朝日新聞 2002年10月21日朝刊 茨城版 100人以上が出品し「松葉チャリティー」 |
笠間の市民グループ・みみずの会(佐宗裕子代表)が、26〜28日午前10時〜午後6時(28日は午後5時)に、笠間市笠間のギャラリーせらう゛ぃで松葉チャリティーを開く。県や市が同市福田のふじみ湖に建設を進めている産業廃棄物最終処分場・エコフロンティアかさまができる前に、現在の笠間のダイオキシン値調査をしようとする同会の呼び掛けに、陶芸家を始め、刺し子、織、木工などの作家、福田地区の農家などが賛同した。出品作は農産物を除き、市価の3割引きで販売、売り上げ全額が調査費用に充てられる。 産廃処分場問題で揺れる笠間で、ダイオキシン値測定費用ねん出のため 陶器や刺し子、織物、木工、写真、絵、農産物などを販売
チャリティーには10日現在で、114人が出品することになった。品目は陶器を始め、刺し子、織物、絵、写真、木工、鉄、雑貨、無農薬有機栽培や無農薬栽培の野菜、わき水が豊富で、おいしいと評判の福田地区の米や朝採り野菜、果ては中古車までと多彩だ。
また、26日午後3時30分と5時に、かつらだみずほトリオによるジャズライブも行われることになった。 出品の呼び掛けは、企画展やグループ展とは勝手が違った。出品イコール処分場反対派とみられるのでは?仕事上協力しづらい、主旨には賛同するが、適当な作品がないからと、迷う作家も少なくなかった。 一度は断られた作家から、自分で後悔すると思うので出品させてほしいと言われたことも。スタッフ、出品者も初めての試みに戸惑いながらも、ようやくチャリティーの形が見えてきた。 チャリティーの売り上げ目標は50万円とした。松葉調査にかかる費用はサンプル1地区(1地区内で最低5カ所)に14万円かかり、市内全体の調査には最低3地区は必要ということからだ。 黒松は葉に脂肪分を多く含み、ダイオキシンの蓄積が安定しているといわれ、全国的に調査が行われている。大気中のダイオキシン測定が、調査日の気象条件や、環境などによって大きく左右されるのに対し、松葉調査は長期的、平均的データが得られることが特長。 昨年度、松葉ダイオキシン調査を実施したのは1府12県82地区で、千葉県柏市では7地区で行われた。県内では唯一、八郷町で行われた。継続して調査すれば、環境の変化が記録できる。 ふじみ湖を笠間の摩周湖と呼ぶ人もいる。湿原には貴重な植物や昆虫などが生息している。福田地区の住民を始め、みみずの会など市民グループは、たくさんの人に一度、ふじみ湖を見てもらいたいと願っている。 また、同会では黒松のサンプルを提供してくれる人も募集している。 笠間市産業廃棄物処分場建設反対連絡会 事務局長 鈴木貞夫さんへ。 展望台から見たふじみ湖。砕石採掘跡に地下水がわいてできたといわれ、今では澄んだ水をたたえる。写真左奥には湿原があり、貴重な植物や昆虫などが生息する。水は近くの涸沼川に流れ、下流の市町村は、その涸沼川から取水している。隣接する道路は子供たちの通学路にもなっている
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