIA Vinyle Sound Control PanelソフトをPC上で立ち上げ、ひとつひとつセットすればOKである。とくにQsoundパネルでは、残響、3Dサラウンド効果などをオン・オフでき疑似5.1chなどが体現できる。

 閑話休題

  ここで実際に聴いたオーディオボードの感想だ。

  あちこちのホームページの使用記あるように、全音域を通じて低い歪率となり、聴いていて疲れない。

 また高SNでダイナミックレンジがひろいのでクラシック音楽にはもってこいだ。

 さらにクラシックからJ−POPまで、どの音楽コンテンツでも低域の伸びがすばらしい。サブウーファーをつけている場合は、見違えるような澄み切った高額の音響システムならではの重低音が聴けるはずだ。私の場合、ヤマハYST-FSW100を使っているが、低音のダンピングがよくなり、しまった重低音がでている。

 逆に言えば、安物のスピーカーシステムを使っている場合、その限界があらわになってしまうとも言える。

 いずれにしてもPCのウィンドーズ・メディア・プレイヤーのCDデータベース上に登録したクラシックからJ−POPまでPC付属のアナログポートから直接ステレオに接続していたときに比べると、月とすっぽんである。

 また玄人志向のUSBアナログアダプターと比べてもはるかに歪みが低く、低域の伸びが良くなっている。

 私の場合、上記のようなミニコンポステレオの構成となっているので、Qsoundに付属している残響、Qexpander、それに3Dサラウンド機能も結構楽しめる。もちろん、これは音楽のコンテンツに依存しているが。


 と言うことで、1万円弱の投資で結構、すばらしい音が楽してめる。

 繰り返すが、いくら90なり150を装着しても、スピーカーシステムやアンプの性能を超えることはできず、音キチにはそれらのアラなり、限界があらわになるかも知れない。


 したがって、数万円程度のミニコンポに接続するなら玄人志向のUSBアナログアダプター(1600−2000円)をおすすめしたい。このアダプターの接続は超簡単である。