環境総合研究所 自主調査研究 30年間の軌跡 市民参加による松葉を生物指標とした 大気中のダイオキシン調査監視活動(東北編・山形) Citizen participatory monitoring activity of Dioxins in the atmosphere by Pine Needle as biological indicator (Tohoku・Yamagata) 概要、論考、論文、報告、記事、文献 主担当:池田こみち 掲載月日:2017年6月10日 独立系メディア E−wave Tokyo 無断転載禁 |
○山形県(上山市・山形市) 2014年 <概要> 山形市、上山市と山辺町、中山町の2市2町(人口:約31万人)で構成する山形広域環境事務組合は現在、新しい清掃工場の建設を進めています。同組合は、新清掃工場の建設に向け、1999年から立地選定作業を進めてきましたが、最終的に現在の上山市川口地区に決定し着工するに至るまでの16年余りの間に、何回も立地地域の白紙撤回を余儀なくされてきました。 いずれの候補地でも市民に対する事前の説明や意思決定過程の透明性に問題があったことが指摘されています。 2017年6月現在、上山市川口地区では組合による建設工事が進められていますが、一方で地元住民による立地選定の妥当性、工事の進め方の妥当性、公金支出の正当性などをめぐる裁判が続けられています。 過剰なごみ焼却施設を建設すれば、地域の廃棄物が減らないばかりか、将来世代に対して、財政的なリスクと環境汚染リスクを残すことになりかねません。 上山市川口地区で新清掃工場建設予定地のすぐ目の前に立地する民間企業が中心となり、工場の完成前に松葉による調査を行う事となりました。新工場は、ガス化溶融炉方式が採用されることから組合側からはまったく汚染の影響はない、という説明を受けていたのです。 そこで、万一、新工場が川口地区に建設されたときのことを想定し、現在、同組合の廃棄物が焼却処理されている山形市半郷清掃工場の周辺地域と建設予定地の上山市川口地区周辺で松葉を採取し事前調査を行いました。 その結果、以下のように、既汚染地域である山形市半郷地区は未汚染地域である上山市川口地区の3倍程度の濃度であることがわかりました。事前調査では、ダイオキシン類と金属類の調査を行い、今後稼動した後の監視活動のための基礎データとすることとなりました。 図1 立地位置図 図2 結果グラフ 執筆担当:池田こみち 以下は関連する論考、資料、新聞記事です。 ◆青山貞一:山形・上山事務組合による巨大ガス化溶融炉計画勉強会 10 March 2010 独立系メディア http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col15578.htm ◆ゴミ弁連山形総会写真集(2016年7月31日〜8月1日) http://gomibenren.jp/ ゴミ弁連山形県上山総会シンポジウム(月岡温泉ホテル) ゴミ弁連山形県上山総会シンポジウム(月岡温泉ホテル) 左から池田こみち、青山貞一、坂本博之(弁護士、ごみ弁連事務局長) ◆山形県の環境と観光産業を守る会 山形県上山市川口地区に建設予定の清掃工場(エネルギー回収施設)に関する詳細、および諸問題について http://mamorukai.hateblo.jp/entry/2016/08/28/001428 ◆山形広域環境事務組合の新工場建設に関するサイト エネルギー回収施設建設事業について http://www.yamagata-koiki.or.jp/seisou.html ◆新清掃工場選定大詰め 河北新報記事2012-11-13 |