カナダ・ノバスコシア州
廃棄物資源化政策現地視察コラム(1)

〜ハリファックス市のシタデル(CITADEL)について〜

青山 貞一(環境総合研究所)

●カナダを代表する歴史的遺産、シタデル(Citadel)

 2003年9月1日から7日に行ったカナダ・ノバスコシア州廃棄物資源化政策の現地視察では、首都ハリファックス市のシタデルの隣にあるシタデル・ハリファックス・ホテルに28名の団員が全員が宿泊した。視察2日目の夕方には、カナダを代表するこの歴史的遺産、シタデル(Citadel:日本語で要塞)の施設の一角で私たちの歓迎レセプションが開催された。

 そのシタデルは、歴史的にはかの大英帝国の港を守る要塞として設置されている。現在はカナダ連邦政府公園局(Parks Canada)が管轄する歴史的遺産となっている広大ないわば観光施設です。北海道函館市にある五稜郭はノバスコシア州ハリファックスにあるこのCitadelを見本にして作られたとされており、現在、ハリファックス市と函館市は姉妹都市となっている。

 以下は、カナダ公園局資料からの青山暫定訳。

●シタデルCitadelの歴史:

 シタデルは大英帝国が18世紀、本国外でもつ4つの主要な海軍要塞のひとつである。現在のシタデルは1855年に完成したが、いまだ一度も実際の戦いに使われていない。

 1749年、最初につくられた時点から19世紀に至るまで、ハリファックスにあるシタデルは、大英帝国がもつ4つの主要な海外海軍基地のうちのひとつであった。この要塞はハリファックスを防御する目的、すなわち戦略港およびその周辺地域の防備強化策として英国政府は設置した。

 ハリファックス湾を見下ろす丘の上にシタデルがある。1856年に完成した現在の城塞は、1749年以来つくられてきた一連の要塞の第四番目の施設である。それは防衛の溝、塁、銃兵ギャラリー、火薬庫および信号マストを完備したもので、19世紀に原型が整った優れ施設である。このシタデルは一度も攻撃されなかったが、要塞は、1906年まで英国陸軍およびカナダ軍隊によって占有されていた。

 現在の第4次シタデルは、米国からの攻撃に対応する目的で設立された。シタデルの星形施設を構築するため28年がかかった。シタデルの砲撃施設は改良を加えることにより、ハリファックス湾も防御することが可能となった。新しい大砲はハリファックス湾に入る戦艦を攻撃するに足る距離と精度を持つようになった。

 20世紀におけるシタデルの主な役割は、宿泊設備として、また湾を防御するコマンド・センターにある。第二次世界大戦が1939年に起こった時、シタデルは海外へ向かう軍の暫定施設そしてハリファックス防備のための対空オペレーションセンターとして使用された。

 今日、シタデル城塞はカナダ公園局によって維持運営され、カナダで最も重要な歴史的遺産、史跡のうちのひとつとなっている。現在は「生きた歴史」教育、それもビクトリア朝中期の史跡となっており、カナダの重要な国民的歴史的遺産となっている。現在、施設にはガイド付きツアー、視聴覚プレゼンテーションおよび展覧品があり、カナダ国内だけでなく、世界から多数の観光客が訪問している。