朝日新聞 2001.10.28

  ダイオキシン濃度 クロマツの葉で調査
福山の環境団体 計20ヵ所で測定へ


 福山市の環境団体「ゴミ発電(RDF)ごみ問題を考える会」のメンバー5人が27日、市内の大気中ダイオキシン濃度を調査するため十数カ所でクロマツの葉を採取した。28日にも、数カ所で採取を予定しており、計20ヵ所について濃度を測定する方針。調査結果は数ヶ月後に発表する予定だ。 福山市のRDF発電計画の中止を求めている同グループが、現在の環境の実態を知ろうと企画した。この日は佐藤政伸・代表理事ら5人が参加。5人は同市東深津町2丁目の深津小学校で、校庭のクロマツの葉約60本を採取した後、2班に分かれて市内計9ヵ所で採取活動をした。

 採取したクロマツは、環境総合研究所(東京都品川区)に送り、ダイオキシン濃度を分析する。クロマツは周囲の濃度に比例してダイオキシンを吸収する。全国的に広く分布しているため、従来から分析に利用されている植物という。 佐藤代表理事は、「今後もダイオキシン調査を続け、福山の大気中の環境がどう変化していくか見守りたい」と話していた。

写真:クロマツの葉を採取する環境団体のメンバー=福山市の深津小学校で