下野新聞 平成16年3月9日社会

上三川の松葉調査
 ダイオキシン濃度改善 規制強化で過去最低値に


【上三川】
 松葉で大気中のダイオキシン類濃度を測定しようと、町と住民グループが実施した本年度の調査結果が8日までにまとまり、町内の年間平均濃度(単位・ピコグラム/立法メートル、推計)は、0.09と前年度の0.12を下回ったことがわかった。

 2001年度から始めた調査の測定値は、1回目の0.46から年々減少しており、町は新年度から調査を中止する方針を決めた。

 町と測定ボランティア「くろまつ」は、本年度の調査では、町内を中心部や北東部など五地域に分け、地域別に大気中のダイオキシン類濃度を測定しようと計画。昨年11月、各地域毎に松葉を採取し、東京都内の環境コンサルタント会社を通じてカナダの研究機関に送った。

 調査結果によると、五地域の大気中の濃度は、最高が中心部の0.1、最低が南西部の0.05で、町内の平均値は0.09と推計された。いずれも国の環境基準0.6を大きく下回った。

 町側は、「ダイオキシン類対策特別措置法の施行で業者などへの規制が強化された上、野焼きの自粛を市民に呼びかけたことが大気中濃度の減少に結びついたとみられる。ダイオキシン類濃度を高める要因が今後想定されないことなどから、調査は、新年度から中止したい。」としている。

 町は計三回の調査と結果を踏まえた今後の対応について、21日午後1時半から町役場三階大会議室で報告会を開く。調査を依頼した環境コンサルタント会社の専門家が講師を務める。

 問い合わせは町生活環境課 電話 0285-56-9133へ。


事務局 池田こみちからのコメント

 今回で松葉調査を中止するというのは大変残念なことです。14年度規制実施直後の今はまだ遵守されていても、今後はまた悪化しないとは限りません。現在、報告書の改訂を行っていますが、町内及び周辺地域の発生源の状況についてもコメントしたいと思います。隣接する風上エリア(宇都宮市茂原地区など)には、廃棄物焼却施設や下水汚泥処理施設などいわゆる迷惑施設が集中していることから、今後とも監視は必要だと思います。