2002年3月31日(日)朝日新聞・神奈川湘南版

◆藤沢・引地川 貝のダイオキシン濃度
 全国12ヶ所で「最悪」



集会で報告する池田こみちさん
 市民によるムラサキイガイのダイオキシン濃度の全国調査で、藤沢市の引地川河口で採取された検体の濃度が最も高いことが30日分かった。藤沢市民会館で開かれた「引地川汚染事故2周年報告集会」で報告された。

 報告したのは環境総合研究所副所長の池田こみちさん。サーファーを中心にした全国調査のうち、大阪、神奈川、愛知など6府県の12の海域で採取された検体の濃度速報値が公表された。

 ダイオキシンの中でも蓄積性の高いコプラナPCBの比較では同河川河口の検体から1.78ピコグラムのダイオキシンが測定され、最も高かった。コプラナのほか、フランを含むダイオキシン類濃度は、引地川の検体が3.08ピコグラム、相模川河口が2.36ピコグラムだった。

 県が29日に発表した同じ調査では、引地川で2.4ピコグラム、相模川で2.0ピコグラムだった。 県は「旧環境庁の全国調査の範囲内(0.94ピコグラム〜3.2ピコグラム)で問題はない」としているが、池田さんは、「引地川の水生生物の濃度が最も高い理由は荏原の影響以外考えにくい。総合的で継続的な調査が必要」と指摘した。